積分の例題

例題
次の等式を証明しなさい。
(1)   β
α
(X−α)(X−βdX =− (β−α)3
  6
(2)   β
α
(X−α)(X−β2dX (β−α)4
  12
積分の計算では、簡単になるような工夫が必要です。
(1)   β
α
(X−α)(X−βdX β
α
(X−α)(X−ααβdX
                    = β
α
{(X−α2+(αβ)(X−α)}dX    (展開方法に注意)
                    =
(X−α3
βα)(X−α2 β
α
                    =
βα3
βα3 =−
βα3
(2)   β
α
(X−α)(X−β2dX β
α
(X−ββα)(X−β2dX
                    = β
α
{(X−β3+(βα)(X−β2dX    (展開方法に注意)
                    =
(X−β4
αβ)(X−β3 β
α
                    =−
αβ4
αβ4 βα4
 12
 αβ4=(βα4に注意

      * 座標軸の平行移動を用いても出来ます

例題 II
次の積分を計算しなさい。  
(1) β
α
(X−α)(X−β3dX      (2) β
α
(X−α2(X−β2dX
解答例(数学Vの置換積分ですが、ここでは平行移動を用います。)
(1) Y=(X−α)(X−β3 はX方向に−β 平行移動すると Y=(X−αβ)X3となる。
     よって  β
α
(X−α)(X−β3dX 0
α-β
(X−αβ)X3dX
           =
5
αβ)X4 0
α-β
=−
αβ)X5
αβ)X5 αβ5
  20
     *積分範囲に注意してください。

(2) Y=(X−α2(X−β2 はX方向に−α 平行移動すると Y=X2(X−βα2となる。
     よって  β
α
(X−α2(X−β2dX β-α
0
2(X−βα2dX
           = β-α
0
( 4 βα)X3 βα22 ) dX
           =
5
βα)X4
βα23 β-α
0
αβ5
  30
  *例題T(1),(2)と例題U(1),(2)の係数 
 1 .
2・3
 
12
 1 .
3・4
 
20
 1 .
4・5
 
30
  2  .
3・4・5
    となっています。


例題 III
次の積分を計算しなさい。
(1) 2
0
|X−1|dX      (2) 2
0
|X−a|dX
(1) (X)=|X−1| のグラフを考えて積分します。(グラフは省略しますので各自考えて下さい。)
        X<1 では (X)=−X+1  , X≧1 では (X)=X−1
     よって、 2
0
|X−1|dX 1
0
(−X+1)dX 2
1
(X−1)dX =1
     ここで、グラフの対称性を考えて、 2 1
0
(−X+1)dX  または、 2
1
(X−1)dX   でもよい。
(2) (1)と同様に (X)=|X−a| のグラフを考えます。
    @)a<0 の場合  2
0
|X−a|dX 2
0
(X−a)dX =2−2a
    @)0<a<2 の場合  2
0
|X−a|dX
0
(−X+a)dX =+ 2
(X−a)dX 2−2a
                         =−
2+a2+4−2a−
2+a2=a2−2a+4
    B)a>2 の場合  2
0
|X−a|dX 2
0
(−X+a)dX =−2+2a