例題1-1  Xの方程式   log p (X 2 −aX)=log p a ・・・(*) が実数解を持つ a の範囲を求めよ。
      ただし、aは正の数、pは1でない正の数である。
解答例
    真数>0 であるのから  X<0,a<X  である。
    この範囲にXの方程式 X 2 −aX=a  が少なくとも一つの実数解を持てばよい。
このまま方程式の理論だけで解答すれば、実数解が1個の場合と
2個の場合について考える必要があります。
グラフを利用すれば、場合分けの必要がありません。
a>0であるので 直線 Y=a は、放物線 Y=X 2 −aX
の X<0,a<X の部分と交わります。
  よって求める解は、方程式  X 2 −aX=a  の解である。
     X=



例題1-2  Xの不程式   log p (X 2 −aX)>log p a ・・・(*)  を解きなさい。
      ただし、aは正の数、pは1でない正の数である。

  例題1−1と同じでグラフを利用します。例題1−1の解の小さいほうをα、大きいほうをβとすると、

   0<p<1 のとき X 2 −aX<a  より、 α<X<0,a<X<β
     1<p のとき X 2 −aX>a  より、  X<α,β<X


例題2-1  a 5 が28桁の整数であるとき、a と a 11 の桁数を求めよ。
    まず例として、2桁の整数は 10以上99以下 なので 10以上100未満 と考えて、
               10≦2桁の整数<100  と表せます。
    他の桁についても同じように考えていくと、一般的に
             10 n-1 2桁の整数<10 n    となります。
     a 5 が28桁の整数であるので、  10 27 ≦a 5 <10 28   となります。5乗根を考えて、
         (10 27 1/5 ≦(a 5 1/5 <(10 28 1/5   より  10 5.4 ≦a<10 5.6
       この不等式から、a の桁数の判断ができるのですが、もう少し細かく考えてみましょう。
            10 5.4 =10 0.4 ・10 5   として、10 0.4 は 1桁の数なので 10 5.4 は 6桁の数
        同様に、 10 5.6 も 6桁の数になるので、 a は 6桁の数  になります。
              ここでこのように考えたのは、最高位の数が絞れるからです。後でこれについて解説します。
      同様に 10 5.4 ≦a<10 5.6   より  (10 5.4 11 ≦a 11 <(10 5.6 11
       よって   10 59.4 ≦a<10 61.6    なので、60桁、61桁、62桁 のいずれかである。
                             (この場合一つに限定できません)


例題2-2  例題2− の a の最高位の数を求めよ。(対数表を用いて下さい)
      log 10 2=0.301 ⇔ 10 0.301 =2 ,  log 10 3=0.4771 ⇔ 10 0.4771 =3
           よって   2<10 0.4 <3
      また、  10 0.301 =2   この利用辺平方して 10 0.602 =4 よって 3<10 0.6 <4
            10 5.4 =10 0.4 ・10 5   の最高位の数は 2
            10 5.6 =10 0.6 ・10 5   の最高位の数は 3   となるので、
            a の最高位の数は 2 または 3 となる。


例題2-3  例題2− の a について
3
は小数第何位の数か、また最高位の数を求めよ。
       10 5.4 ≦a<10 5.6   より  10 -16.8 <a -3 ≦10 -16.2
           10 -16.8 =10 0.2 ・10 -17   よって この数は小数第17位の数
           10 -16.2 =10 0.8 ・10 -17   よって この数も小数第17位の数なので、
        a -3 は小数第17位の数である。  次に
           10 0.301 =2   なので、  1<10 0.2 <2
      log 10 7=0.845 ,log 10 6=log 10 2+log 10 3=0.778  なので、6<10 0.8 <7
       よつて a -3 の最高位の数は、1から6までのいずれかである。


例題3  |logX|+|lgoY|≦1 となる領域を図示せよ。(底は10)
一言;この種の問題で一番大切なのは、絶対値を外すときの定義域です。定義域を全く無視して、
    結果の式だけを用いている人が意外に多いです。
a≧0 のとき |a|=a ,a<0 のとき |a|=−a としますが、a>0 のとき |a|=a ,a≦0 のとき |a|=−aと場合を分けてもかまいません。
しかし、a>0 のとき |a|=a ,a<0 のとき |a|=−a はa=0が定義されないので不可です。
間違いではないのですが、a≧0 のとき |a|=a ,a≦0 のとき |a|=−a はa=0 を2度定義しているので避けてください。


(ア)|logX|≧0 かつ |logY|≧0 つまり X≧1 かつ Y≧1     のとき  0<XY≦10
(イ)|logX|≧0 かつ |logY|<0 つまり X≧1 かつ 0<Y<1  のとき  Y≧
10
(ウ)|logX|<0 かつ |logY|≧0 つまり 0<X<1 かつ Y≧1  のとき  Y≦10X
(エ)|logX|<0 かつ |logY|<0 つまり 0<X<1 かつ 0<Y<1  のとき  XY≧
10




 



                     例題