幻魔
神話・伝説における英雄や、中・下級の神々。優れた戦闘力を持っているが、ただ強いだけでなく、気高さと親しみやすさを併せ持っており、人々に親しまれている。
アステリア(Asteria) 出身地:ギリシア
ティターン神族の一人、コイオスの娘。アポロとアルテミスの母親であるレトとは姉妹。ゼウスの求愛を拒んだためにウズラに姿を変えられ、天から投げ落とされて海に浮かぶ岩塊と化した。これが、レトがアポロとアルテミスを産んだデロス島である。
イーリス(Iris) 出身地:ギリシア
ガイアより生まれた「不毛の海」ポントスの子。虹の女神であり、ヘルメスとともに神々の使者を務める。
イクティニケ(Ictinike) 出身地:北米
スー族に伝わる英雄神。太陽神の息子であったが、父親の機嫌を損ねたために地上に堕とされた。地上に堕とされたイクティニケはスー族をはじめとする諸部族に戦い方を教えたとされる。
イルダーナ(Il-Dana) 出身地:ケルト
ケルト神話の光の神ルーグの別名。“全ての技能を修めた王子”という意味である。
ヴァルナ(Varuna) 出身地:インド
ヴェーダ神話において、宇宙の秩序と人倫の道を支配する司法神。森羅万象全てを統べる天則リタの保護者であるヴァルナの掟には神でさえも背くことが出来ない。掟に背いたものに対しては容赦なく罰を与えるが、悔い改めた者に対しては寛容である。時代が下るにしたがってその優位性を失い、単なる水の神として扱われるようになった。仏教に取り込まれると、西方の守護神である水天となった。
ウルヴァシー(Urvasi) 出身地:インド
天界に住まう天女アプサラスの一人。人間であるプルーヴァラスと結婚し、その胤を宿すが、ウルヴァシーはガンダルヴァによって天界に連れ戻されてしまった。妻を求めて彷徨っていたプルーヴァラスはウルヴァシーと再会すると、彼女の進言に従ってガンダルヴァより聖火を授かり、ガンダルヴァの仲間になった。
カリスト(Callisto) 出身地:ギリシア
アルテミスの従者であるニンフの一人。彼女を見初めたゼウスは、アルテミスの姿に化けて彼女に近づき、その純潔を奪った。純潔を喪ったことをアルテミスに知られたカリストはアルテミスの従者から放逐されてしまった。
クー・フーリン(Cu Chulainn) 出身地:ケルト
ケルトの光の神ルーグの子。幼名はセタンタ。その名は「フーリンの犬」という意味で、これは彼が幼少の頃仕えた領主フーリンの飼っていた猛犬を素手で倒したことに由来している。その後、「影の国」に渡って、女神スカアハの下で修行を積み、魔槍ゲイボルグを手に入れてアイルランドに帰還した彼は、アルスターの王コノアに仕えた。アルスターに攻め込んできたコナート軍をたった一人で退けるが、その戦い振りに魅入られたモリーアンの求愛を拒んだために呪いをかけられた。最後はクー・フーリンに恨みを持つ妖術師カラティン兄弟のかけた呪いによって、自分の槍に貫かれて死んだ。
クラマテング(Kurama Tengu) 出身地:日本
鞍馬天狗。京都の北方に位置する鞍馬山に住んでいるとされる天狗。鞍馬山中の寺に預けられていた牛若丸(後の源義経)に兵法を教えたとされる。他の天狗同様に山中で修行生活を行っていた修験者がモデルであると思われる。
クルースニク(Kresnik) 出身地:スラブ
「十字架を背負う者」という意味の名を持つスロベニアの吸血鬼狩人。光と善を象徴する存在であり、闇と悪の象徴である吸血鬼クドラクとは宿敵同士である。互いに様々な動物の姿に変じて死闘を繰り返すが、戦いは常にクルースニクの勝利に終わる。
ケンレンタイショウ(Kenren Taishou) 出身地:中国
捲簾大将。『西遊記』の沙悟浄のこと。元は天界にあって玉皇大帝の側近くに仕えていたが、蟠桃会で玻璃の杯を壊したために下界に堕とされた。三蔵法師の取経の旅の供を果たすと、金身羅漢に任ぜられた。
コンス(Khnthu) 出身地:エジプト
ナイル川中流の都市テーベで信仰された月の神。「真理の王」あるいは、「運命の作者」と呼ばれ、神託を司る。ミイラ化した若者の姿で描かれる。
ジャンバヴァン(Janbavat) 出身地:インド
インドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する熊の王。クリシュナと21日間に渡る激しい戦いを繰り広げた。最後はクリシュナに降伏し、彼に従ってラーヴァナとの戦いに助力した。
ティシュトリヤ(Tishtlia) 出身地:ペルシャ
ペルシャの雨の神。ゾロアスター教では大天使に次ぐ存在であるヤザタの一人であり、星を象徴している。美しい白馬の姿をしている。世界の果てにある海にティシュトリヤが降り立つことで海水が蒸発し、それが雨になる。
トラロック(Tlaloc) 出身地:アステカ
古代アステカの雨の神。死者の魂が赴く世界の一つである、水と霧の国トラロカンを支配している。神々の覇権争いを記した『太陽の物語』では、トラロックは第三の太陽の時代を312年の間支配したとされている。
ナタ(Nata) 出身地:中国
ナタク、ナタタイシとも呼ばれる。『西遊記』や『封神演義』など、様々な物語に登場する少年の姿をした英雄神。種々の宝貝を持っており、魔王や龍王を退治する。
ナンキョクロウジン(Nankyoku Roujin) 出身地:中国
南極老人。南極老人星(竜骨座のカノープス)の化身で、長命と福徳をもたらす。七福神の寿老人及び福禄寿と同一の神である。元々この両者は同一の神であったが何時の間にか別々の神として扱われるようになったものである。
ハチダイオウ(Hachi-daiou) 出身地:中国
八大王。清代の中国に現れたスッポンの王。一寸ほどの大きさの小人の形をした呪宝を持っており、これを体に埋め込むと様々な利益があるとされる。
ハヌマーン(Hanuman) 出身地:インド
インドの猿神。叙事詩『ラーマーヤナ』では、ヴィシュヌの化身であるラーマを助けてラクシャーサの軍を相手に戦って大活躍している。ハヌマーンが中国に伝わって、『西遊記』の孫悟空のモデルになったといわれている。
フーリー(Huris) 出身地:イスラム
イスラム教において、楽園で男性をもてなす天女。イスラム教徒の男性一人あたり72人のフーリーがつくという。インドの神話に登場するアプサラスと通じる部分がある。
フレイ(Freyr) 出身地:北欧
ヴァン神族の海神ニヨルドの息子、フレイアの兄。雨と日光を司り、豊作などの加護を与える神。ヴァン神族はオーディンたちアース神族とは敵対していたが、和睦したときにニヨルド、フレイアとともに人質としてアース神族の下へ行ったが、父ニヨルドとともに神々の祭司に任ぜられた。黄金の猪グリンブルスティ、「ひとりでに戦う剣」等の宝物を持っている。巨人族の美女ゲルズに恋をしたフレイは幼馴染で腹心のスキールニルの活躍でゲルズを妻とすることに成功した。しかし、その時スキールニルに「ひとりでに戦う剣」を与えてしまったため、以後フレイは鹿の角の棍棒を武器とするようになった。ラグナロクではアースの神々の中で最後まで生き残るが、ムスッペルの王スルトが持つ炎の剣の前に斬り殺された。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。
ヘイムダル(Heimdallr) 出身地:北欧
「白き神」と呼ばれる、最も美しい男神。人間の始祖であるとされる。虹の橋ビブロストのたもとの館に住み、下界の見張りをしている。ギャッラルホルンと呼ばれる角笛を持っており、ラグナロクが始まる時には、その角笛を吹き鳴らす。ラグナロクでは宿敵ロキと戦い、互いの体に互いの頭を突き刺して相打ちになる。
ヘーニル(Henir) 出身地:北欧
オーディンの影武者を務める神。素早さに優れており、「長き足の神」や「身のこなしの素早い神」とも呼ばれる。オーディンやロキの供として旅に同行したが、特に目立った活躍はしていない。本来の役目は祭司であり、人間に心や霊感を与えたとされる。ラグナロクの後も生き残り、再生した世界でも祭司を務める。
ベス(Bes) 出身地:エジプト
家庭に幸福をもたらすとされ、階層を問わずに広く信仰された小人の姿をした神。女性の結婚、化粧、装飾を司り、出産を助ける神であるともされる。
ヘリオス(Helios) 出身地:ギリシア
ティターン神族のヒューペリオンの息子である太陽神。太陽そのものであり、羽の生えた馬が牽く黄金の馬車に乗って、毎朝東の館から天空を駆け巡る。
ヘルモーズ(Hermedr) 出身地:北欧
主神オーディンの息子で、神々の中で最も足が速く、しばしばオーディンの使者として世界を駆け巡る。兄弟のバルドルがロキの計略によって死んだときには、冥界に赴き、女王ヘルにバルドルを生き返らせるように頼んだ。ヘルは「世界中の全てのものがバルドルのために泣けば、バルドルを生き返らせる」という条件を出した。この話を聞き、世界中のあらゆるものがバルドルのために泣いたが、ただ一人、ロキが変じた女巨人のみ泣かなかったためにバルドルは生き返ることが出来なかった。
マウイ(Maui) 出身地:ポリネシア
トリックスター的な要素ももつポリネシアの英雄神。海の底からマウイ島を釣り上げたり、人間に火を授けたとされる。
妖魔
高い魔力を持ち、様々な魔法と使う魔物たち。妖精に近い存在であるが、下級の神々や神々の従者なども含まれる。
アガシオン(Agathion) 出身地:ヨーロッパ〜アラビア
人間の魔術師などに使役される使い魔の総称。実体を持たない精霊だが、様々な姿をとることができる。普段は壷や瓶などの中に封じられているが、昼の間のみ呼び出すことができる。
アプサラス(Apsaras) 出身地:インド
インドの神話や物語に頻繁に登場する天女。普段は天界にあって踊り子として楽士のガンダルヴァとともに神々を楽しませているが、しばしば下界に降りて苦行している修行者を誘惑したり、人間と恋をしたりしている。『真・女神転生II』ではGBA版にのみ登場する。
イソラ(Isora) 出身地:日本
磯良。南方系の海洋民族である安曇族に信仰された水神。水を自在に操ることができる。
イフリート(Ifrit) 出身地:アラビア
元はアラビアの精霊であるジンの階級の一つであったが、次第に別種の精霊として扱われるようになってきた。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。
ヴァルキリー(Valkyrja) 出身地:北欧
北欧神話の主神オーディンに仕える女戦士たち。来るべきラグナロクに備えて、戦場で死んだ戦士の魂をオーディンの館であるヴァルハラへと導く。ラグナロクの時まで戦士たちは戦いと宴を繰り返す。
ヴォジャノーイ(Vodianoi) 出身地:スラブ
スラブに伝わる水の精。なまずに乗って水の中を移動し、人間を水の中に引きずり込んで溺れさせる。魚の支配者とされており、猟師達は最初に捕れた魚や煙草を捧げた。また、水車小屋を建てる際には、ヴォジャノーイのために黒い雄鶏をその下に埋めていた。
ウォッチャー(Watcher) 出身地:ヨーロッパ
「観察者」の名を持つ聖霊。その名の通り、天使に代わって人間たちの行いを監視しているが、天使とは異なり、人間の行動に直接干渉することはない。
オンコット(Onkot) 出身地:インド
ハヌマーンが率いる猿の軍団の将軍。
ガネーシャ(Ganesa) 出身地:インド
シヴァとパールヴァティの息子。智慧と学問、商売の神。パールヴァティが入浴中に、浴室の門番として作り出したが、浴室に入ろうとしたシヴァを遮ろうとしたためにシヴァに首を刎ねられた。悲しむパールヴァティを慰めるために、シヴァは象の首を刎ねて息子の新たな首とした。仏教においては歓喜天とされ、和合の神とされるようになった。
カバンダ(Kabanda) 出身地:インドラ
元は精霊であったが、罪を犯してアスラに堕とされた。インドラと争った際に、頭を強く殴られたために首が体の中に陥没し、目は胸に口は腹についてしまった。
カラステング(Karasu Tengu) 出身地:日本
烏天狗。大天狗の部下であるカラステングはその名の通りに烏のような頭であり、短いながらも嘴を持っている。また、羽根も生えており、その羽根でもって空を飛ぶことが出来る。
ガンダルヴァ(Gandharva) 出身地:インド
インドの神話で天界に住む精霊で楽士。アプサラスの夫である。下半身は鳥で、両肩に翼が生えている。仏教では八部衆の一人の乾闥婆になった。
キューピッド(Cupid) 出身地:ローマ
小さな翼を生やし、弓矢を持った裸の子どもの姿をしており、その矢で射られた者は目の前にいる異性に恋をしてしまう。ヴィーナスの子で、愛を司る神のエロスがその容姿から天使と混同された姿であるとされる。
キンナラ(Kimnara) 出身地:インド
インドラの配下である楽神。馬の頭を持った人間、あるいは人間の頭を持つ馬として描かれる。仏教においては緊那羅と呼ばれ、八部衆の一人に数えられている。
キンナリー(Kimnari) 出身地:インド
キンナラの女性。
コッパテング(Koppa Tengu) 出身地:日本
木っ端天狗。山で長い年月を経た狼や山犬が変じて天狗となったもの。天狗としてはまだまだ未熟であり、天狗の中では最下級として扱われている。
コロンゾン(Choronzon) 出身地:アルジェリア
20世紀最大の魔人と怖れられた魔術師アレイスター・クロウリーが叡智を手に入れるためにアルジェリアの砂漠で召喚したとされる悪魔。邪悪な性質を持っており、支配に失敗したクロウリーと弟子達を苦しめた。
シウテクトリ(Xiuhtecuhtli) 出身地:アステカ
アステカの火の神。巨大な火柱、あるいは緑の羽飾りをつけた姿をしているとされる。シウテクトリに捧げられる生贄は、生きたまま火に投げ入れられるとされる。
シャイターン(Shaytan) 出身地:アラビア
アラビアの精霊ジンの一種で、イフリートのひ孫とされる。火と風の中から生まれたとされる。邪悪な性格をしており、イスラム教では悪魔の総称とされている。その名はサタンに由来するとも、サタンの語源であるとも言われる。
シワンナ(Sywanna) 出身地:北米
プエブロ族の神話に登場する精霊。「雲の人」という意味の名を持ち、この「雲」は精霊や死者を表しており、シワンナは死者に関係する精霊だとされる。普段は池や泉、海辺などに住んでいるとされる。
ジン(Jinn) 出身地:アラビア
アラビアの精霊。人間に先立つこと2000年、炎によって創造主に作り出されたとされる。自在に空を飛び、力も知恵も人間より勝っており多彩な魔術を操ることができる。人間同様に男女の性別があり、女性のジンはジニーと呼ばれる。また、善悪どちらも存在して、悪意を持ったジンのことを特にシャイターンと呼ぶ。
ディース(Disen) 出身地:北欧
北欧神話では豊穣の女神や、アース神族の女神たちの総称として呼ばれていたが、後代になると女神ではなく一種の妖精として扱われるようになり、その立場もノルンやヴァルキリーの従者であるとされるようになった。
テング(Tengu) 出身地:日本
天狗。鳥の頭もしくは、赤ら顔に高い鼻を持ち、翼を生やした修験者の姿で描かれる日本古来の妖怪。風を操る他、様々な神通力を持つとされ、山中に住んでいる。山で修行していた修行僧が魔道に堕ちると天狗になるといわれる。
ハオカー(Haoca) 出身地:北米
スー族の伝説に伝わる雷と狩猟の神。ハオカーの鳴らす太鼓の音が雷に、太鼓を打つ撥は風になるとされる。
ペリ(Peri) 出身地:アラビア
高原に住む、白い翼を持った女の精霊。予言や幻術など、様々な魔術を操って勇者の手助けをする。ペリが流す血は固まるとルビーになるとされる。
マルト(Marutah) 出身地:インド
インドラの従者である嵐と雷の精霊。通常は単体ではなく、マルト神群と呼ばれる。暴風の神ルドラの息子であり、黄金の兜と胸当てをつけ、3頭の鹿が牽く戦車に乗って戦場を駆け巡る。
メルクリウス(Mercuriusu) 出身地:ローマ
ギリシア神話の神ヘルメスのローマでの呼び名。死者の魂を冥府に送り届けるとされる。また神々の伝令役でもあり、魔術や文字、医術の神とされる他に幸運の神でもあったため、商人や盗賊の守護神としても信仰された。
ヤヌス(Janus) 出身地:ローマ
古代からローマで信仰されている門の神。天界に続く門の門衛と、新年の始まりを司ることを職務としている。未来を表す若者の顔と、過去を表す老人の顔の二つの姿を持っている。
ロア(Loa) 出身地:カリブ
ブードゥー教で精霊や神を意味する。ブードゥーの呪術師はロアの力を借りて呪術を行う。人間同様にそれぞれの国に別れて住んでおり、身分差もあるといわれている。
ロイチェクタ(Leutschekta) 出身地:スイス
謝肉祭の木曜日に現れる妖怪。恐ろしい容姿をしているが、病気を治したり、死霊を追い払ってくれる。ロイチェクタが現れる日には、若い娘は顔に煤を塗り、ロイチェクタに嫌われるようにしたという。
ロルウィ(Roluwi) 出身地:オーストラリア
人間の若者の姿をした精霊。かつてヤムイモはジャングルの中を勝手に歩き回っていたが、ロルウィにヤムイモらしく土の中にじっとしているように説得されたと伝えられている。
妖精
正義や悪という概念に縛られず、自由な生き方をしている異界の住人。陽気で無邪気な性格をしており、悪戯好きなものも多い。女性型の妖精は非常に美しく、しばしば人間の男性を魅了する。
ヴィヴィアン(Vivian) 出身地:イングランド
アーサー王伝説に登場する女性の精霊。円卓の騎士ランスロットを育て、彼の守護精霊となった。また、魔術師マーリンの恋人で、彼を永遠の牢獄に幽閉する魔術をかけたのもヴィヴィアンであるとされる。
ウィリー(Willy) 出身地:ヨーロッパ
森の奥に住む妖精。婚礼前に死んだ娘の霊であり、通りかかった男を誘い込んでは息絶えるまで踊らせる。夜明けを告げる鐘が鳴るまで踊り続けられれば、ウィリー達は朝靄の中に消えていき、助かることができる。
エルフ(Elf) 出身地:ヨーロッパ
元は森に住む悪戯好きな小人達のことを指していたが、J.R.R.トールキンの小説『指輪物語』以降、美しい人間型の姿で描かれるようになった。人間同様に社会を持ち、王国を形成しているといわれる。『真・女神転生II』ではGBA版にのみ登場する。
オベロン(Oberon) 出身地:イギリス
月光と夢を支配する妖精の王。妻ティターニアとともに豪奢な宮殿に暮らしている。短気で怒りっぽく、身勝手な性格をしており、お気に入りの人間のことでティターニアとよく喧嘩をするといわれている。
キジムナー(Kijimuna) 出身地:沖縄
ガジュマルの樹に住む精霊。赤ん坊くらいの大きさで、全身が毛に覆われている。人気のない夜にはあたりを歩き回るが、キジムナーが現れたところには小さなミステリーサークルが残されるとされている。
ケルピー(Kelpie) 出身地:スコットランド
スコットランドの水の精。馬の姿をしており、人間が背中に乗るとそのまま水に飛び込み、溺死させる。
ゴブリン(Gobkin) 出身地:イギリス
悪戯、特に悪意に溢れた悪戯を好む妖精。奇怪な姿をした小人の姿をしている。
サテュロス(Satyros) 出身地:ギリシア
人間の上半身に山羊の下半身を持ったディオニュソスの眷属。非情に好色で、しばしば人間の女性やニンフとの快楽に耽った。
ジャックフロスト(Jack Frost) 出身地:イギリス
冬の訪れとともに現れる霜の精。雪だるまのような愛らしい姿をしており、性格も無邪気そのものだが、気に入らない人間は氷漬けにしてしまう。体が霜と雪で出来ているため、春が来ると溶けて消えてしまう。
ジャックランタン(Jack Lantern) 出身地:イギリス
イギリス南西部のコーンウォール地方に現れる鬼火。ウィル・オ・ウィスプとも呼ばれ、旅人を迷わせたり、驚かしたりする。元々はジャックという人間であったが、自堕落な生活を送っていた上に、悪魔を騙しつづけていたため、天国にも地獄にも行くことが出来ず、魂が地上を彷徨い続ける事になったものだといわれている。また、ハロウィンで使われる人の顔の形にくりぬいたカボチャのこともジャックランタンと呼ぶ。
シルキー(Silky) 出身地:イギリス
美しい女性の姿をした家の精。住人達が寝ている間に家事などの雑用をしてくれる。絹の服をまとっており、シルキーのいる家では衣擦れの音が聞こえることもある。身勝手な住人にはたちの悪い悪戯を仕掛けて、家から追い出してしまう。
スプリガン(Spriggan) 出身地:ケルト
遺跡にある宝物を守護する妖精。人間に似た姿をしているが、非常に醜い姿をしている。また、人間の子どもを攫って、代わりに自分の子どもを残していくこともある。
スミゾメ(Sumizome) 出身地:日本
墨染。京都市伏見区墨染にある伝説の桜。平安時代に上野岑雄が藤原基経の死を悼み、『深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け』と詠んでから、墨染色に咲くようになったという。
セタンタ(Setanta) 出身地:ケルト
→クー・フーリン
センコ(Senko) 出身地:日本
仙狐。長い時を生きて神通力を身につけた狐の妖怪。人間に化けるなど様々な術を心得ており、人を化かしたりする。また、恩を施された人間に恩返しをすることもあり、相手が男性の場合には美女の姿になって、夫婦になることもある。
センリ(Senri) 出身地:日本
仙狸。狸ではなく山猫が長生きをして仙狐同様に神通力を得たもの。
ダークエルフ(Dark Elf) 出身地:ケルト
エルフの中でも、闇の性質を強く持ったもの。普通のエルフに比べて醜く、不恰好であるとされる。
タム・リン(Tam Linn) 出身地:ケルト
元は人間の騎士であったが、妖精の女王に見初められ、無理矢理妖精界に連れて行かれて妖精の騎士となる。妖精の森の番人をしていたが、ジャネットという人間の乙女の協力で人間界に帰ってくることが出来た。
ティターニア(Titania) 出身地:イギリス
オベロンの妻である妖精の女王。その名はローマ神話の月の女神ダイアナに由来する。月光を浴びた夜の森の支配者であり、フェアリーの侍女を従えてダンスをしているといわれている。気に入った人間の男性を見つけると、無理矢理自分たちの国に引きずり込み、飽きるまで愛を注ぎ続ける。
デュラハーン(Durahan) 出身地:ケルト
首の無い騎士の姿をした妖精。首の無い馬車に乗っており、片手で手綱を持ち、もう一方の手には自分の首をぶら下げている。バンシーと同様に死を予言する妖精であるが、後代の作品ではアンデッドの一種として扱われることもある。メガドライブ版『真・女神転生』とGBA版『真・女神転生II』にのみ登場する。
ドモヴォーイ(Domovoi) 出身地:スラブ
スラブ地方の家を守護する精。毛むくじゃらの老人の姿をしている。家を引っ越した場合には、改めて新居にドモヴォーイを招かなければならないとされている。
ドリアード(Dryad) 出身地:ギリシア
樹に宿るニンフ。緑色の髪を持った小柄な美しい女性の姿をしている。性格は温厚で人間に危害を加えることはめったにないが、樹を切り倒そうとしたり、森を荒らす人間に対しては容赦をしない。
トロール(Troll) 出身地:北欧
北欧神話に登場する霜の巨人族の末裔とされる。地底で、黄金や水晶で出来た家に住んでいるとされる。人間とは積極的に関わり合いになろうとはしないが、友好的な人間には魔法で力を与えたり、財宝を分けたりしてくれることもある。
ナジャ(Nadja) 出身地:不明
フランスの作家アンドレ・ブルトンの著書『ナジャ』に登場する精神病の少女ナジャがモチーフと思われる。『真・女神転生II』では、主人公アレフに一目惚れし、無償の愛を捧げる健気な妖精の少女として登場する。
ハイピクシー(High Pixie) 出身地:イギリス
妖精ピクシーの中でも特に能力に優れたもの。“high”は「高位の」の他に「(幻覚剤などで)イッた」という意味もある。
パック(Puck) 出身地:イギリス
シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』に登場する悪戯好きの妖精。彼がオベロンの命で取ってきた媚薬が原因で大騒動が巻き起こる。
バンシー(Banshee) 出身地:ケルト
長い髪に緑の服、灰色のマントをまとった死の妖精。名家に死者が出ると現れて、その死を悼んで泣く。特に複数のバンシーが現れて泣いた場合は、その死者が勇者であるか徳が高いとされている。死の妖精であることから、不吉なものとされがちだが、むしろ善良な妖精の部類に入る。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。
ピクシー(Pixie) 出身地:イギリス
緑色の服を着た小人の姿をした妖精。悪戯好きで、旅人を道に迷わせたり、泥に足を取らせたりする。基本的に根は善良で、良くしてくれた人間には必ず恩返しをする。
ペナンガル(Penangal) 出身地:マレーシア
密林に住む蜂の精。蜂の巣を蜜泥棒から守るとされている。夜になると、この世のものとは思われぬほどの悪臭を放ちながら密林を飛び回る。
ホブゴブリン(Hobgoblin) 出身地:イギリス
ゴブリンの眷属で、「田舎のゴブリン」の意味。悪意のある悪戯を仕掛けてくるゴブリンとは異なり、邪気のない悪戯を行う。
ポリスーン(Polespun) 出身地:スラブ
スラブの森の精。その名は「森」を意味するスラブ語の“les”に由来している。森を通る旅人を迷わせたり、娘を攫ったりする。
ルサールカ(Rousalka) 出身地:スラブ
溺死した女性がなるとされている水の精。美しい声を持った美女の姿をしており、歌声や美貌で人を水の中に引きずり込む。春から夏にかけては水の中から出て森や野原に住み、通りがかった人間に謎をかけ、答えられなかった人間をくすぐり殺す。
レプラホーン(Leprechaun) 出身地:イギリス
イギリスに住む妖精の靴屋。他の妖精が踊ってすり減らした靴を片方だけ修繕するといわれている。多くの財宝を隠し持っており、レプラホーンを捕まえることができればそれを手に入れることができる。しかし、レプラホーンはケチで非常にずるがしこいため捕まえるのは至難の業である。
ローレライ(Lorelei) 出身地:ドイツ
ライン川のほとりに住む美しい妖精。毎夜、岩の上に座って美しい歌を歌い、船乗り達を魅了する。歌に魅入られた船乗りは舟を岩にぶつけ、溺死してしまうといわれる。元は川の女神であったが、川の渦に対する恐怖から魔女のように扱われるようになった。
ロビングッドフェロー(Robin Goodfellow) 出身地:イギリス
オベロンと人間の羊飼いの娘との間に生まれた半妖精。人間に育てられていたが、悪戯が酷かったために母親に家から追い出された。オベロンから好きなものに変身する魔法を授けられると、この力をよいことに使ったため、オベロンに認められて妖精の仲間入りをした。シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』ではパックの別名として使用されている。
夜魔
その名の通り、夜の闇に生きる魔物。夜や闇に対する恐怖の象徴であり、様々な悪事を行う。下級の夜魔は悪戯をする程度だが、上級の夜魔は淫魔や夢魔の類であり、人間を誘惑してその精気をすする。
アルプ(Alp) 出身地:ドイツ
黒い毛むくじゃらの姿をした夢魔。元は北欧神話の妖精の国アールヴヘイムに住む光の妖精であったが、キリスト教の伝来とともに堕とされ、闇に住む悪魔とされるようになった。
インキュバス(Incubus) 出身地:ドイツ
美しい男性の姿をした夢魔。寝ている女性の夢に現れ、淫靡な夢を見せるとされる。また、サキュバスから男性の精液を受け取り、それを女性に与えて妊娠させることもある。
インプ(Imp) 出身地:イギリス
魔女の使い魔とされる小悪魔。元々は単なる悪戯好きな妖精だったが、サタンから枝分かれした小悪魔の総称として使われるようになった。小動物などに化けて、召喚者の命令に従うが、機会さえあれば召喚者を裏切ろうと企んでいる。
ヴァンパイア(Vampire) 出身地:スラブ
自殺者など、尋常でない死に方をした者や罪人、呪術師などが、死後も母なる大地に還る事を許されずに生前の肉体を保ったままさ迷い歩くようになったものである。他の死霊と異なり、人間の肉を喰らうことはなく、人間の生き血をすする。ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』以降、貴族的なイメージが付き纏っているが、伝承に登場する吸血鬼の大半は一般人である。霧に変じる力を持ち、ニンニクや日光、十字架に弱いなどといった特徴や弱点のほとんどは後世の小説や映画などが付け加えたものである。
エンプーサ(Empusa) 出身地:ギリシア
冥界と魔術の女王ヘカーテの従者たる夢魔。皮の翼を持ち、片方の足が真鍮か青銅で出来ていて、もう一方の足には大きな鉤爪がついている。主人のヘカーテに従って夜の交差点、特に三叉路に出現するという。
キウン(Kaiwan) 出身地:イスラエル
イスラエルの星の神。旧約聖書の『アモス書』では同じく星の神であるサクテとともに偶像神として信仰されていたと記されている。
キキーモラ(Kikimora) 出身地:スラブ
東スラブの伝承に登場する女の家霊。夜中に現れて、赤ん坊を泣かせたり、糸紡ぎをしたりする。キキーモラの姿を見たり、糸を紡ぐ音を聞いたりしたものは不幸の前兆であるとされる。
キャク(Kyac) 出身地:ネパール
全身を黒い毛で覆われた夜の精。特に人間に対して害を及ぼす存在ではない。
クイーンメイブ(Queen Mab) 出身地:イギリス
ケルトの民話における妖精の女王であり、人間の夢を支配し、夢へと誘う妖精。
サキュバス(Saccubus) 出身地:ドイツ
美女の姿で男性の夢に現れる夢魔。淫靡な夢を男性に見せ、その精液を集めてインキュバスに渡すとされる。特に聖職者の夢に現れて堕落させることを好むとされる。
ザントマン(Sandman) 出身地:ドイツ
「砂男」という意味の名を持つドイツの妖精。夜中に子どものところにやってきて、背負った砂袋に入っている「眠りの砂」を子どもの目にかけて眠らせる。夜更かしをする子どもがいると、ザントマンが現れて目を抉り取ってしまうと言われている。
ジャアクフロスト(Jaaku Frost) 出身地:オリジナル
『真・女神転生III』に登場。ジャックフロストがカブキチョウ捕囚所のマガツヒの力によって強大化した姿。マガツヒの影響を受けてか、本来の愛らしい容姿の名残は止めているが、体色は漆黒に変じ、性格も邪悪なものに変わっている。
チュルルック(Thurulck) 出身地:東南アジア
悪を象徴する魔女ランダの使い魔。長い髪を持ち、真っ白な顔に剥き出しの歯と歯茎を特徴としている。
ナイトメア(Nightmare) 出身地:ヨーロッパ
人に悪夢を見せる夢魔。寝ている人間に覆い被さって窒息させたり、金縛りにしたりする。「夜の悪魔」を意味する英語の古語に由来するが、“mare”には牝馬の意味もあるため、黒い馬の姿でよく描かれる。
ナハトコボルト(Nacht-kobold) 出身地:ドイツ
「夜のコボルト」という意味の名を持つ妖精。子どもに悪夢を見せ、場合によっては死に至らしめることもあるという。
ニ・カロン(Ni Kalon) 出身地:東南アジア
ランダの配下の魔女。ザンバラの髪に大きな口、髭を生やしている。ランダがバロンに倒されると、新たなランダになるとされる。
ニュクス(Nyx) 出身地:ギリシア
原初の混沌カオスより生まれ出でた夜の女神。兄弟である闇の神エレボスと交わってヒュプノスなどを産んだ。水の妖精ニクシーの母親であるともされる。古代のキリスト教では死者を神聖化する存在とされ、キリストと反する存在となった。
パリカー(parica) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教で流星の化身とされる女魔。妖術使いにして売春婦であり、しばしば英雄たちを誘惑する。
ヒノエンマ(Hinoenma) 出身地:日本
飛縁魔。仏教において、女犯を戒めるために作り出された悪魔。ヒノエンマに魅入られると、血の一滴も残さずに吸い尽くされ、命を失うとされる。
ヒュプノス(Hypnos) 出身地:ギリシア
ギリシア神話の眠りの神。夜の女神ニュクスの息子で、死の神タナトスの兄弟。神々の王ゼウスさえも眠らせる力を持つ。
フォーモリア(Fomor) 出身地:ケルト
ケルト神話においてトゥアハ・デ・ダナーンの神々と対立する存在である巨人族。ダナーンの神々がケルトに住まう以前より幾度にも渡ってケルトの地へと侵攻を繰り返してきた。
モコイ(Mokoi) 出身地:オーストラリア
「悪霊」という意味の名を持つジャングルに住む妖怪。病気や事故を起こす原因であるとされる。人間に似た姿をしているが、頭が非常に大きく、また舌がないため人の言葉を話すことが出来ないとされている。
リリス(Lilith) 出身地:イスラエル
イヴに先立ってアダムの最初の妻となった女性。古代のバビロニアの神話にその起源をもつとされる。アダムと争って楽園より追放されたリリスはサタンの妻となって、デーモンの女王として地獄に君臨し、数多の悪魔の母となった。
リリム(Lilim) 出身地:イスラエル
リリスの娘である女魔。サキュバスと同じように男性の夢に現れて淫靡な夢を見せる。夢の中で男性と交わるときは、女性上位の体位を取ることを好んだ。
ルゲイエ(Rougaie) 出身地:北欧
北欧の伝承に登場する眠りの精。夜遅くまで起きている子どもの目にミルクを注ぎ込んで眠らせる。
ワイルド・ハント(Wild Hunt) 出身地:イギリス
猟犬の幽霊を引き連れた亡霊の一団。夜中に空や荒野を駆けており、姿を見たものは冥界に連れ去られるという。
魔王
古代には神として信仰されていたが、様々な理由によって堕とされたもの。魔物たちを支配し、神の座を奪おうと策謀をめぐらせている。
アエーシュマ(Aeshma) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教において、「憤怒」と「激怒」を象徴する残忍の化身。人々の憤怒をあおり、世界を分裂させようとするが、そのたくらみはスラオシャに阻止されることになる。
アカ・マナフ(Aka-Manah) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教において、「悪思」を司る悪魔。「善思」の権化である大天使ウォフ・マナフの宿敵であり、アカ・マナフは人間の心に悪意や怒り、不和などの邪な考えを植え付ける張本人である。
アザゼル(Azazel) 出身地:イスラエル
神の命によって人間たちを監視していた“グリゴリ”の天使の指導者の一人。人間の娘の美しさに魅了され、本来の任務を忘れて彼女達を妻とした天使たちは、人間に禁断の知識を与えた。天使と娘達の間に生まれた子ども達は巨人となり、地上を荒らしたため、これを知って怒った神は地上に大洪水を起こした。アザゼルはラファエルに捕えられ、エルサレム郊外の荒野の地下に幽閉され、最後の審判の日に炎の中に投げ込まれるのを待っている。
アシュラ女王(Ashura Joou) 出身地:ギリシア
『女神異聞禄 ペルソナ』の「雪の女王編」において、“雪の女王”の仮面に憑かれた女性、藤森知美のペルソナである“夜の女王”ニュクスが神取鷹久と園村麻希の力を得てパワーアップした姿。
アスタロト(Astaroth) 出身地:バビロニア
バビロニアの地母神イシュタルがキリスト教によって堕とされた姿。当時からイシュタルは軍神アシュターと混同されており、アスタロトの名もこれに由来している。黒い龍にまたがった美しい天使の姿をしており、唇は常に血に塗られて赤く染まっている。
アスモデウス(Asmodeus) 出身地:中東
ゾロアスター教の魔王の一人、アエーシャマ・デーヴァを起源とするユダヤ教の悪魔。旧約聖書外典『トビト書』には、メディアの資産家の娘に取り憑き、彼女に近づく男を次々と殺害したが、大天使ラファエルの助言を受けた青年によって退散させられた。メガドライブ版『真・女神転生』とGBA版『真・女神転生II』にのみ登場する。
アバドン(Abadon) 出身地:イスラエル
終末に天使が吹き鳴らすラッパとともに現れる破壊者。その姿はイナゴそのものだが、戦馬にも似ており、顔は人間のもので頭に金の冠をかぶっている。地上に現れたアバドンは配下のイナゴとともに不信心な人間に襲い掛かる。襲われた人間は死ぬような痛みに苛まれるが、決して死ぬことはなく、5ヶ月の間痛みの内にのた打ち回ることになる。
アリオク(Arioch) 出身地:イスラエル
「猛き獅子」という意味の名を持つ堕天使。「復讐の悪魔」とも呼ばれる。
アルシエル(Alsiel) 出身地:イスラエル
→アバドン
アンリ・マンユ(Angra-Mainyu) 出身地:ペルシャ
アーリマンとも呼ばれる、ゾロアスター教の悪魔の軍団を率いる大魔王。その名は「敵対者の霊」の意味で、「魔の中の魔」とも呼ばれる。大天使の長スブンタ・マンユと敵対する存在であるが、最終戦争の時には最高神アフラ・マズダによって打ち倒される。
キングフロスト(King Frost) 出身地:イギリス
雪の妖精ジャックフロストたちの王。その正体は無数のジャックフロスト達が合体したものであり、配下のジャックフロストとともに世界中に雪と霜をもたらす。
サタナエル(Satanael) 出身地:イスラエル
神の命で人間を監視していた“グリゴリ”の天使の一人。サタナキアとも呼ばれる。その名はサタンに由来し、サタンと同一視されることもある。キリスト教ボゴミル派によると、サタナエルは神の息子であり、キリストの兄弟で、善そのものとして創造された。神の座を狙ったサタナエルは全天使の3分の1を率いて反逆するが、破れて堕天する。神と休戦し、協力して人類を創造したサタナエルは7年の間地上を支配し、その後神と地上の支配権をかけてすさまじい闘争を繰り返した。
サタナキア(Satanachia) 出身地:イスラエル
ルシファーやベルゼブブといった魔王に仕える上級魔神の一人。巨大な牡牛の姿をしており、地獄の軍団の大将を務めている。あらゆる惑星の運行に関する深い知識を持ち、女性に対する強力な支配力を持つが、召喚者に対しては反抗的な態度をとる。サバトの支配者であるバフォメットと同一視されることが多い。メガドライブ版『真・女神転生』とGBA版『真・女神転生II』にのみ登場する。
サルワ(Sarua) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教において、「無秩序」を体現する悪魔であり、「統率」の象徴である大天使クシャスラと敵対する。悪政を人々に促し、世界に不平等や弱肉強食の論理を持ち込む張本人とされる。
シェムハザ(Shemhaza) 出身地:イスラエル
人間を監視するために神から遣わされた“グリゴリ”の天使の指導者の一人。グリゴリの天使たちが人間の娘を妻にしようとしたとき、ただ一人反対したとされる。結局は多数意見に押し切られ、神への反逆の主導者となった。しかし『エノク書』によると、シェムハザこそが天使たちを惑わし、娘達を妻とするように仕向けたのだとされている。
シユウ(Shiyu) 出身地:中国
蚩尤。神代中国の帝王、炎帝神農氏の子孫で、銅の体に鉄の額と牛の蹄を持ち、4つの目と6本の腕を持った牛頭の魔王。戦上手で軍神として知られており、様々な武器を発明した。軍勢を率いて黄帝と天下を争うが、敗走するところを応龍に追いつかれて殺された。
スルト(Surtr) 出身地:北欧
オーディンたちアース神族の暮らすアースガルズの南にある炎の巨人ムスッペルの住む国ムスッペルヘイムの王。ラグナロクの時には、炎の剣を携え、一族を引き連れて参戦する。戦いにただ一人最後まで生き残り、世界に炎を放って何処かへ消え去っていく。
セト(Seth) 出身地:エジプト
大地の神ゲブと天空の女神ヌトの子。冥界の神オシリスとは兄弟である。大地を支配するオシリスに嫉妬し、これを殺害して支配権を手に入れるが、オシリスの息子ホルスとの争いに敗れて砂漠に追放された。そこで砂漠の神となり、セトの息は砂漠を渡る熱風となり人々に疫病をもたらすとされる。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。
ダゴン(Dagon) 出身地:シリア
パレスチナ西部沿岸地方に住んでいたペリシテ人に信仰されていた海の神。下半身が魚の男性の姿をしている。
ツィツィミトル(Tzitzimitl) 出身地:アステカ
古代アステカ神話に登場する暗黒の女神。マヤウェルの祖母であり、自分に無断で地上に降りたマヤウェルを引き裂いて殺した。暗闇と夜を司る神であり、朝と夕方に太陽と激しい戦いをくり帰す。また、世界を滅ぼすと人々を脅し続けた。
デミウルゴス(Demiulgos) 出身地:イスラエル
キリスト教のグノーシス主義が生んだ唯一神のまがい物。自ら造物主を名乗り、物質主義社会を築き上げた。グノーシス主義は精神を重視しており、物質社会を築いたデミウルゴスはまさしく悪の権化である。
ネルガル(Nergal) 出身地:バビロニア
バビロニアにおける冥界の王。元は天界にあって戦争と疫病の神であったが、冥界の女王エレキシュガルに見初められて、無理矢理冥界に連れて行かれた。冥界でエレキシュガルを屈服させ、代わって冥界の王となった。
バエル(Bael) 出身地:シリア
ソロモンの72柱の魔神にも数えられている魔王。シリアの主神バールが堕とされて悪魔とされたもの。東を治める悪魔の王とされ、ヒキガエルや人間など、様々な姿で地上に現れる。
バロール(Balor) 出身地:ケルト
ダナーンの神々と敵対する巨人、フォモール族の王。一睨みで人を殺す邪眼の持ち主で、普段は魔法のかかった銀のまぶたで閉ざしている。魔竜クロウ・クルーワッハを召喚し、ダナーンの王アガートラームを殺したが、自分の孫であるルーに討たれた。
パンドラ(Pandra) 出身地:ギリシア
プロメテウスが火を盗んで人間に与えたことへ報復するため、人間たちへ災いをもたらすために神々に作られた最初の女性。プロメテウスの双子の弟のエピメテウスの妻となったパンドラは災厄の封じ込められた大甕を開けてしまい、災いを世界中に解き放ってしまった。慌ててパンドラが蓋を占めたときには中には希望だけが残されていた。
ブレス(Bleas) 出身地:ケルト
ダナーンの女神エリーとフォモールの王の一人エラハの子。両親ともに美貌で知られており、その血を受け継いだブレスもまた「麗しの」と形容されるほど見目麗しい青年に成長した。ダナーンの王アガートラームが戦によって不具になると、諸人に推戴されて王になった。しかし、重税を課した上に、それをフォモールへの貢物としたために人心を失い、腕を取り戻したアガートラームによって王位を追われ、父の下へと向かった。父エラハとともに、フォモールの王バロールを説得し、ダナーンへの出兵を決意させた。
ヘカーテ(Hecate) 出身地:ギリシア
ウラヌスとガイアの間に生まれとされる女神。天界・冥界・地上の三界を司る存在であったため、3という数字に縁が深く、犬・獅子・馬の三面を持つ姿で描かれ、三叉路を好んだとされる。また、魔術にも長け、キリスト教では魔女達の女王として、冥府と魔術を司るとされた。
ベリアル(Berial) 出身地:イスラエル
地獄を治める諸侯の一人。元は力天使であり、秀麗な容姿を持ち、優雅な仕草と卓越した話術を身につけていた。法律についての権威であり、キリストを神に告訴したこともある。また、神によって滅ぼされたソドムとゴモラの街に悪行が蔓延ったのはベリアルの陰謀によるものであった。サタナエルと同一視されることもある。
ベルゼブブ(Beelzebub) 出身地:シリア
シリアの主神バールに由来する悪魔。七つの大罪の内、「飽食」を司る地獄の帝王。元は“バアル・ゼブル”(「高い館の王」)と呼ばれていたが、後に“バアル・ゼブブ”(「蝿の王」)と呼ばれるようになり、その姿も巨大な蝿の姿で描かれるようになった。配下である蝿を通じて悪疫をもたらすとされる。
ベルフェゴール(Belphegor) 出身地:シリア
元はシリアにおける発明と発見の神であり、男根と割礼を司る神ともされていた。キリスト教下においては「怠惰」を司る地獄の七大魔王の一人とされる。女性を堕落させる任務を行っていたために、女性不信になり、「幸せな結婚」というものは人間の幻想に過ぎないと主張し、それを確かめるために自ら地上を訪れ人間を観察した。
マーラ(Mara) 出身地:インド
インドにおいて、魔そのものを体現する存在。元は死の女神であり、後に愛の神カーマと結び付けられてカーマ・マーラと呼ばれた。菩提樹の下で瞑想していたブッダの前に現れて誘惑したが、逆に打ち負かされた。男性の陽物を指す隠語「摩羅」はマーラに由来するとされる。
ミトラス(Mithras) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教において契約を司っていた神。太陽神とも同一視され、ローマに伝わってからは光と戦争の神としてミトラス教の主神となった。信徒には手厚い保護を与えたが、契約を破った者や敵対する者には容赦しなかった。
メフィスト(Mephistpeles) 出身地:ヨーロッパ
16世紀の魔術師ファウストによって召喚されたとされる悪魔。地獄の大公の一人であり、その姿は直立したドラゴンのようであるとされる。様々な姿に変身することができる他、多彩な魔術を心得ており、ファウストと契約を結んでいた24年間の間にファウストの求めに応じて様々な術を行使した。契約の期限が来るとファウストの命乞いを退けてその身を切裂き、魂を地獄へと連れ去った。メガドライブ版『真・女神転生』とGBA版『真・女神転生II』にのみ登場する。
モロク(Moroch) 出身地:イスラエル
モレク、あるいはメレクと呼ばれる事もある。イスラエルにおけるユダヤ教以前の古代信仰の神の一柱であり、その名はヘブライ語で「王」に由来する。豊穣や勝利をもたらす牛頭人身のこの神は供物として、自らを祭る王の初子を求めていた。そのため、聖書の諸書においてモロクは批難され、モロク神殿のあったエルサレム郊外のゲヘナは地獄の別称ともなった。
ラーフ(Rahu) 出身地:インド
アスラの一人。神々とアスラが乳海を攪拌して不死の飲料アムリタを手に入れたとき、神に変装してアムリタを飲もうとしたが、喉に達したところで太陽と月に見つけられ、ヴィシュヌのチャクラムに首を刎ねられた。首から上が不死になったラーフは、太陽と月を恨んでしばしばこれを飲み込んだ。これが日蝕と月蝕であるとされる。仏教においては九曜の一つラゴウ星とされる。
ルキフグス(Lucifuge Rofocale) 出身地:イスラエル
正式には、ルキフォゲ・ロフォカレ。地獄の首相兼蔵相で、経済と契約に詳しい。ルシファーより魔界と物質界に存在する全ての財産の管理を任されている。
ルシファー(Rucifer) 出身地:イスラエル
「傲慢」を司る地獄の七大魔王の一人にして、全ての悪魔の頂点に立つ悪魔の王。「明けの明星」と呼ばれ、熾天使として天使の長であったが、神の座を窺って全天使の三分の一を率いて反逆した。戦いに敗れたルシファーは大地の底の氷の中に封じられているとも、地獄の業火に焼かれつづけているともいわれている。サタンや、楽園でイブを誘惑した蛇とも同一視されている。
ロキ(Loki) 出身地:北欧
北欧神話におけるトリックスター的存在。元々は巨人族であったが、オーディンに見出されてアース神族の仲間に入った。その弁舌と機転でしばしば巨人族の攻撃からアースガルズを救ったが、度が過ぎた悪戯を繰り返したために神々の怒りを買い、息子達は殺され、自身もラグナロクの時まで岩に縛り付けられた。ラグナロクが来ると、戒めより解放され、巨人族を率いて神々と戦い、ヘイムダルと相打ちになる。フェンリルやヨルムンガルド、ヘル、スレイプニルの親でもある。