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雨が窓に当たっている。やさしく不規則なリズム。雨が降る。
今日レーラァにおじさんとおばさんの事を話した。
本当はずっと言わないでいよう と思ってた。
強くなる為には“弱い心”を持つ事はいけないことだって、レーラァはいつも言って いる。 だから、僕は言わないつもりだった。 おじさんとおばさんのことを思うと胸が痛くなる。これが“弱い心”なんだと思う。
でも僕にとっておじさんとおばさんは大切な人だから、僕を大切にしてくれた人だから。
僕の中の“弱い心”を言えなかった。レーラァには言わないでいようと思っていた。
でも、今日おじさんとおばさんの事を話した。けどレーラァは怒らなかった。 ただ、僕を抱きしめてくれた。
おじさんやおばさんが生きていた時みたいに抱きしめてくれた。
抱きしめられていると、胸が痛くなった。 僕にとってレーラァも大切な人なんだと思う。だからこんなに胸が痛いんだ。 僕はまだまだ弱い。
大切な人がいると心が弱くなるのに、僕にとってレーラァが大切な人になっていく。
暖炉の前で寝てたみたいだ。食事の後はいつもそうだ。疲れて食べながら寝ちゃう事もある。 今日は特にだめだ。雨の音が気持ちよくてすっかり寝ちゃったみたいだ。 あ。 目をつぶっているけど、レーラァがそばにいるのはわかる。 うっかり僕が寝ちゃっていると、しょうがないって言いながらタオルを掛けてくれる。 起きてる時はすごく怖いけど僕が寝ているときのレーラァはすごく優しい。 起きてるのがバレると、すぐいつもの怖いレーラァになるから、がんばって寝たフリをする。 雨が僕のほっぺに、髪に、まぶたに、おでこに、ほっぺに降り注ぐ。 僕にとってレーラァが大切な人になっていく。どうしようもないくらい胸が痛くなる。 “好き”より、もっと“好き”を“大好き”っていうのは分かっている。 でも“大好き”よりもっと好きだというにはどうしたらいいんだろう。 僕にもっと多くの言葉があればきっとレーラァにちゃんと伝えることが出来るのに。 僕はがんばって寝たフリをする。起きてるのに気付かれないように。 寝ているときのレーラァはすごく優しくて、胸が痛くなる。“弱い心”が大きくなる。
外の雨はまだ止まない。
降る、降る、降る。 僕のほっぺに、髪に、まぶたに、おでこに、ほっぺに降り注ぐ。
寝ている僕に降るキスの雨。
僕にとって、レーラァが大切な人になっていく。
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