11.樹霊


神樹
 神の化身や、神の力が宿ったとされる樹木。薬効のある植物や巨木が神格化された存在である。一般的には豊穣の象徴とされる。

オシラサマ(Oshira-sama)  出身地:日本
 東北地方で信仰されている家の神。蚕の神でもあり、その御神体は桑の木で作られた男女一対の人形である。オシラサマの祭日にはこれらのご神体を祭って、盲目の巫女が祭文を唱える。

ククノチ(Kukunochi)  出身地:日本
 久々能智神。イザナギとイザナミの間に生まれた樹木の神。本来は樹木と五穀の成長を司る神であったが、そこから転じて家屋の守護神でもあるとされた。

ダフネ(Daphne)  出身地:ギリシア
 ギリシア神話の河の神ペネイオスの娘である美女。最初に見たものに恋をするエロスの金の矢に射られたアポロはダフネに恋焦がれるが、ダフネはどんな相手にも恋することのない鉛の矢に射られていたために求愛を受け入れなかった。アポロに追われたダフネは父神ペネイオスの力によって月桂樹へと姿を変えた。嘆き悲しんだアポロは以来月桂樹を己の守護木とした。

ナルキッソス(Narcissus)  出身地:ギリシア
 春の植物の成長を司る神。非常に美しい青年の姿をしており、多くのニンフや乙女達がナルキッソスに言い寄ってきた。しかし、彼女達の求愛をことごとく拒んだために呪いをかけられ、泉に映った自分の姿に恋をしてしまった。水面に映る自分の姿に見とれたまま衰弱したナルキッソスは、死後水仙の花になったとされている。

ハオマ(Haoma)  出身地:ペルシャ
 ゾロアスター教で不死の霊薬になるとされる神聖な植物の神。ゾロアスター教では、ハルマゲドンの後、浄化された人類は聖牛の脂とハオマを飲んで不死になるとされている。ハオマがインドに伝わってソーマになった。

マヤウェル(Mayahuel)  出身地:マヤ
 アステカの神話に登場する女神。ケツアルカトルとともに地上に降りてきて、人類に飲酒を教えた。しかし、祖母であるツィツィミトルに内緒で地上に降りてきていたため、ツィツィミトルの怒りを買い、体を引き裂かれて食べられてしまった。ケツアルカトルが作ったマヤウェルの墓から酒の原料となるリュウゼツランが生えてきたとされている。


妖樹
 邪悪な力を宿した樹木の悪魔。その多くは森の暗闇への恐怖から生まれた樹木の精霊たちや、魔法の薬の材料とされる植物である。

アールキング(Erl King)  出身地:ドイツ
 ドイツのシュヴァルツシルトに生えているハンノキの精霊の王。森に踏み込んだ人間を幻惑して破滅へと導くとされている。

アルラウネ(Arlaune)  出身地:ドイツ
 処刑場で死刑囚の血を吸って咲く真紅の花の精。アルラウネの花を枕元において寝ると、夢の中に美女の姿をしたアルラウネが現れて精気を吸っていくと伝えられている。マンドレイクと同一視されることもある。

イグドラジル(Yggdrasil)  出身地:北欧
 北欧神話で世界の中心に生えているとされる巨大なトネリコの樹。神々の住まう地アースガルズに生えているが、その根は死者の国ニヴルヘイムや巨人の国ヨトゥンヘイムにまで伸びている。イグドラジルは生命の象徴でもあり、その実には出産の苦しみをやわらげる効果があるとされている。ラグナロクに最後まで生き残ったスルトが世界に放った炎によって焼け落ちてしまうとされている。

エス(Es)  出身地:不明
 心理学者フロイトが提唱した原始的自我。本能に最も近い部分であり、人間のダークサイドと同一視されることもある。

オードリー(Audrey)  出身地:オリジナル
 旺盛な食欲を持った悪魔が植物に取り憑いたことで生まれた怪物。麻痺性の毒を持つ刺の生えた触手を使って獲物を捕えては食べてしまう。元ネタはホラーコメディ映画『リトルショップオブホラーズ』に登場する吸血植物、オードリーUだと思われる。

オムパロス(Omphalos)  出身地:オリジナル
 『デビルサマナー ソウルハッカーズ』もパラダイムX内にあるVRパークの中心に設置されたシンボリックツリー。人々の妬みや嫉みなどの負の感情を吸収したために暴走して悪魔化してしまった。“omphlos”とは英語で「へそ」や「中心」の意味であり、デルフォイにあるアポロ神殿に置かれている世界の中心を示す石の名がその語源である。

ザックーム(Zaccoum)  出身地:イスラム
 イスラム教における地獄であるジャナンハムに生えているとされる樹。悪魔の頭に似た実がなっており、罪人はこれを腹一杯になるまで食べさせられた後、煮えたぎる熱湯を飲まされるという。

サンショウ(Sanshou)  出身地:中国
 中国の山中に住むとされる樹木の精。妖怪の一種であり、夜になると人里に降りてきて害をなすと伝えられている。背が高く怪異な容貌と怪力の持ち主で、民家の戸に指で五本の穴を開けたという話が残されている。

ジュボッコ(Jubokko)  出身地:日本
 樹木子。戦場で流された死者の血を吸った樹木が妖怪化したもの。死者の怨念に支配されており、近くを通りがかった人間を捕まえて、その血を吸うと伝えられている。

スクーグスロー(Skeugslou)  出身地:北欧
 美女の姿だが、背中は樹木になっている森の精。森に入ってきた狩人や旅人に幸運を授けたり、野営の焚き火を代わりに見張ってくれるが、代償として人間の男性の愛を求めてくるといわれている。

腹中花(Fukuchuu-ka)  出身地:オリジナル
 悪魔の体内に寄生する魔界の植物。『真・女神転生if・・・』では、ハザマによって邪神オーカスに変身させられた軽子坂高校校長の体内に出現した。

マンドレイク(Mandlake)  出身地:ヨーロッパ
 根の部分が人間の形をした植物。魔術的な効能を持っており、万病に聞く薬や、魔法の薬の材料になるとされた。しかし、地面から引き抜くときに恐ろしい悲鳴をあげ、その悲鳴を聞いたものは死んでしまうといわれた。そのためマンドレイクと尻尾を紐で結びつけた犬を身代わりとして引き抜かせていた。




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