ショパン人気作品アンケート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ショパン・バラード・人気CD究極に磨き抜かれた音色、完璧な技巧でまばゆいばかりの光を放つバラードの名演奏。完璧!舟歌、幻想曲も収録。 オーソドックスでスケールの大きい健康的なバラード。スケルツォ全4曲とのカップリング。 持ち前の超絶技巧を生かした表現の工夫がユニークな演奏。スケルツォ全4曲とのカップリング。 詩情の繊細な表現が際立ち、細部まで神経の行き届いた演奏。スケルツォ全4曲とのカップリング。
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〜第2回・バラード&スケルツォ人気投票〜
2004年8月5日にアンケートフォームを設置して以来、約1ヶ月に渡って、80人 以上の方々に協力していただいた、本コーナー「バラード&スケルツォ人気投票」 の集計結果を発表したいと思います。本来ならもう少し票がたまるのを待つ必要も あったのでしょうが、協力者の数が、1票/1日ペースに落ち着いてしまったことと、 多重投稿が目立つようになってしまったことのため、9月初めに閉鎖致しました。 それでは、皆様が待ちに待った(?)集計結果の発表です!
1.投票コーナー設置の趣旨
ショパンは4曲のバラードを作曲しています。ポーランドの詩人ミツキェヴィッチの詩にインスピレーションを受けて
作曲されたこれらの曲は、ショパンの作品の中でも規模が大きく、ショパンらしい抒情性はもちろん、劇的なドラマを
内包したスケールの大きく完成度の
高い名曲に仕上がっています。作品の完成度、規模も4曲拮抗しているため、各人の好みによって「好きな曲」として
挙げる曲が大きく分かれることが予想され、集計結果には大きな興味を抱いている方々が多いものと思われます。
ショパンを専門に研究している方々の間では、ショパンの4曲のバラードの創作のきっかけとなった物語を特定する
研究が進んでいるようですが、純音楽的、ピアノの音のみによる抽象的な表現を貫き通したショパンの作品を解釈する
上ではあまり本質的な問題ではないかもしれません。陰鬱な第一主題と美しく耽美的な第2主題を軸として、後半に向けて
劇的に高揚して壮絶なドラマを作り上げていく第1番、ヘ長調の単純な第1主題と劇的なイ短調のプレストの著しい対比、
ドラマティックなコーダがユニークな第2番、比較的穏やかで典雅で洗練された趣を持ちながらも激性を内包した完成度の高い第3番、
ヘ短調の陰鬱な主題が登場するたびに形を変え、ショパン独特の深い内面性を湛えた抒情詩が無限の奥行きを持って聞く人に迫って
くる、極めてスケールの大きい第4番、それぞれに異なった魅力を秘めており、実際のところ、これらの中から、お気に入りの
順位をつけるのは、相当難しいのではないか、と僕は感じました。アンケートに協力していただけなかった方々の中には、
1曲に絞ることの困難さ(あるいは無意味さ(笑))のために投票しなかったという方もいるのではないか、と推察しています。
僕も4曲とも好きで長年弾きこんできているため、各曲にはそれぞれ思い入れがあり、投票する立場の難しさも十分に
感じています。それでも頭を抱えながら2曲に絞っていただいた方々には、感謝致します! 2.集計結果 (有効回答数 72票)
3.管理人コメント まず表を一目見て分かるのは、第1番、第4番の圧倒的な人気の高さです。僕自身、BEST1としてバラード4番を、BEST2としてバラード1番を 一票入れたこともあり、このような結果はある程度予想していたのですが、第2番、第3番支持派の方々にとっては、やや納得できない 結果だったかもしれません(特に第3番は一部の方々から根強い人気があることを確認しています)。 このサイトの「ショパンの主要作品解説」のバラードのページでも触れていますが、バラード4曲中、技術的・音楽的両面から見て、 最も演奏が難しいのが第4番であることは多くのピアノ愛好者の一致する見解であり、その点でやや敬遠される傾向があるのかも しれませんが、ショパンの創作の一つの頂点として崇められている名曲中の名曲です。 それに対し、第1番は、内容の深み、内面性といった魅力では、第4番には若干及ばないものの、演奏効果の高さや外面的な華やかさでは第4番を 凌いでおり、ピアノを演奏する立場の方々からの熱烈な支持を集めているものと想像できます。 それでは、第1番、第4番、どちらが人気が高いのでしょうか?こういった議論をすること自体、無意味なことかもしれませんが、 統計上の数字から考えてみると、お気に入り第1位として第1番を選んだ方が37人であったのに対し、バラード4番は21人と、第1番が 第4番を大きく引き離している一方で お気に入り第2位を見てみると、第1番を選んだ方が20人であったのに対し、第4番は26人と、こちらは第4番の方が人数が多くなっている のは興味深い結果です。猛烈な支持を集める第1番、穏やかながらも根強い支持を集める第4番、という構図が浮かび上がってくるようで、 皆さんのバラード4曲に対する思い入れの程度とその方向性が見えてくるような気がしますね。 もちろん、第3番も典雅で洗練された筆致で綴られた名曲で、内容的には第1番、第4番には決してひけを取らない作品と考えています。 支持者は少ないものの、この曲が断然トップだと言い切る方もいるようで、支持者の方々のこの作品に対する姿勢、思い入れは、第1番派、 第4番派を凌いでいると言えるかもしれません。第2番は、単純な主題と劇的なプレストの著しい対比と劇的なコーダが魅力ですが、 今回のアンケートでは支持者はあまりいなかったようです。僕自身はこの曲はバラード4曲中一番初めに弾いたこともあり、それなりの 思い入れがあるのですが、今回に限っては、比べられる相手が悪かった(?)ようです(笑)。 今回のバラードの人気投票の集計結果は、僕の中ではある程度予想と一致したという印象です。 みなさんはどのようにお感じになりましたか?感想を聞かせて頂けると嬉しいです。
1.投票コーナー設置の趣旨 ショパンは4曲のスケルツォを作曲しています。スケルツォは「冗談」を意味する言葉を語源に持ち、日本語では「諧謔曲」と訳されて いたようです。4楽章構成の交響曲の中で、第3楽章に置かれることの多かった「メヌエット」に代わって、古典派後期以降、 頻繁に用いられるようになった、極めて速いテンポの楽曲です。ショパンはこの「スケルツォ」を自己の音楽表現の手段として 用い、「スケルツォ」が本来内包する「冗談」の意味を根本から取り去り、極めて深刻で劇的な性格を持った規模の大きい作品として 昇華させました。スケルツォを単独で扱うのも当時としては珍しかったようです。 ところで、ショパンの4曲のスケルツォは、演奏技巧の難しさ、作品の規模の大きさ等の特徴が、バラード4曲と似通っており(おおよその 目安として演奏時間は7分〜11分)、ショパンのバラード・スケルツォ各8曲は、しばしば対等の扱いをされます。 従って、スケルツォの人気投票コーナー設置の趣旨も、バラードと同様のものと考えていただければ、と思います。 第1番は、不協和音を極めて美しく処理しながら細かいパッセージを織り交ぜて劇的な主部を形作る一方で、中間部には古いポーランドの クリスマスの歌「眠れイエスよ」が引用され、物憂くも情熱的な旋律が魅力的で、圧倒的に華やかなコーダで締めくくられるショパンの 最初期の傑作です。第2番は、ショパンのスケルツォ4曲中最も有名であり、ピアノ学習者が一番先に取りかかることが多いようです。 変ト長調-変ニ長調の美しく流れる第2主題は非常に分かりやすくこの作品の絶大な支持を集める大きな要因になっているようです。 さらに中間部後半やコーダの難技巧、華やかさもこの作品の大きな魅力となっています。第3番は、オクターブを叩きつけながら、 力強く進行する強烈な第1主題が鮮烈な印象をもたらす一方で、穏やかな第2主題ではコラール風の和音の後、高音からキラキラと 駆け下りてくる分散アルペジオがすがすがしく爽やかな印象を与え、その対比の妙がユニークです。また長大で劇的でヴィルトゥオーゾ風の 華麗なコーダもこの作品の大きな魅力です。第4番は、ショパンの劇的なスケルツォの中にあって、明るく穏やかな、本来の意味での 「スケルツォ」に近い作品です。主部は、軽快、軽妙なパッセージが耳に心地よく響く粋で洗練された趣を持っており、それに対して 中間部は陰鬱でとりとめのない旋律がやるせない情熱とともに響き渡ります。この曲も極めて技巧的なコーダで締めくくられます。 ショパンの4曲のスケルツォを概観してみるとそれぞれに名曲と呼べる要素を併せ持っており、こちらの場合も、バラードと同様の 理由で、お気に入り順位をつけることが難しいと感じました。それでもあえて投票してくださった皆様には感謝致します! (僕自身は、本命:第2番、対抗馬:第4番、と予想しました) 2.集計結果 (有効回答数 76票)
3.管理人コメント ある程度予想はしていましたが、上の集計結果の表を一目見ると、やはりというべきか、第2番の圧倒的な人気を裏付ける結果となりました。 他の曲がいずれも長大な名曲であることを考えると、お気に入り第1位として第2番を選んだ方が全76人中半数近い37人もいることは、 驚くべき結果と言わなければならないでしょう。しかし、この表を見てみると面白い事実が見えてきます。お気に入り第2位として 支持された曲を見てください。第1番が26人と一番多く、第1位で圧倒的支持を集めた第2番は、13人で最下位となっています。 確かに、第2番は第1位に入れてしまう方が多いため、その分、第2位では伸び悩む傾向があるのは分からなくはないですが、それにしても これは興味深い結果と言えます。 …というわけで、集計結果から見る限り、スケルツォ4曲に関しては、圧倒的な支持を集める第2番 VS 他の3曲(第1番、第3番、第4番)という構図に なっているようです。第2番の人気は頭一つ抜け出しているので、数字上の議論は無意味のような気がしますが、他の3曲、第1番、 第3番、第4番は、人気度が拮抗しているようです。お気に入り第1位、第2位を合わせた票数は、第1番→10+26=36票、第3番→18+18=36票、 第4番→11+19=30票となっており、内訳こそ違いますが、拮抗形です。協力していただいた方々の人数を考えると、誤差範囲内と 考えなければならないでしょう(票数がもう少し多ければ、より信頼できるデータになりそうですが)。 ここで最も基本的な疑問について考えてみます。内容の豊かなスケルツォ4曲の中で、何故第2番の人気が飛びぬけて高いのか? それは、この曲は、スケルツォ4曲中、耳に触れる機会が一番多く、ピアノレッスンで最もよく取り上げられるからです。 このサイトの掲示板(「ショピニストへの道・掲示板」)でも、 何故か、スケルツォ2番の話題ばかりで盛り上がり、他の曲の話題があまり出てこないのは、ショパン愛好者の1人としてやや残念の ような気もしますが、 このような事実を見ても、第2番はそれだけ触れる機会の多い曲だということが分かりますよね。 絶対的な認知度の高さが、圧倒的人気の大きな要因だと思います。その点、この結果は公平ではないような気もしますが、 名曲度と一般的認知度は、必ずしも比例しないので、致し方ないことだと思います。 もちろん、この投票に参加してくださる皆様のことですから、他の曲も十分知り尽くしていることと思いますが、 やはり、認知度の高い曲の方が耳に触れやすい分だけ、知らず知らずのうちに「無意識的な思い入れ」が形作られる傾向があることは 否定できないと思います(僕も例外ではありません(笑))。 皆さんも、スケルツォ2番だけでなく、是非、他の曲もどんどん聴いてください!(笑)みんな、よい曲ばかりですよ!
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