微分の例題 

例題
三次関数 Y=X3−3X2+2X について次の問いに答えよ。
(1)点(2,0)における接線の方程式を求めよ。
(2)点(2,0)を通る接線の方程式を求めよ。
(3)X軸上の点(a,0)を通る接線の本数を答えよ。
(4)点(a,b)を通る接線が3本引ける、(a,b)の領域を図示せよ。
解答例
(1)ここでは、(2,0)が接点です。
    Y’=3X2−6X+2  これに X=2 を代入して  Y’=2  (Y’X=2=2 と書き表します。)
     よって接線の方程式は、Y=2(X−2) となる。
(2)ここでは(2,0)が接点かもしれないし、接点はほかにあるかもしれない。
   接点を、(3−32+2) とおくと接線は、
       Y=(32−6+2)(X−)+3−32+2
     となり、この直線上に点(2,0)があるので、 −23+92−12+4=0
     よって  −(−2)2(2−1)=0  より  =2,
     よって接線は、 Y=2X−4,Y=−
X+2   となる。

(3) (2)と同様に、接点を、(3−32+2) とおくと接線は、Y=(32−6+2)X−23+32
    となり、これが点(a,0)を通るので、(32−6+2)a−23+32=0  
    これを整理して、  23−3(a+1)2+6a−2a=0 ・・・[ア] となる。
    ここで、)=23−3(a+1)2+6a−2a とおいて、
         ’()=62−6(a+1)+6a=6(−a)(−1)  となるので
    [T]a≠1 のとき t=a,1のそれぞれ一方で極大値と極小値となる。
       (@) (a)・(1)=(−a3+3a2−2a)・(a−1)=−a(a−1)2(a−2)<0
           −(a−1)2<0 であることに注意して解くと a<0,2<a
           この場合、極大値は正、極小値は負であるので方程式[ア]の解は3個となる。
       (A) (a)・(1)=−a2(a−1)(a−2)>0 → 0<a<1,1<a<2
           この場合、極大値と極小値は共に正か負であるので方程式[ア]の解は1個となる。
       (B) (a)・(1)=−a2(a−1)(a−2)=0 → a=0,2
           この場合、極大値と極小値の一方が0であるので方程式[ア]の解は2個となる。
    [U]a=1 のとき  ’()=6(−1)2>0 であるから、)は単調増加
           この場合、方程式[ア]の解は1個となる。
   以上から、       a<0,2<a のときは、3本の接線
                 a=0,1,2 のときは、2本の接線
            0<a<1,1<a<2 のときは、1本の接線

(4) (3)と同様に、接線 Y=(32−6+2)X−23+32 が点(a,b)を通るので、
           b=(32−6+2)a−23+32 となる。
      よって、  23−3(a+1)2+6a−2a+b=0・・・[イ] の実数解の個数を考えればよい。
      この左辺=) とおいて、’()=62−6(a+1)+6a=6(−a)(−1) より
    [T]a≠1 のとき t=a,1のそれぞれ一方で極大値と極小値となる。
       (@) (a)・(1)=(−a3+3a2−2a+b)・(a+b−1)<0
           この場合、極大値は正、極小値は負であるので方程式[イ]の解は3個となる。
       (A) (a)・(1)=(−a3+3a2−2a+b)・(a+b−1)>0 
           この場合、極大値と極小値は共に正か負であるので方程式[イ]の解は1個となる。
       (B) (a)・(1)=(−a3+3a2−2a+b)・(a+b−1)=0 
           この場合、極大値と極小値の一方が0であるので方程式[イ]の解は2個となる。
    [U]a=1 のとき  ’()=6(−1)2>0 であるから、)は単調増加
           この場合、方程式[イ]の解は1個となる。

不等式(−a3+3a2−2a+b)・(a+b−1)<0 が求める領域になる。
          これを b の二次不等式と考えると、
 a3−3a2+2a<−a+1 の場合 a3−3a2+2a<b<−a+1
 a3−3a2+2a>−a+1 の場合 −a+1<b<a3−3a2+2a  
となる。よって求める領域は右図になる。(境界は含まない)
  ここで、b=−a+1は三次関数の接線になっています。

  (2つの関数ではさまれた領域 になると考えてください。
   結果的 にこのような領域 は曲線、直線だけを考えて、
   適当な点を代入して判断 します。)


   また、ここでは[イ]のような方程式にしたが、Y=b,Y=(32−6+2)a−23+32 
   の連立方程式と考えて、Y=bを平行移動してもよい。ただし、この解法は、極大極小
   をはっきり求める必要があるので、a<1,a>1 の場合分けが必要です。
   
   積で表された領域は、コツさえつかめば簡単で、しかも場合分けが必要ないので解答が
   すっきりします。(この解法を薦めます。)