「K2_2009登山隊日記」:H21.7.6〜7.20

 ■7月6日〜12日(ABC〜C1設営「6,090m」〜C2設営「6,800m」〜C3偵察)

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 【7月6日(土) 保坂隊長報告】

 日(月)「ABC〜C1設営〜ベースキャンプ」
 
6,090m地点にC1設営(保坂、遠藤、西川、児玉、ハイポータのアリムサとファズル)
    >児玉、西川がABCに4日粘って滞在し、
ABCからから5時間歩きっぱなしでC1到達
     (流石「K2」は大きい!)
    >
南東稜は現在4隊入山中(北日本隊、韓国隊、国際隊「スペイン」、ロシアのセルゲイ氏)
     で、カザフスタン隊が15日に入山予定
    >国際隊は欧州(オーストリア)の気象予報により動き始めましたが、あまり局地気象は的確
     では無いようで、我々もこの情報に翻弄されています
     (
猪熊氏の予報を7月10日より1ヶ月間お願いする予定です:期待しています)
    >残念ながら、日本出国当初より胃腸の不調を訴えていた
田中隊員がBCからの離脱決定
     スカルドでのホテル静養、高所順応登山もパスしてのBC入りで、12日間の踏ん張りももはや
     これまでと、全体ミーテングで
隊員共通認識を図った上で下山を決定いたした次第です
     (上小牧医師とのスラーヤ衛星携帯電話での支持もあったので
賢明な選択だと思います)
    >下血継続と高所での回復は望めないので、自分の足で歩けるうちにと、早々の下山を決定し、
     
明日7日に2名のポーターを伴い、田中隊員がBCからバルトロ氷河を経て帰路に着きます
     (
早く体調を回復して、再トライを願っています!
    >本日、
全員ベースキャンプに集結し、「登山再構築」です

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 【7月11日(土) 保坂隊長報告

 日(木)「C1(6,090m)〜C2(6,800m)に到着〜C1」
 
6,800m地点のC2設営予定地に到着(保坂隊長)
    >
保坂隊長がC1よりC2(6,800m)に到着しました(遠藤隊員は不調で途中でC1に下山)
    >そのまま遠藤隊員とABCから上がった西川隊員、保坂隊長の3名はC1滞在

 10日(金)「C1〜ベースキャンプ〜ABC」
 
保坂隊長はAM9:15にBCへ下山
    >
保坂隊長は、血中酸素濃度(SPO2)が「51」まで下がり肺水腫が心配なため、AM9:15下山し、
     ベースキャンプにお昼頃に到着、
検査値は「OK」
    >ベースキャンプでは、
LO(リエゾンオフィサー)のファイサルがスカルド休養の為が下山
     (24歳の彼の限界で他隊のLOも同様のようです)
    >下から
新バッテリーが到着で無線機親機復活(高速充電機はいまだ不可)
    >バッテリー液、機材、輸送と担当の初歩連携ミス?完璧は望めず、 
発電機はなんとか動いております
    >下から新ガソリン到着。プロパンガスの充填は努力が必要のようです
    >
昨日より試験的に気象予報1報がBCに入りました(猪熊情報は結果、良いようです)
     (欧州予報も同様で今日10日はどこの隊員も動いておりません)
  児玉隊員が4日の休養後、ABCへ
    >7月10日、風邪で不調だった
児玉隊員は4日の休養の後 ABCへ上がって行きました
    >
中国隊1名(楊春風氏)が挨拶にやってきました(ウルムチの漢族で、1人EXPです)
    >ブロードピークの1隊はヘリで降りていきました(タイムアウト、メークドラマです)
    >ここのハイポーター事情ですが、スムシャール村出身者が多く、標高3,200m地点で彼らは生まれ、
     その時から順化しているようです
     また、夏村(4,700m)で生まれるものも多いとの事で、ネパールのシェルパ族のようです
    >
当面はC2建設のための物資移動(ハイポーター)と隊員の順化です
    


 ガソリン濾過の様子(毎日行い、3回濾過して使用可)とC1風景



ガソリン濾過の様子−1


ガソリン濾過の様子−2】


【C1(6,090m)にて】


【C2(6,800m)到着】


 ※田中隊員は早ければ「12日」にスカルド到着予定(その後の対応は、日パの大住さんに依頼済み)

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 【7月12日(日) BCより、保坂隊長の伝言を井筒隊員が報告

 12日(日)「C1よりC2建設(偵察)のため、西川、児玉、小谷部隊員がC2へ向け出発」
 
発電機が不調で、情報の伝達が危ぶまれていましたが、早速修理して事務局へ送信
    > 昨夜、発動機が故障して隊長はじめ頭を抱えていましたが、 本
日午後にインターナショナル隊のスタッフに
     修理をしてもらい回復
しました(発電機の音ひとつで一喜一憂のBCで、原因はエンジンオイルの汚れでした)
    >7月11日:C1に長いこと滞在していた
遠藤隊員がBCに帰着し、早速、洗濯とテントサイドが高くなった
     ベースの是正です(
やはりBCはいいとの感想で、よく眠れたとの一声でした)
    >7月12日:C1にて
西川隊員、児玉隊員、小谷部隊員の3名は上部C2建設に向けて出発(偵察)
     (
西川隊員は今日7000mライン到達を目指すとの事で、児玉隊員 小谷部隊員は新高度で、猪熊情報を
      信じて張り切っての出発です)
    >BCでは、猪熊氏に適切な気象情報を送るべく
観点望気を小野寺、井筒隊員により進められており、気象
     レポートは
順調に記録できております
    >
大友隊員は粗悪ガソリンの濾過にマスクを利用し、BCで励んでおります
    >
井筒隊員はBCで猪熊氏対応と、キッチンスタッフ相手に日々奮闘中です
     (他隊の訪問、隊の記録と多忙の日々と、ガソリンの汚れ、オイルの汚れの心配等も)
    >
小林隊員は午後、ABCに向けてマイペースでゆっくり高度順化すべく、出発していきました。
     また、小林隊員はキャラバンスタート時、入山当初より足の痛み、胸の痛み、等で苦労しておりますが
タバコは
     この辺
でおさらば?(高所では?)インシャーアラー(「神のみぞ知る」とい云う意味)
   
   全員、大きな「体調不良」もなく元気にしております!!

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 【7月13日(月) 日パ トラベル:大住さんからの報告

 12日(日)「田中さんが12日夜にスカルドまで無事下山」
 
スカルドにて、弊社スタッフと合流して、13日に病院で診察を受けました
    >食事を摂ってないらしく、
点滴を受けていますが、かなり衰弱している様子です
    >今後の治療を考え、一日でも早く、
イスラマバードの病院へ移したいと考えていますが、悪天候のために、
     空路が数日欠航しており、
明日14日の空路がダメな場合は、陸路での搬送も考えております
    >
田中さんとは、電話で話しをしましたが、声には、張りがありました(一安心です)


   
※上記内容から判断しますと、残念ながら田中隊員の登山隊へのリトライは厳しい状況です。!!

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 【7月14日(火) 日パ トラベル:大住さんからの報告

 13日(月)「田中隊員が夕方に陸路イスラマバードに向けて出発」
 
空路が欠航続きのために、ハイエースで横になりながら、昨日の夕方スカルドを出発して、陸路を
    イスラマバードに向かっております
    >カラコルムハイウェーの道路状況が良くないので、到着は、明日になってしまうかも知れません

 14日(火)「田中隊員がスラマバードに到着し、数日間入院予定」
 
14日、予定通り16時少し過ぎにシーファ・インターナショナル病院に到着し、そのまま救急外来に入りました
   >3時間かけて検査の結果、数日間入院することになりました
    (ヘモグロビンの数値が著しく下がっているので、輸血が必要だとのことです。)
   >ヘモグロビンの数値や血圧などが安定して、ふらつきが無くなってから、帰国を考えております

   
※田中隊員の一日でも早い回復を祈ります。!!

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 【7月18日(土) 日パ トラベル:大住さんからの報告

 17日(金)「田中隊員が午後に退院」
 
田中隊員が、病院を出て、14時にホテルに入りました
   >本人も、病院を出てほっとした顔になっています(NHKのお相撲など見ながら、ゆったりしてます)
   >夜に近所のお医者さんに往診していただき、 点滴を受けさせました。
    (日本で検査を終わらせるまで食事も控えさせているので、総合ビタミン剤も点滴に混ぜました)

   ※田中隊員は、19日夜にイスラマバードを立ち、20日午後に成田到着予定!!

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 【7月18日(土) BCより、井筒隊員からの報告


 17日(金)「C2キャンプ建設」
 
6800m地点にC2建設(7月9日にタッチ)

 18日(土)「C3キャンプ予定地偵察(保坂隊長、西川隊員)」
 
保坂隊長・西川隊員がC2を出発し、C3へタッチし、C2スティ
   >
遠藤、児玉隊員、小谷部隊員はC1を出発し、C2スティ(C2は計5名がスティ)
   >HAP(ハイポータ)2名も
明日の荷上げの為にABCにスティ中
   >BCには小野寺副隊長、小林、小野寺、大友、井筒隊員がおります
   >本日、小野寺・大友・井筒の3名は、コックのサビール氏にガイドを頼んで、
ギルギーメモリー(慰霊碑)へ
   >
小林隊員は体調不良のため、BCで食欲不振のため休養中で、少し心配です
   >ジェネレーターはガソリンをこまめにろ過しながらなんとか動かしています
   >猪熊氏の
ウェザーフォーカスも精度が高く、いい感じで活用しています
    (16日〜19日までは晴れが続き、20日以降は気圧の谷の接近で天候は下り坂のようです)

  ※全員特別な病気・怪我もなく、毎日一歩ずつ進んでいます!!(登山はこれからが本番)

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 【7月20日(月) :田中隊員が無事帰国

 20日(月)「田中隊員が成田に無事帰国し、秋田労災病院に検査入院」
 
田中隊員が昼過ぎ、定刻通りパキスタン航空機で、成田に無事帰国しました
    >成田には、田中さんの奥様、弟さん、事務局の渡辺さんの3名が出迎えました
    >その後、羽田空港経由で大館空港に向かい、夕方無事に「秋田労災病院」に検査入院しました
     (秋田労災病院「大館市」は、国内隊員の上小牧医師が勤務している病院です)
    >地元秋田に来て、安心したのか、成田帰国時よりも顔色が良くなったようです(奥様談)
    

  ※田中隊員の一日でも早い回復を祈ります!!