宮原悦子 著
句集:「東籬(とうり)」、雨月叢書第69輯、平成6年
俳句2句、平成27年
俳句結社「雨月」会員
米子市在住
鳥取県の妙本寺は建武元年の開山で、600年余の歴史を持つ由緒ある寺院。著者は、その第39代法灯継承者である日鷲上人の裏方さん(奥方のこと)として、昭和39年にこの寺に来られ、山務の傍ら、昭和51年頃より句作を始められたという。
句集「東籬」には、平成6年までに「雨月」、「かつらぎ」などの誌上で入選された句の中から1,105句を自薦し、その中から「雨月」の大橋敦子主宰が選句された528句が収録されている。大橋主宰の序には、「裏方さんという境涯の由縁で、格調が高く、品格に満ち、みほとけに仕える安心の境地の滲み出た作品が多い」と紹介されている。日鷲上人の就任30周年記念のときにこの句集出版の話が出て、趣味のことだからと当初は辞退されていたらしい。
東籬とは東にある垣根のこと。陶淵明の詩の「飲酒」第5首に「菊を采(と)る東籬の下(もと)、悠然として南山を見る」の有名な句がある。寺からは東に伯耆富士と称される大山(だいせん)の勇姿が眺められることから、自ずとこの題名を選ばれた由。
収録された句は、いずれも秀逸で素晴らしいもの。また、ここに掲載する2句は作者の最近の代表作で、拝見する私たちにも、厳かで清澄な気分を醸し出してくれる。

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