龍神
大地や水など、自然が神格化された存在である龍族の中でも、特に強力な力を持っている者ども。
アナンタ(Ananta) 出身地:インド
「無限」の意味の名を持つナーガ神族の王の一人。千の頭を持ち、世界を支えているとされる。ヴィシュヌが瞑想するときはその頭上を蔽い、ヴィシュヌが眠る時はその周囲でとぐろを巻いている。一般的にはシェーシャ龍と呼ばれている。
イツァム・ナー(Itzam-na) 出身地:マヤ
マヤの最高神であるフナブ・クの息子で、トウモロコシとココアを人間に紹介し、ゴムの利用法と文字を教えた。
イルルヤンカシュ(Illuyankas) 出身地:ヒッタイト
ヒッタイトの海神。嵐の神と争い、これを破った。復讐をもくろんだ嵐の神は女神イナラシュに協力を頼み、イナラシュは人間の英雄フパシヤシュを用いて酔い潰したイルルヤンカシュを殺させた。
ウォンロン(Wongron) 出身地:中国
黄龍。陰陽五行において、土行は中央にあたり、黄色を象徴色とする。黄龍は土行の神獣であり、中央を守護する。
ヴリトラ(Vrtra) 出身地:インド
「宇宙を塞ぐ者」という意味の名を持ち、旱魃を起こすとされる悪龍。雷神インドラの宿敵であり、一旦はインドラを打ち破って、「乾いたもの、湿ったもの全てに傷つけられず、昼にも夜にも攻められない」力を手に入れたが、夕暮れ時に泡の柱でインドラに打ち倒された。
ガンガー(Ganga) 出身地:インド
ガンジス河の化身である女神。シヴァであるヒマラヤより出でて、人々にあまねく恵みを与え、全てを浄化するとされる。
グクマッツ(Gucumatz) 出身地:マヤ
マヤ神話における天地創造の神。天の神フラカンとともに水の中より山と大地と動物たちを作った。緑と青に輝く羽毛を持った海蛇の姿をしている。
ケツアルカトル(Quetzalcoatl) 出身地:アステカ
生命と豊穣を司る、風と雷の神。創造神オメテオトルの息子の一人で、テスカトリポカの弟。翼を持った蛇、あるいは白人の姿で描かれる。生者の世界である西方を支配していたが、テスカトリポカによって追放され、風とともに何処かへ去っていった。
コワトリクエ(Coatlicue) 出身地:アステカ
「蛇のスカートをはく女神」という意味の名を持つアステカの地母神。コアテペックと呼ばれる丘で苦行を行っていたが、エメラルドを飲み込んで、ケツアルカトルを生んだとされる。
ショクイン(Shokuin) 出身地:中国
燭陰。中国の霊峰・鍾山そのものとされる神。季節や気候を作り出す存在であり、瞳を開くと昼になり、閉じると夜になるといわれる。
セイリュウ(Seiryu) 出身地:中国
青龍。四方を守護する四聖獣の一で東方を守護する。。陰陽五行において、青は東を意味する木行に属する。
ティンロン(Tingron) 出身地:中国
神龍。東洋において、龍は西洋のドラゴンのような凶悪な怪物ではなく、風雨を司る水神であり、龍が出現することは瑞兆であるとされた。
パトリムパス(Patolympus) 出身地:スラブ
リトアニアの三主神の一人。海と水を司る神。龍神であるが、人の姿をとることもあり、そのときは麦の穂で作られた冠をかぶった若い男性の姿で描かれる。
ペクヨン(Pekyong) 出身地:朝鮮
白龍。朝鮮の守護神。白は朝鮮の国を表し、龍は東の方角を表す。すなわち、東の水平線から昇る太陽の光を神格化したものである。
マカラ(Makara) 出身地:インド
魚の体に鹿の頭、アントワープの足を持った聖獣。ヴァルナやガンガーはマカラを乗騎とし、その背に乗って旅をしたとされる。
マヤ(Maya) 出身地:マヤ
マヤの守護神たる大地の双頭龍。植物の育成を司り、大地に生きとし生ける者全てに恵みを与える。双頭は火と水、男と女といった相反する二つを象徴している。
ムチャリンダ(Mucalinda) 出身地:インド
仏陀が悟りを開いた菩提樹の根元に住んでいた蛇の精霊。瞑想していた仏陀が嵐に襲われたときに、その身を傘にして仏陀を嵐から守った。
ラハブ(Rahab) 出身地:イスラエル
全身が水で出来た、ユダヤの海龍。『旧約聖書』の『ヨブ記』では、ヤハウェとの戦いに敗れ、その身は引き裂かれて天の水(=雨)と地の水(=海、川)に分けられた。以来ラハブは海の支配者となった。キリスト教では、かつてはエジプトを守護していた天使であったが、神の命に従わなかったために堕天使とされた。モーゼがユダヤの民を引き連れてエジプトを脱出した際にそれを妨害しようとしたことが、神の怒りを買い、滅ぼされた。この時、神がラハブを打ったために、紅海が二つに割れたとされる。
リュウメ(Ryume) 出身地:中国
龍馬。『西遊記』で、三蔵法師一行が蛇盤山鷹愁澗(だばんさんおうしゅうかん)に到ったときに現れ、三蔵法師の馬を食べてしまった。元は西海竜王の子であり、罪を犯したために幽閉されていたが、観音菩薩が三蔵法師の乗用にするために鷹愁澗に放った者であった。以来、白馬に変じて旅の供をし、天竺より帰還した後は金竜に姿を変え、八部衆に任ぜられた。
龍王
龍神にも劣らない強さを持った龍たち。知恵の面では龍神には及ばないが、一方で個性的なエピソードも多く、人々に古くから親しまれている。
ヴィーヴル(Vouivre) 出身地:フランス
ワイバーンの原型となった、コウモリの翼を持った蛇。後に翼を持った美女の姿になった。天女のように人間と結婚できた。ラテン語で「蛇」を意味する“vipera”を語源とする。地底や城塞に財宝を守って暮らしており、ヴィーヴルの額にはまったガーネットを手に入れた人間は様々な魔法を扱う力とともに、ヴィーヴルを従えることができるとされる。
ウロボロス(Ouroboros) 出身地:ギリシア
ヘルメス・トリスメギストスの『世界の蛇』のギリシア語名。自らの尾をくわえた蛇の姿で現され、宇宙や永遠を体現している。
オトヒメ(Oto-hime) 出身地:日本
乙姫。海神の大綿津見神の娘、豊玉毘売(とよたまひめ)の事。兄の釣り針を探しにきた山幸彦に見初められてその妻となる。地上に帰る山幸彦に同行するが、子どもを産む際に、八尋鰐の姿に戻ったところを夫に見られたため、子どもを残して海中へと去っていった。
クエレプレ(Kerepres) 出身地:スペイン
海底などの洞窟に住み、財宝を守っている翼龍。若い頃は陸上の泉に住み、人間や家畜を襲ってその血をすする。クエレプレに襲われないようにするには、大麦とトウモロコシで作ったパンを供えればいい。
ナーガ(Naga) 出身地:インド
水と豊穣、生殖を司る人面蛇身の神。地下世界の最深部パータラー宮殿に住み、ディーヴァ神族とは敵対している。不死身の体と、一撃で敵を倒す猛毒を持っている。東南アジアでは安産の神として崇拝されている。
ナーガ・ラジャ(Naga Raja) 出身地:インド
ナーガ神族の中でも特に強力な力を持ったナーガの王族達の総称。ナーガ・ラジャの中でも著名なものとして、世界を支える千頭の龍アナンタや、乳海攪拌で軸棒になったマンダラ山に巻きついて縄となったヴァスキなどがいる。
ノズチ(Noduchi) 出身地:日本
野槌。地脈を司る蛇の精霊で、山中の木陰や藪の中に住んでいる。獰猛な性格をしており、人を襲って食うこともあった。元はイザナギとイザナミの娘である野の神の茅野姫(かやのひめ)であったとされる。
ペンドラゴン(Pendoragon) 出身地:イングランド
ペンドラゴンとは「竜の頭」あるいは「最大の竜」の意味である。イングランドの王ウーサー・ペンドラゴンは、ゴロア公の妻イグレーヌに横恋慕し、ゴロア公の居城を攻めたが、協力者の魔術師マーリンに龍を召喚してもらい、さらにその姿をゴロア公のものに変じて城に潜入し、イグレーヌを寝とって、戦にも勝利した。イグレーヌは後にウーサーとの間にアーサーをもうけた。
ホヤウカムイ(Hoyau Kamui) 出身地:アイヌ
アイヌの伝承における湖の主たる蛇神。“サクソモアイプ”(夏に語られぬ者)とも呼ばれる。ホヤウカムイの住む沼は“カムイト”(魔神の沼)と呼ばれ、常に酷い悪臭がたちこめており、無理に近づくと病にかかるという。一方で、巫女に神託を与えるなど、良き神としての側面も持っている。
ミズチ(Miduchi) 出身地:日本
蛟。湖や池、川など淡水に住む者の王であり、水を司る蛇の精霊。かつては水の神として崇められていたが、仏教伝来以後は邪悪な怪物とみなされることが多くなった。
ヤトノカミ(Yato-no-kami) 出身地:日本
夜刀神。頭に角の生えた蛇神。「ヤト」は「谷」を表す古語であり、その名の通り谷や沢に住んでいる。その姿を見た者の一族は滅びると伝えられている。葦原を開拓しようとした継体天王の前に現れ、開拓を中止させようとした。
ヤマタノオロチ(Yamata-no-orochi) 出身地:日本
八岐大蛇。八つの谷と八つの山を覆うほどの巨大な龍。毎年、高志(越=北陸)から出雲に来て足名椎と手名椎の娘を食っていたが、高天原より降りてきたスサノオの策略にはまって酔い潰されたところを退治された。その際に、スサノオが切り裂いたヤマタノオロチの尾から出てきたのが天叢雲剣、後に草薙剣と呼ばれる大刀である。
ユルング(Yurung) 出身地:オーストラリア
オーストラリアの原住民アボリジニの伝承に登場する、虹色に輝く体をもった蛇神。泉の底に住んでおり、泉を汚されると怒って洪水を引き起こした。『真・女神転生II』ではGBA版にのみ登場する。
邪龍
神々と敵対する邪悪な龍。河や海などの水による自然災害を象徴する。全般的に知性は低いが、強大な力を持ち、本能の赴くままに破壊を行う。
アジ・ダハーカ(Azi Dahak) 出身地:ペルシャ
ゾロアスター教における悪の権化、アンリ・マンユの息子とされる。三つの頭に三つの口、六個の眼を持ち、千の魔術を操ることができる。英雄神スラエータオナがアジ・ダハーカに立ち向かい、棍棒で打ち据えたが殺すことが出来ず、剣で突き刺すと、傷口から蛇や蠍などの害虫が溢れ出てきた。害虫が世界に蔓延することを恐れたスラエータオナはアジ・ダハーカを縛り上げて山の中に幽閉した。
アスプ(Asp) 出身地:エジプト
視線に見た者を眠らせる魔力を持った毒蛇。常に雌雄がつがいで暮らしており、どちらか一方が殺されると、必ず残った方が復讐するという。
アペプ(Apep) 出身地:エジプト
セトの化身とされる、ナイルの上流に住まう蛇神。聖なる樹の根元で太陽神ラーに突き殺された。
ヴァスキ(Vasuki) 出身地:インド
ナーガ神族の王の一人である巨大な蛇神。神々とアスラが乳海を攪拌する際に、軸棒とされたマンダラ山に巻きつけられ、頭部をアスラが、尻尾を神々が持って引き回した。苦しんだヴァスキは毒を吐き散らし、世界は危うく汚染されるところであった。
ウワバミ(Uwabami) 出身地:日本
蠎蛇。山奥に住み、丸く平らな顔に光る大きな目を持った大蛇。一般にはニシキヘビのこととされる。また、民話などでは大酒飲みとされ、人間の酒飲みの代名詞にも使われている。
キヨヒメ(Kiyo-hime) 出身地:日本
真砂で巡礼のための宿を営んでいた清重という男の娘。熊野へ巡礼に行く途中の若い僧、安珍に一目惚れし、求婚する。安珍は願を掛けている事を理由にこれを断るが、帰路に再び立ち寄り、清姫と添い遂げることを約束する。しかし、安珍は約束を破り、別の道を通って帰ろうとした。いくら待っても来ない安珍を待ち焦がれた清姫は病を得て死んでしまうが、安珍に恋焦がれる執念が蛇に化身して安珍の後を追って熊野まで行き、さらに安珍の通った帰路を追いかけていった。これを怖れた安珍は紀州川辺の道成寺に逃げ込み、鐘の中に隠れた。怒りのあまりに体を燃え上がらせた清姫は鐘に巻きつき、鐘は赤く焼けてしまい、安珍は蒸し殺されてしまった。この話は『今昔物語』に収録されたものであるが、能や歌舞伎の題材にも取られ、特に歌舞伎の『京鹿子娘道成寺』は有名である。
キングー(Kingu) 出身地:バビロニア
バビロニアの月の神。ティアマトがマルドゥークらを滅ぼそうとした時に、ティアマトより『天命の書板』と呼ばれる法律を刻んだ石板を与えられ、軍の指揮官に任ぜられた。戦に破れたキングーは殺され、知識の神エアの提案により、キングーの血から人間が作り出された。
クロウ・クルーワッハ(Crom-Cruach) 出身地:ケルト
フォモール神族の王バロールによって召喚された嵐と闇をまとう死の龍。ダナーンの王アガートラームと彼の妃であるバイブ・カハ三女神の内マッハとネヴァンを殺すと、クロウ・クルーワッハは自分の住む異界へと帰っていった。
コカトリス(Cockatrice) 出身地:ヨーロッパ
雄鶏が産んだ卵をヒキガエルが抱いて暖めると生まれる。その姿は蛇の尾と四本足を持った雄鶏で、目を合わせたものを石化させる力を持つ。
サーペント(Serpent) 出身地:ヨーロッパ
海に巣食う巨大な龍。知性は低いが強大な力を持っており、通りすがりの船を沈めることもある。
タクシャカ(Taksaka) 出身地:インド
ナーガ神族の王の一人で、最も狡猾といわれる蛇神。雷神インドラとは宿敵である。
タラスク(Tarasque) 出身地:フランス
獅子の頭部と、刺の生えた甲羅に六本の足、先端がスペード型になった尾を持つ竜。毒の息を吐き、その糞は空気に触れると燃え上がった。子どもを喰らうことと、若い女性を犯すことを好み、周辺の村人を苦しめたが、聖女マルタに退治された。
チョトンダ(Chotonda) 出身地:中国
猪豚蛇。宋代に目撃された、体長三尺ほどで全身に毛の生えた蛇の化け物。豚のような鳴き声をあげ、チョトンダに噛まれると瞬く間に命を落としたといわれるが、軍人にして呪術者の成俊に退治された。
ティホン(typhon) 出身地:ギリシア
ガイアとタルタロスが交わって生れた怪物。山ほどもある巨体のあちこちから蛇の頭をはやし、絶えず目からは炎を噴き出している。オリンポスの主神ゼウスと戦い、一度は敗れてシリアまで逃れたが、追ってきたゼウスを返り討ちにして、ゼウスの持つ黄金の鎌と手足の腱を奪い取った。その後、ゼウスの策略によってその力を弱体化させられると、シシリア島の下敷きとされ、ティホンの噴く炎はエトナ火山の炎となった。
トゥナ(Tuna) 出身地:ポリネシア
ポリネシアの神話に登場するウナギの姿をした龍。人間の少女ヒナを恋人にしていたが、やがて飽きられて、ヒナの新しい恋人の英雄神マウイに退治された。殺されたトゥナの頭から最初のココヤシの樹が生えてきたとされる。
トウビョウ(Toubyou) 出身地:日本
四国、中国地方に伝わる蛇の憑き神。トンベ神、トンボ神とも呼ばれる。土製の瓶に入れられ、人間と同じ者を飲み食いする。飼い主が恨みを持つ者の所に送ると相手を苦しめることができる。トウビョウを大事に世話をすると、家に富をもたらすが、粗末に扱うと飼い主にも襲いかかった。
ニーズホッグ(Nidhoggr) 出身地:北欧
死者の国ニブルヘイムにあるフヴェルゲルミルの泉に住まい、世界樹イグドラシルの根を食い荒らす蛇たちの首領。死者の肉を喰らい、その血をすする。世界樹の梢に住む鷲フレスベルグとは不倶戴天の敵同士である。
ハクジョウシ(Haku-joushi) 出身地:中国
白娘子。千年間修行を積んで強大な神通力を得た白蛇の精。人を食う残虐な妖怪であるとされるが、後代の物語では、人間の男性に恋をして献身的な愛を捧げるが、妖怪とばれてしまい調伏されてしまう悲劇のヒロインにされるようになった。
バジリスク(Basilisk) 出身地:エジプト
砂漠に住む生き物の王。周囲を荒野に変えるほどの毒の息を吐き、目を合わせたものを石化する邪眼を持つ。また、その血は猛毒であり、バジリスクを傷つけた者の命を奪うとされる。
ピュートーン(Python) 出身地:ギリシア
ギリシアの大地母神ガイアより生まれた巨大な龍。予言の力を持ち、デルフォイの託宣所を支配して、巫女ピュティアに神託を与えていたが、ゼウスの命を受けたアポロに殺された。
ファブニール(Fafnir) 出身地:北欧
北欧の叙事詩『ニーベルンゲンの指輪』に登場する邪悪な龍。弱点の心臓を突かれてジークフリートに退治される。その血を浴びた者は不死となり、心臓を食べた者は鳥の言葉を理解し、この世で一番の賢さを身に付けるとされる。
腹中虫(Fukuchu Mushi) 出身地:不明
悪魔の腹の中に住む魔界の寄生虫。『真・女神転生if…』では、魔神皇によって邪神オーカスに姿を変えられた軽子坂高校校長の腹の中に出現した。
フンババ(Humbaba) 出身地:メソポタミア
『ギルガメッシュ叙事詩』に登場する杉の森に住む一つ目の巨人。シュメール語の原型ではフワワと呼ばれる龍蛇で、「その叫び声は洪水、その口は火、その息は死」と語られている。英雄ギルガメッシュと親友のエキンドゥによって倒された。
ミズガルズオルム(Midgardrorm) 出身地:北欧
ヨルムンガルドとも呼ばれる巨大な蛇。ロキと巨人族の女アングルボザとの間に生まれ、フェンリルとヘルとは兄弟にあたる。大地の周りに広がる大海の中で大地を囲んで自らの尾をくわえ込んでいる。ラグナロクでは父とともにアースの神々と戦い、トールに打ち殺されるが、ミズガルズオルムの毒を受けたトールもまた死亡し、相打ちとなった。メガドライブ版『真・女神転生』とGBA版『真・女神転生II』にのみ登場する。
ムシュフシュ(Mushussu) 出身地:バビロニア
シュメール語で“怒れる蛇”という意味。ティアマトが生み出した、蛇の体に獅子の前足、鷲の後ろ足に蠍の尾を持ち、角と翼を生やしている。ティアマトにしたがってマルドゥークらと戦ったが、戦いに敗れた後はマルドゥークに従い、神殿の守護者になった。
ヤム(Yamm) 出身地:シリア
ウガリットの神話に登場する水神。水と海を支配しており、自分こそが世界の支配者たらんとしてバールと争ったが、バールに敗れた。
ラドン(Ladon) 出身地:ギリシア
エキドナがテュポンと交わって産んだ百の頭を持つ龍。ヘスペリデスの園にある黄金のリンゴを守護していた。ヘラクレスの12の難業の一つがこのリンゴを手に入れることであり、ヘラクレスはラドンの弱点である喉を矢で射抜いて退治した。
リヴァイアサン(Leviathan) 出身地:イスラエル
『旧約聖書』の『ヨブ記』などに登場する巨大な海獣。レビアタンとも呼ばれる。巨大なワニの姿をしており、海の混沌を象徴している。キリスト教においては七つの大罪の内、「嫉妬」を体現する悪魔だとされている。
ワーム(Worm) 出身地:ヨーロッパ
古語では蛇やミミズなどを表す。翼や手足を持たずに地中に住んでいる。元来は大地の精の一種であったが、時代が下るにつれ、愚鈍な龍の化け物とされるようになった。
ワイアーム(Wyrm) 出身地:ヨーロッパ
翼を持った蛇の姿をしているが、その特性はドラゴンに近く、ドラゴンの亜種だとされる。ドラゴンに比べると知能は低く、獣と同程度の知能しかない。
ワイバーン(Wyvern) 出身地:ヨーロッパ
ドラゴンの一種であるが、前足がなく、尾の先端が針のようになっている。イギリスなどではドラゴンなどとともに紋章によく描かれていた。