「K2_2009登山隊日記」:H21.7.20〜31

 ■7月20日〜31日(全員BC集結〜C3建設後:アタック日「8月5日」決定)

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 【7月20日(月) 保坂隊長報告

 20日(月)「本日20日は全員休養日」
 
C1〜C2〜C3まで行ってきました(猪熊さんの気象情報を基にタクテックスを建てての行動です)
   >ABCより以降の登山形態を紹介します
   
【ABC〜C1】
    ・アイゼンをつけてそのまま出発です。
通称軍艦岩まで1ピッチ300mはノーザイル
    ・ここから我々が張った、フェックスの始まりです。
ひたすら直上し、ロックとスノーの中間を行くルートです
    ・
雪崩とか落石にいつでも逃げられるルート構成です。
    ・その後、リッチを絡みながら直上を続けると雪面が出てきて大きなピナクルの上がテラス状となっており
     600mの高度感ある所です
    ・
雪の斜面を勝手に階段状にしてテント設営です。わが隊は2テント設営です
     (韓国隊、スペイン隊、ロシア(カザフスタン)中国隊、我々隊)
   
【C1〜C2】
    ・C1から直ぐ直上を続けると岩とアイスのミックスでリッチが絡みあい東面側を進みます
    ・この
ルートの最後はイエローロックの上に出ることで、ここをハウスのチムニーと呼んでいます
    ・古いスチールラダ―が残置されています。60mくらいをクリアーすると雪斜面が続きます
    ・2ピッチですがここがC2で、
テントの墓場状で過去の登山隊の残置テントは故意か、やむをえない事情か
     わかりませんが、
テントの上にテントを張る状況です
    ・ここは
K2のBCが見える位置にあり、BCから双眼鏡で確認できます
   【C2〜C3〜C2〜BC:7月18日〜19日】
    ・
C3については、上部に向かって左側より取り付き直上を重ね、尾根に上がるのに梯子が有ったり変化の富
     
んだルートで、休憩場所もないルートですが、尾根上で大を模様し、私、保坂が不覚にもザックをおいて用を
     
足した帰路、ザックもろとも、トランシーバーを落下させてしまいました
    ・損害は携帯の無線機1台で実害は最小限で済みました
    ・空身状態の
保坂隊長と西川隊員はそのまま高度を稼ぎ、約7080付近でC3地点と断定し下山を開始
    ・上部にはスペイン隊の1名と韓国隊のシェルパ2名が上がってきました
    ・C3よりの帰路C2に着いたと同時にC1から遠藤、小谷部が上がってきました(14:30)
    ・児玉隊員はさらに2時間後C2到着し、
C2は5名の隊員で2テントに分散宿泊となりました
    ・
児玉隊員:夜間、新高度での宿泊で安眠できず、意識障害も出たとの報告あり
    ・
小谷部隊員:ダイナモックスを服用し、意識を平常に保つ努力を計ったとの報告あり
    ・翌日の行動予定は、
保坂隊長、西川隊員の下山に引かれるように児玉隊員も下山を決定しました
     (保坂隊長、西川隊員はABCでハイポーターと合流し13:30にBC帰着)
    ・
遠藤隊員と小谷部隊員は、天気待ちで1時間ほど模様を見たが回復の兆し無しと見てBCへ下山
     (児玉隊員と合流してBCに4:10分到着いたしました)
   
【BC:7月20日】
    ・全員が久しぶりに
ベースキャンプに集結し、休養です
    ・ヘリコプターが
国際隊の不調者とブロードピークの凍傷者を乗せて離陸していきました
    ・朗報ですが
スペイン隊のDr28歳?氏がC3より11時間でアタックし、サミッターになったとの知らせがありました
    (遠藤隊員のBCでの主治医でしたので、大喜びです)



K2をバックに(BCにて)

(山形の三浦鉄太郎さん提供のTシャツです)


C1からC2への道のり



C2下イエローロックの登り】


C2から氷河を望む(テント内から撮影)】

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 【7月23日(木) 保坂隊長からの報告(井筒隊員が送信)

 20日(月)「スペイン隊登頂の祝賀会へ顔出し」
 
登頂祝賀会があり、保坂隊長、遠藤隊員が顔を出し、祝意を表しました(ドイツのガリンダ、ラルフ他8ヶ国の隊員が参会)

 21日(火)〜22日(水)「悪天候のため、レスト(休養)」
 
天候は二日間とも雪とガスのためBCでレスト

 723日(木)「C3建設に向け、活動再開」
 
明日(24日)の午後から回復する予報のため、C3建設に向け活動再開
   >本日朝、隊員5名(保坂隊長、遠藤隊員、児玉隊員、西川隊員、小谷部隊員)がBCを出発
   >
夕方無事にC1(6090m)に到着(HAPの2名もC1にステイ)
   >BCでも小野寺副隊長、小林隊員、大友隊員、・井筒隊員でキャンプサイトの整備や燃料の確認したり、
、   キッチンスタッフと食事を作ったりと忙しくしています

今後の活動予定を報告】
  
猪熊さんの気象情報に、自分たちの置かれているスタンスを加味して、次のステップを建てている所です
   >7月23日:BCよりC1へ移動
   >7月24日:C2へ移動
   >7月25日:C3建設予定
   >7月26日:BC帰着予定
   >
8月上旬の天候回復を待って、C3へ荷上げ(装備食料)終了後、C4を建設しながらアタック体制に入る予定
   >その他
    ・韓国隊のペンバシェルパはC3までのルート工作「OK」と明言
    ・スペイン隊3名が今後のロープ使用打診(C3上部でのルート工作の申し出あり、C2からのロープを供出同意の意向)
    ・今後の活動はHAPによる荷上げと天気次第です
     (悪天が続き降雪もあり、全体で国際的に協力し乗り切ろうとの意見交換があり、合意の方向)

  ※田中さんが無事に日本に帰国して、「秋田労災病院」に入院したと聞き、隊員一同安心しています!!

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 【7月27(月) BCから保坂隊長報告(井筒隊員が送信)

 5日(土)〜26日(日)「C3建設後、全員BC帰着」
 
7350m付近にC3を建設(保坂隊長、遠藤隊員、西川隊員、 児玉隊員、小谷部隊員の5名+ハイポーター2名)
   >C3付近はホワイトアウト状態、C2に1泊し、26日にBC帰着(西川隊員はC1に1泊し、BCに早めに帰着)
   >ハイポーター(アリムサ、ファズルアリ)は次の日、C3へ酸素を荷上げ、26日の夕刻BCに帰着
   >予報ではこれから好天が続く予報で、
ローテーション及び順化の関係で、上部と他隊動向を観察しながらの行動です
   >上部はスペイン、韓国、カザフスタン、中国隊の順です
   >BCに久しぶりに下から
山羊が上がって来ており、みんな腹の中に入りました(マンゴーもシワク チャながらおいしく頂きました)
   >ニッパトラベルの手配でコーラも全員分入手し、
C3建設後の今後の予定を模索中です
    ・
アタックメンバーは最小で?
    ・
体調良好者、ここまでの不調者と、隊を2分すべきか?
    ・
好天周期が次はいつなのか?
    ・
荷上げ状況、酸素、テント、燃料、フォロー体制、万全か?
    ・
隊長の私自身隊務遂行のためBCで居べきでないか?
    等々、アタックに向けて総合判断し、
次回好天周期に向けてアタックを致したいと思います
   >このルート全体は
最少通過、雪崩れ回避、ロープテンション(すでに結んであるひもやロープの張力を調整して固定する止め具)
    
を使用者が判断し、対応決 断
   >
ドイツのガリンダ隊はボトルネックより敗退(もう1度トライ予定との事です)
   >日本を離れ約2ヶ月、日本からの情報は何一つ目に触れず、世界情報も何も入りません(
ただひたすら「K2」あるのみ

  ※事務局から:あえて日本及び世界のNEWS等の情報を、BCには伝えていません!!

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 【7月29(水) BCから井筒隊員の報告(写真のみ)



K2メモリアル (慰霊碑)】


BCで上部と無線通信する小野寺副隊長


C3へラダー登る遠藤隊員と児玉隊員


雪原の中のC3 (中央のテントが我隊)】


ソイジョイを食べる遠藤隊員】


C3(7350m)設営】

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 【7月31(金) BCから保坂隊長報告

 31日(金)「アタック日を8月5日の決定しアタック体制へ」
 
アタック隊は遠藤隊員、西川隊員、 児玉隊員、小谷部隊員の4名とし、保坂隊長は、アタックを指揮する側に回ります
    >昨日30日、BCでは各国隊によるミーテングがもたれ、K2攻略法を各隊で確認しました(ボトルネックの通過の協調
    >各隊の気象情報を基に
他隊は8月4日をアタック日と定め、共同歩調でアタックしようとの申し合わせをしました
    >我隊の気象予報は、
最良日が8月5日ですので、1日ずれて8月1日より移動に入ります(最後のワンチャンス
    >体制的に荷上げ等の不足もありますが、何とか
ハイポーターに頑張ってもらい体制を整えたいと思っております
    >
小林隊員は当初より胸の痛みを訴えており、30日の朝までは皆と行動を供にすると表明していたのですが、午後には
     限界と のことで、
7月31日にヘリコプターを要請してスカルドへ搬送する手配中です
     (小林隊員にとっては大変残念ですが、昨晩は呼吸困難とのことで、酸素を吸わせての下山を決定した次第です)
    >今後の予定は1日に
遠藤隊員、西川隊員、児玉隊員、小谷部隊員の4名でアタック隊を組織いたします
    (これを2人のハイポーターがサポートし、保坂隊長は今回のアタックを指揮する側に回ります)

 
【今後(アタック)の予定】
  8月1日「土」:BC(5080m)→C1(6090m)
  8月2日「日」:C1(6090m)→C2(6800m)
  8月3日「月」:C2(6800m)→C3(7350m)
  8月4日「火」:C3(7350m)→C4(7800m付近に建設予定)
  8月4日「火」夜〜8月5日「水」:C4(7800m付近)→
5日AMに登頂(8611m)予定→帰路(C3またはC2泊)
   8月6日「木」:BC(5080m)帰着予定


 ※「安全と登頂成功」を念じながら見守るとともに、小林隊員の一日でも早い回復を祈ります!!

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 【7月31(金) BCから小谷部隊員の報告(写真のみ)



コーヒー豆を引いている小谷部隊員】


やかんにドリップしている小谷部隊員


コーヒーを飲んでアタック日程の打合せ】


8月5日にアタック決行予定!!】

(アタック隊は4名)

 ※コーヒー豆は、福島県矢祭町、「珈琲香坊」様から頂いた珈琲豆(つつじヶ丘ブレンド)です