物理への応用

等加速度運動の公式    V=Vα   と  X=
α 2

 ・・・[*]についての解説です。

     加速度と速度はベクトル量(方向と大きさを持つ量)です。速さはスカラーで大きさだけです。

      ・ 自由落下の公式    V=   と  X=
2

   は関係式[*]において、
                       V=0,α  となるのは、下向きを正の方向と考えるからです。
      ・ 鉛直投げ下ろしの公式    V=V   と  X=
2

   は関係式[*]において、
                       V>0,α  となるのは、下向きを正の方向と考えるからです。
      ・ 鉛直投げ上げの公式    V=V   と  X=
2

   は関係式[*]において、
                       V>0,α=−  となるのは、上向きを正の方向と考えるからです。
                         ここで、 下向きを正の方向と考えたなら、   
                         V=−V   と  X=−V
2

  となります。

    斜方投射についても同様で、鉛直方向と水平方向に分解しているだけです。
                      ただ、水平方向は、等加速度運動でなく、等速度運動です。


等速円運動(この分野の説明は、数学IIIの内容を含みます。)
     この運動は速度に直交する方向に一定の力が働くときに起こります。

     点Pが単位円上を角速度ωで、点(1,0)から円運動をはじめた場合、時刻 において
     点Pは (cosω,sinω) と表せます。
     これを で微分して、点Pの速度ベクトルは、(−ωsinωωcosω)= p
     さらに、これを で微分して、点Pの加速度ベクトルは、(−ω2cosω,−ω2sinω)=αp
     ここで、速度ベクトルと加速度ベクトルの内積を計算すると、 pαp=0 となるので、
         pαp であることが解る。さらに加速度と力( )の向きは同じなので V p

単振動
     この運動は円運動の正射影ですが、変位に比例する力が変位と逆方向に働くときに起こります。

     X軸上を運動する点Pの座標が、=Asinω   
          と表せるとき、この点の速度ベクトル( p )と加速度ベクトル(αp )はそれぞれ
           p=−Aωcosωαp=−Aω2sinω   となり、,αp=−ω2X   となる。


                 運動方程式を用いた証明は大学で学びます。