ショパンはその39年という短い生涯で、200曲以上の作品を残したと言われています。
ここでは、ショパンの代表的な作品を下記のように作品カテゴリーごとに紹介します。
ピアノ協奏曲第1番・第2番
ショパンが19歳〜20歳という若い時期に書かれたピアノとオーケストラの華やかな協奏曲。第1番・第2番ともに若きショパンの夢見るようなロマンティックな旋律と
華やかなパッセージが随所に散りばめられた傑作です。
ピアノソナタ第2番・第3番
ピアノソナタ第2番・第3番はいずれも4楽章構成の規模の大きな充実した構成の作品で、いずれもショパンの傑作に数えられています。
第2番・第3番ともに技術的には最高レベルの難易度となっています(特に第3番)。
バラード第1番〜第4番
ショパンのバラードはポーランドの詩人ミツキェヴィッチの詩からインスピレーションを受けたと言われ、4曲ありますが、
いずれも起伏に富んだ規模の大きく充実した傑作ばかりです。中でも特に第1番・第4番の人気が高いです。
スケルツォ第1番〜第4番
ショパンのスケルツォは速いパッセージを特徴とする難曲群で、バラードと同等の難易度・規模を誇る傑作です。
特にスケルツォ第2番の人気が高いですが、内容的にはいずれもそれに匹敵あるいは凌駕する名曲です。
プレリュード(前奏曲)第1番〜第26番
24の前奏曲 Op.28は、平均律の24の全ての調性を用いて書かれた作品で1曲1曲は極めて短いながらも、魅力的な楽想に満ちています。
有名な「雨だれの前奏曲」や某胃腸薬のテレビCMで昔から使われている曲もこの中にあります。その他に嬰ハ短調Op.45と遺作の変イ長調のプレリュードも扱っています。
エチュード(練習曲)Op.10&Op.25&3つの新練習曲
ショパンのエチュードはOp.10とOp.25の各12曲と3つの新練習曲の27曲あります。Op.10とOp.25の練習曲は軒並み難易度が高く、
ピアノの技術と音楽性が非常に高いレベルで求められる最高の芸術作品となっています。有名な曲としては「別れの曲」、「革命」、「木枯らし」、「黒鍵」
などがあります。
ワルツ第1番〜第14番
ショパンのワルツは舞踏用の円舞曲に近い華やかなものから、自己の内面を綴った独創的な抒情詩に至るまで実に様々な特徴・魅力を持った作品があります。
「華麗なる大円舞曲」、「小犬のワルツ」、「別れのワルツ」が一般的にはよく知られています。比較的演奏が容易なものが多く、
ピアノ学習の過程で取り上げられる作品も多くあります。
ポロネーズ第1番〜第7番
ポロネーズはショパンの祖国ポーランドの舞曲で、遅いテンポの3拍子系の堂々とした特徴的なリズムを持つ音楽です。
ショパンはポーランドへの望郷の念と強い愛国心がありましたが、それが最も顕著に現れているのがポロネーズです。
有名なところでは「英雄ポロネーズ」、「軍隊ポロネーズ」、「幻想ポロネーズ」などがあります。
ノクターン(夜想曲)第1番〜第21番
ショパンのノクターンはイギリスの作曲家・ジョン・フィールドの影響を受けており、左手の定型の伴奏に乗って、
右手で甘美でロマンティックな旋律を奏でるスタイルが特徴的ですが、劇的な中間部を持つ充実した名曲も多いです。
有名なところでは、ノクターン第2番(Op.9-2)、ノクターン第20番嬰ハ短調遺作などがあります。
即興曲第1番〜第4番
ショパンの即興曲は4曲ありますが、いずれも即興演奏を楽譜に書きとめたものではなく、即興的な趣を持つ3部形式の短い小品というのが特徴です。
中でも「幻想即興曲」が非常に有名ですが、それ以外の作品も魅力的な曲想に満ち溢れた佳作が多いです。
マズルカ第1番〜第49番(作成中)
マズルカはショパンの祖国ポーランドの農民の間で伝わる舞曲で、ワルツと同様3拍子系ですが、第2拍・第3拍にアクセントが置かれることが多いのが特徴で、
2拍子の要素を持った楽想が多いのも特徴です。規模の小さい小品が多く、ショパンの気構えない本当の姿があり、いわばショパンにとって
日記のようなものであったとも言えます。
舟歌・幻想曲・子守歌(作成中)
ショパンの上記のカテゴリーのどれにも属さない作品の中から、名曲として名高い舟歌と幻想曲、そしてその他の作品として子守歌などを取り上げています。
当サイトのショパン・主要作品解説について
ショパンの作品を解説しているサイト、書籍は数多く存在していますが、
実際にピアノを弾く立場から書かれたものは非常に少なく、ピアノを弾かれる皆さんにとって、
物足りないと感じるものが少なくないのではないかと思います。
「この曲は技術的には非常に難しい」と書かれていても、どこがどう難しいのかが書かれていない解説は、
ピアノを弾く人に対して何の情報も提供していないに等しいとさえ言えます。
その点、僕自身は一応それなりにショパンのあらゆる作品を弾いてきた経験がありますので、
その曲を弾いたことがある人でなければ絶対に知ることのできない微妙な感覚についても理解しています。
これは弾いたことがある人にはある程度共通する感覚・認識とはいえ、
弾いたことのない人には分かるべくもないことです。
そのようなものについて個々の作品解説の至る所で触れているので、
実際にピアノを弾く立場の皆さんにとって、有益な情報が提供できているのではないかと自負していますし、
またピアノを全く弾いたことがなく聴くだけの方にとっても、
当サイトの各曲の解説を読んでいただければ、
「ショパンのこの曲を弾く人は、ここを弾く時にはこんなことを考えながら弾いているんだ」
という重要な視点を加えることができ、各曲をより深く鑑賞することができるのではないかと思います。
また、ほとんどの作品には僕自身がその作品を弾いたときに感じた難易度(=体感難易度)を付けています。
その他、各曲が一般的にどの程度知られているのか(=一般的認知度/有名度)、
その曲はどの程度の音楽的価値を持っていると僕自身が考えているか(=名曲度)も記載しました。
これから曲に取り組もうとしている方は、この難易度、認知度、名曲度も是非参考にしてみて下さい。
本作品解説が、多少なりとも皆さんのお役に立てれば幸いです。