不等式の証明

                                  
LEVEL-T 

     
 不等式の証明に入る前に、まず、2X+3≧5 を解いてください。X≧1
      となります。実に簡単です。
      しかし、ここで 「X≧1のとき、2X+3≧5 となることを示せ」 と
      尋ねられたら、どう対処しますか? 出題者は、計算は要求していません。
      つまり、計算して解答しても得点にはならないということです。
      不等式の証明で大切なことは,過程と結論を同時に利用しないことです。
      「
このような事実があるからこうなる」ことを明確に示すことが必要です。
      この例題では、不等式の性質を利用してもよいが、一次関数に関連付けて証
      明するのがよい。(X≧1はXの最小値が1であることにもなる。


問題T X>Yのとき、X >Y となることを証明せよ。X、Yは実数である。
    解答例
      X 3 −Y 3 =(X−Y)(X 2 +XY+Y 2 )
      ここで、X>YなのでX−Y>0‥‥@
      また、 X 2

+XY+Y 2

X+
2


2

≧0 (∵実数の平方)
               X=Y=0 のときに限られる。
               しかし、X=Y=0は、
条件 X>Y を満たさないので
          X 2 +XY+Y 2 >0‥‥A となる。
          @、Aより X>Y のとき X 3 >Y 3  は成り立つ。

   
本問題のここがPOINT
     ・不等式X 2 +XY+Y 2 ≧0 から等号不成立をどのように示すか?
      等号成立条件から矛盾を引き出している考え方が大切です。
      不等式の証明では必ず、
等号成立条件を考えるようにして下さい。
      (このようなことを考えていくことが、物事を論理的に考える能力を育てます)


    別解‥‥数学Uの範囲
      (X)=X 3 を考える。'(X)=3X 2 ≧0 であるから(X)=X 3  は単調
         増加であるから、X>Y のとき X 3 >Y 3  は成り立つ