銀行は自分が持っていないお金を貸し付ける!

それが奇妙に思われるなら、これはどうでしょう。各国の中央銀行は、預金準備率を規則通り守ってきましたが、ロビー活動によって最近10年では以前より高くなっています。あるところでは20:1、30:1も普通のことになっています。さらに最近では、準備預金を膨らますため、ローン手数料を利用することで、銀行は今や完全に準備率の限界を打ち破りました。ルールは複雑な一方ですが、現実は極めて単純です。銀行は私たちが借りられる限界までのお金をつくることができるのです。

誰もが潜在意識では銀行がお金を貸していないことに気付いている。あなたが貯金をおろすときに、銀行はあなたに言わないでしょう。あなたはお金をおろすことはできません。なぜならそのお金は誰かに貸してしまっていますから。 ――マーク・マンスフィールド 経済学者 作家

途絶えることのない造幣局の稼業にもかかわらず、政府が作るお金は、循環しているお金の5%以下に過ぎません。今日、95%以上のお金は、誰かの銀行に対するローンによってつくられているのです。なんのことはない、この信用貸しのお金は、新しいローンが組まれるにつれて、また古いローンが償却されるにつれて、毎日莫大な量がつくられたり無くなったりしています。

私が残念なのは、一般市民は、銀行がお金を創ることができるのを知らされていないことである。そして国家のクレジットを管理する彼らが政府の政策を指揮し、人々の運命を奴隷のように握っていることを。 ――レジナルド・マッケンナ 元英国ミッドランド銀行会長

銀行は政府の積極的な協力があってはじめて、マネーシステムを行使できます。最初に、政府は私たち国民に、認可された国家通貨を使うよう法律を通します。次に政府は、民間銀行の信用貸しがこの政府の認めた国家通貨で支払われるよう許可します。3番目に、政府議会、裁判所が債務を強制します。そして最後に、政府は市民と金融システム機能と信憑性を保護するための法規を可決します。その一方で、市民に「お金が本当はどこから来るか」については何も知らせません。明快な真実は、ローンあるいは抵当の書類にサインした時、その支払いは“罰則として資産を提供する”ことで裏づけされます。万が一支払えない場合、実際に価値ある資産が没収されます。その約束を守るというローン契約、あるいは抵当が持ち運びでき、交換でき、売却できる紙幣となっているのです。それは借用証書です。それはお金という形をした、価値を表すものです。このお金は、借り手による銀行の“ローン”と呼ばれるものが形を変えたものです。今この世界において、貸し手がローンを貸すためには、何か担保を持っていなければなりません。もしもあなたがハンマーを必要とするとき、私がハンマーをあげる約束をするだけでは、何の助けにもならないでしょう。しかしお金というヴァーチャルな世界においては、お金を貸す約束をする銀行は許され、容認されているのです。

私たちの国家通貨は、銀行の思いのままに操られている。銀行はお金を貸すのではなく、自分たちが持っていないお金の供給を、ただ約束するだけに過ぎない。 ――アーヴィング・フィッシャー 経済学者 作家

借り手が借金の誓約をしたら、銀行は借り手の負債をコンピュータにちょっと入力することでデータ処理して帳尻を合わせます。借り手の立場から見れば、これはローンのお金となります。なぜなら政府がそうすることを容認していて、誰もがそれをお金として受け入れなければならないからです。繰り返しますが、基本的な事実は非常に単純なのです。借り手のサインした書類がなければ、銀行は何も貸し付けることはできないのです。

あなたはどうしてこんな天文学的な負債を誰もが抱えているのかと、今まで不思議に思ったことはありませんか?あなたは疑問に思ったことはありませんか?どうしてそんなにたくさんの貸し出しできるお金が銀行にあるのだろうかと?今、あなたは気が付きました。そこにはないのです。銀行はお金を貸してはいないのです。彼らはお金を借金から創っているのです。そしてその借金は、潜在的に無限であり、それがお金の供給源なのです。そしてひっくり返せば、そのまた反対の状況も真実です。私たちは、周りにある信じられないほどの豊かな資源、技術革新、生産力にもかかわらず、政府、会社、個人、ほとんどが銀行に対し大量の借金を負わされているのです。

これは一体どういったことなんでしょうか!?人々が立ち止まって考えさえすればわかるでしょう。それは一体どういうふうにしてできるんだろう?どうやったらできるんだろう?と。現実に世界で実際の富を築いている人々が借金に陥っている。ただ単に富を表すお金を貸し出す人たちに!!さらに驚くことに、私たちがお金とは負債だと一旦気づいたら、もし借金がないのなら、お金は存在しないことがわかります。

私たちの貨幣システムというのは、そのシステムの中に借金がないとしたら、そこにはお金が存在しないのです。 ――マリナー・S・エクルズ 連邦準備理事会 会長

もしこれがあなたにとってニュースなら、あなたは一人ではありません。ほとんどの人が想像できます。もしすべての借金が返済されたのなら、経済は改善します。それは確かに個人的なレベルで真実です。私たちのローンの支払いが終わって、もっと使えるお金を誰もが持てたら、一般に使えるお金も多くなるはずです。しかし現実は全く反対に、使えるお金が全然なくなるのです。私たち皆が使っているお金のかなりの部分は、銀行の再信用貸し付けに依存しています。ローンがなければ、お金がないのです。かつて起こった世界大恐慌のときには、ローンの供給が干上がるにつれて、劇的にお金の供給がなくなったのです。

これはよろめくような現実です。私たちは商業銀行に依存しています。現金であれクレジットであれ、我々の使っているドルは、誰かしらが借りなければ生まれないのです。もし銀行が十分なお金を創造したなら、私たちは繁栄するでしょう。そうでなければ、私たちは飢えます。私たちは恒久的な借金によるマネーシステムなしでは絶対生きられないのです。誰かがこの状態を完全に理解したとしても、このバカげた、悲劇的で絶望的な私たちの立場を、ほとんど信じられないでしょう。でもここにあるのです。 ――ロバート・H・ヘンフィル アトランタ連邦準備銀行クレジットマネージャー

そしてそればかりではありません。銀行はただ元金だけを創造します。支払うための利息は創らないのです。それなら利息はどこからくるのでしょう?借り手が利息を支払うためにお金を得られる唯一の場所は、市場経済の中だけです。しかしそのすべての貨幣供給は、銀行の信用創造によって創られたものです。ですから私たちは、創られた以上のお金を返済しなければならないのです。借り手は全体の資金量が元金しかないところから、死に物狂いで元金と利息を返済しようとします。明らかに誰もが元金と利息を返済するのは不可能です。なぜなら利息というお金は存在せず、単なるヴァーチャルな数字にしか過ぎないからです。ここで大問題なのは、長期ローンや政府の借金で、利息の総額が元金を上回ってしまうことです。これは、利息を支払うための十分なお金が創られない限り、非常に高い確率で返済できない分の抵当を失うことを意味します。社会的な破綻を招かないためには、抵当権が実行される割合を低くすることが必要です。そしてこれを成し遂げるためには、さらなる新しい借金が、以前の借金の利子を払うために創られなければなりません。しかしこれはもちろん全体の借金を大きくすることになります。そして結局、もっと多くの金利を支払わなければならなくなり、結果的に山のような借金の渦の中から逃げられないことになります。新しくローンとして創造されたお金が全体的な不足分に追いついている間だけ、システムの破たんをまぬかれているにすぎません。しかしながら、銀行の飽くことを知らないクレジットの化け物は、次第に大きくなっています。さらに、さらなる借金を作る必要性が緊迫しています。

なぜそんなに利息が低いのですか?なぜ頼んでもいないクレジットカードを郵便で受け取らなければならないのですか?なぜアメリカ政府は以前より支出を早めているのですか?それは全体の貨幣システムの崩壊をかろうじて食い止められますか?道理をわきまえた人は尋ねなければいけません。それは実際、永遠に続くのですか?崩壊は避けられないのですか?

私たちの準備預金制度について、ひとつ十分に理解しなければならないことは、子供の椅子取りゲームのように、音楽が流れている限りは、そこには敗者は生まれないことです。 ――アンドリュー・ゴーズ 歴史家

お金は、商業生産を加速します。貨幣供給が増加するにつれて、生産と取引量が同じように成長しない限り、お金の価値が下がってインフレになります。また年3%の経済成長をしている時、私たちは経済が一定のレートで成長していると思っていますが、それは違います。それは今年の3%は昨年の3%より商品とサービスが増加していることを意味します。毎年新しく3%が積み重なるのです。グラフは直線的ではなく、じょおjに急勾配を上昇する急激なカーブを描きます。これを実現するには実物経済の永久的な成長が必要で、それには世界の資源とエネルギーを永久に拡大して消費する必要があります。さらに、自然資源から取られた原料が毎年毎年、永遠にゴミになっていきます。貨幣システムを崩壊から防ぐためにです。

とんでもない成長がこの世界で永遠に続くと信じているものはキチガイか、経済学者くらいでしょう。 ――ケネス・ボーディング 経済学者

私たちは、このまぎれもなく恐ろしい状況に対して、何かできるでしょうか?ひとつに、私たちはお金に対してまったく異なった概念を持つことが必要です。資源と技術の不足はあります。しかし、何故お金の不足がなければならないのですか!?多くの人々が、自分自身と政府に問いかける時が来ています。4つ質問があります。世界中の政府が、民間の銀行から利息付のお金を借りています。政府の借金は全体の借金の主要部分を占めており、私たちから税金を取って借金の返済に充てています。いま私たちは、銀行が借金からお金をつくり、政府がそれを許可して権限を与えていることを知りました。

そこで最初の質問です。なぜ政府は必要なら自分たちで利子のないお金を創ることができるのに、民間の銀行から利息付きのお金を借りることを選択したのでしょうか?第2の大きな質問です。いったい何故、負債としてだけお金を生み出すのでしょう?なぜ永久に流通する、金利付きで借りなくても良いお金をつくらないのでしょうか?3番目に、どうしたら、永遠に成長し続けなければならないマネーシステムで、持続可能な社会を築くことができるでしょうか?永遠の経済成長と、環境を持続可能にすることとは、両立しがたい論理ではないのですか?そして最後に、永遠に経済成長しなければならない現在のシステムとは何なのですか?

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