1.神族


魔神
 世界各地の神話の中核に位置する神々。様々な神々の指導者的な立場にあり、それを可能にするだけの実力とカリスマ性を持ち合わせている。

アガートラーム(Airget-lamh)  出身地:ケルト
 ケルトの神々“トゥアハ・デ・ダナーン”の王であるヌァザの異名で、「銀の腕」という意味である。光り輝く剣“クラウ・ソナス”を手に戦ってきたが、先住民族である“フィル・ヴォルウ”との戦いにおいて、片腕を失い、王位から退く。その後、医術師のディアン・ケトと細工師のクレズネによって、銀製の義手を代わりにつけていたが、ディアン・ケトの息子ミアッハがヌァザの腕を再生したため、王位に返り咲いた。巨人族“フォモール”との戦いにおいて、フォモールの王バロールが放った死の竜クロウ・クルーワッハによって倒された。

アシュター(Ashuter)  出身地:シリア
 「恐るべき者」の異名を持つ、ウガリットの軍神。主神であるバールの座を窺うが、失敗する。『聖書』においては、バールの妻アスタルテと混同され、魔王アスタロトとされる。

アタバク(Atavaka)  出身地:インド
 阿咤縛迦と漢音で記される。毘沙門天配下の八大夜叉明王の一人で、明王や鬼神の総司令官。仏陀入滅の際には夜叉や阿修羅、龍などを集め、仏教に帰依することを誓わせた。

アポロ(Apollp)  出身地:ギリシア
 ギリシア神話の主神ゼウスとティターン族の娘レトとの間に生まれた子。月の女神アルテミスとは双子である。生まれてすぐに父神ゼウスより竪琴、弓矢、白鳥の引く車を授かり、音楽と弓矢と神託を司る神となった。その後、デルフォイの託宣所に住まう悪竜ピュートーンを退治し、そこの主として巫女ピュティアに託宣を授けた。

アメノトリフネ(Ame-no-torifune)  出身地:日本
 天鳥船神。死したる者の魂を運ぶ神。また、神々の使者でもある。独立した一己の神とも、神々の乗る乗り物であるともされる。

アメン・ラー(Amun Ra)  出身地:エジプト
 エジプトの神話における至高神にして太陽神。天空の神アメンと太陽神ラーが融合した存在。

アルダー(Aldernalisubara)  出身地:インド
 正しくはアルダーナリシュヴァラと呼ばれる。シヴァ神と彼の妃であるパールヴァティの合体した姿であり、右半身はシヴァ、左半身はパールヴァティの物である。ヒンズーの神話ではシャクティ(性力)への崇拝が盛んであり、シャクティを力の源泉とするシヴァとパールヴァティの融合体であるアルダーナリシュヴァラはシャクティの最高の状態を象徴している。

インティ(Inti)  出身地:インカ
 インカの太陽神。天空の星々を支配する神々の王であり、人類の創造者でもある。豊穣の女神であるパチャママを妻としている。

インドラ(Indra)  出身地:インド
 インドの雷神。ヴァジラと呼ばれる金剛杵あるいは三又戟を武器とし、暴風神ルドラ神群を率いる武神でもある。白象アーラーヴァタを乗騎とし、旱魃をもたらした悪竜ヴリトラを退治した。アーリア人の著した叙事詩“リグ・ヴェーダ”に収められた神々への讃歌の約四分の一はインドラへの讃歌であったが、ヒンズー神話に取り込まれるにしたがって次第に優位を失っていった。仏教では仏法の守護者である帝釈天となった。

ヴィシュヌ(Vishunu)  出身地:インド
 ヒンズー神話における三大神の一柱で、維持を司る。法螺貝、チャクラム、棍棒、蓮華をその手に携え、鳥族の王ガルーダを乗騎とする。十のアヴァターラ(化身)として現世に降臨し、人々を救済するとされる。
 ・マツヤ(Matsuya)=世界を覆う大洪水が発生したときに、人間の始祖となるマヌを乗せた船を髭に結び付けてヒマラヤへと導いた大魚。
 ・クールマ(Kluma)=ヒンズーの神々とアスラが乳海攪拌を行う際に、軸棒としたマンダラ山をその背に乗せて支えた大亀。
 ・ヴァラーハ((Varaha)=アスラのヒラニヤークシャが大地を海中に引きずり込んだ際に、海中に入ってヒラニヤークシャを倒し、大地を引き上げた猪。
 ・ナラシンハ(Nrisnha)=ラクシャーサの王ヒラニャカンプが、自分の息子がヴィシュヌを崇拝することに怒り、息子を殺そうとしたときに現れ、ヒラニヤカンプを退治した獅子の頭を持つ人間。
 ・ヴァーマナ(Vamana)=悪魔バリに奪われた天・空・地三界の支配権を奪回するために、ヴィシュヌは矮人となってバリの前に行き、自分が3歩歩くだけの土地を与えよといった。バリがそれを許すと、ヴィシュヌは元の姿に戻り、3歩で三界を歩き、支配権を奪回した。
 ・パラシュラーマ(Parashurama)=民衆とバラモンを守るために現れ、傲慢な王族を掃討してバラモンの地位を確立した。
 ・ラーマ(Rama)=神にも悪魔にも殺されることの無い悪魔の王ラーヴァナを倒すためにコーサラ国の王子へとヴィシュヌは転生した。叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公。
 ・クリシュナ(Krsna)=ヴァスデーヴァとデーヴァキーの間の子として生まれ、マトゥラー地方を支配していた悪王カンサを倒し、平和を取り戻した。叙事詩『マハーバーラタ』の主人公。
 ・ブッダ(Buddha)=民衆に反バラモン的な教えを広めて堕落させた後に、改めて正しい道へと導く。
 ・カルキ(Kalki)=末法の世である“カリ・ユガ”に利剣を持ち、白馬に乗って現れ、世界を救う。

ヴィローシャナ(Vairocana)  出身地:インド
 ヒンズーの神々と敵対するアスラ族の王。サンスクリット語で「偉大なる」という意味の「マハー」を冠して“マハーヴィローシャナ”とも呼ばれる。仏教においては大日如来、あるいは毘廬舎那と呼ばれ、物質だけでなく、魂までも照らす光を放つとされる。

ヴォルカヌス(Volcanus)  出身地:ローマ
 鍛冶の神で、発明と職人の守護者。ギリシア神話における技術の神ヘパイトスのラテン語での呼び名。

オーディン(Odin)  出身地:北欧
 北欧神話の中核をなすアース神族の主神。最初の巨人イミルを殺害し、イミルの体から世界を創造した。様々な姿に変じる魔術を心得ているが、つば広の帽子をかぶった片目の老人の姿で現れることが多い。知恵の泉の水を飲むために片目を巨人ミミールに与えたが、その目は目に見えない冥界を見つめている。世界樹に自分の体を九日九晩吊るして、魔力を秘めたルーン文字を手に入れた。魔術師であるが、同時に戦士の守護神でもあり、来るべきラグナロクの時に備えて勇敢なる戦士の魂を自分の館であるヴァルハラに集めている。

オシリス(Osiris)  出身:エジプト
 エジプトにおける冥界の神。元々は豊穣神であったが、弟であるセトの姦計にはまって殺害された。妻であるイシスは引き裂かれたオシリスの体を集めてミイラとした。これ以降、オシリスは死者の神として冥界にあることとなった。

オモイカネ(Yatsugokoro Omoikane)  出身地:日本
 八意思兼神。知恵の神であり、高天原の知恵袋的存在。天照大神が天岩戸に隠れた際には、天照大神を天岩戸から引きずり出すための知恵を出している。

カルキ(Kalki)  出身地:インド
 →ヴィシュヌ

ギョクコウジョウテイ(Gyokukou Joutei)  出身地:中国
 玉皇上帝。玉帝または、天公とも呼ばれる。。もとは妙楽国の王子で、のちに天上界の皇帝となった。宋代以降は道教における最高神格として扱われた。

クリシュナ(Krsna)  出身地:インド
 →ヴィシュヌ

クロノス(Cronus)  出身地:ギリシア
 大地の女神ガイアと天空の神ウラヌスとの間に生まれたティターン族の末弟。母ガイアに唆されてウラヌスの男性器を切断した。父に代わって天界の王となったクロノスは姉妹であるレイアと結婚し、ハーデスやポセイドンなどを設けるが、生まれた子を次々と己の腹の中に飲み込んだ。これは、クロノスが自分の息子によって打ち負かされて、王位を奪われるという予言を受けていたためであり、唯一難を逃れたゼウスによって、飲み込んだ子ども達を吐き出させられた。

スーリヤ(Surya)  出身地:インド
 インドの太陽神。3つの眼と4本の腕を持った金髪の人間として描かれている。7頭の馬に牽かせた黄金の馬車で天上の道を駆け抜けている。

セイメンコンゴウ(Seimen Kongou)  出身:日本
 青面金剛。神道と仏教、儒教が混合されて作り上げられた仏教の神。庚申の別称である。元々は悪疫を流行させる鬼神だったが、後に病魔退散の加護をもたらすようになった。日光東照宮で有名な「不見猿、不聞猿、不言猿」の三猿は青面金剛の従者である。

ダグダ(Dagdha)  出身:ケルト
 ケルト神話の父なる神。非常に享楽的な神であり、小太りで愛嬌のある姿をしているが、怪力の持ち主で、彼の使う棍棒は8人がかりでないと持ち上がらない。また、大食漢であると同時に、好色漢でもあり、フォモール族との最終決戦の直前にはこの二つの特徴が功を奏して、フォモールの軍勢の進軍を遅らせることに成功した。

ツクヨミ(Tsukuyomi)  出身地:日本
 月読命。黄泉より帰還したイザナギが穢れを払うために禊ぎをし、右目を洗った際に生まれた神。夜の世界と、月を管理する。

トート(Thoth)  出身地:エジプト
 エジプトの知恵の神。犬の頭を持ったヒヒの姿で描かれる。セトとホルスがオシリスの後継を争った際には、冥界にいるオシリスに手紙を書き、ホルスに後を継がせた。

ナントセイクン(Nanto Seikun)  出身地:中国
 南斗星君。人間の寿命を司る神。この神に供え物をすると稀に寿命を延ばしてもらえることがある。北斗星君と対になる存在。

ニヨルド(Njordr)  出身地:北欧
 オーディンたちアース神族と敵対していたヴァン神族の王。アース神族と講和した際に子どもであるフレイとフレイアとともに人質としてアース神族の下へ行った。そこでは“ノアトゥン”と呼ばれる館に住んでいたが、ラグナロクには参加せず、娘のフレイアとともにヴァン神族の国へ帰るとされている。

バール(Baal)  出身地:シリア
 シリアの主神。その名はずばり「王」の意味である。至高神エルあるいは海神ダゴンの息子とされ、豊穣神であると同時に雷神でもある。弟で死の神であるモトと熾烈な戦いに勝利し、地上の支配権を得た。ユダヤ教、キリスト教では悪魔に堕とされ、バエルやベルゼブブ、ベルフェゴールの原型となった。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。

バアル・アバター(Baal Avatar) 出身地:シリア
 “avatar”とは神の化身や権化の意味であり、バアル・アバターはその名の通り、シリアの主神バールの化身である。

フドウミョウオウ(Fudou Myouou)  出身地:インド
 不動明王。仏法を守護する五大明王の中心であり、八大明王の一人。

フナブ・ク(Hunabu Ku)  出身地:マヤ
 マヤの至高神。不可視、不可触の存在である。イツァム・ナーの父。

フラカン(Hurakan)  出身地:マヤ
 マヤの神で、その名は「奔放で制御しがたい力」という意味である。

プロメテウス(Prometheus)  出身地:ギリシア
 ティターン族の神で、その名は「先見」の意味を持つ。オリンポスの神々と人間が生贄の牛のそれぞれの取り分を決める際に、人間の味方をして神々を欺こうとした。その報復として神々は人間より火を取り上げて隠したが、プロメテウスは火を盗み出して人間に与えた。その罰として、コーカサス山頂の岩に縛り付けられ、ヘラクレスに助け出されるまで毎日鷲に肝臓をついばまれていた。

ヘルメス(Hermes)  出身地:ギリシア
 ゼウスとアトラスの娘マイアの間に生まれた神。神々の伝令役にして、旅人と霊魂の案内者で、商業の守護神である。また、窃盗の神でもあり、生まれたその日に揺り篭から抜け出してアポロの飼っていた牝牛を五十頭盗み出した。

ベロボーグ(Belobog)  出身地:スラブ
 スラブの神で、「白い神」という意味である。「黒い神」チェルノボグと対になる存在であり、それぞれが善悪二元論における神と悪魔の役割を担っていたと思われる。

ホルス(Hols)  出身地:エジプト
 オシリスとイシスの息子。オシリスがセトに殺害されると、オシリスの後継をセトと争った。最終的にはオシリス自身がホルスを後継者として指名したことで決着がついた。

マナナン(Mananann macLir)  出身地:ケルト
 大海の王であるリルの息子で、妖精の王にして魔術師。光明神ルーグの育ての親であり、彼にドルドナの幼名をつけて育て、成人した際には様々な魔法の品を与えて送り出した。

マハーマユリ(Maha-Mayuri)  出身地:インド
 毒蛇をも喰らう孔雀が神格された存在で、ありとあらゆる害悪を取り除く神。仏教においては孔雀明王とされ、同様にあらゆる害悪を排除してくれる。

マルドゥーク(Marduk)  出身地:バビロニア
 バビロニアの主神。知恵の神エアの子。ティアマトが神々を滅ぼそうと戦を起こしたときに、神々を指揮してその軍勢を打ち破った。ティアマトの体から世界を作り上げ、大地の支配者となった。

ラー(Ra)  出身地:エジプト
 エジプトの太陽神。ナイル河下流域で主として信仰されていたが、中流域の王国に支配されるようになるとその力を失っていた。後に天空神アメンと融合し、アメン・ラーとして、神々の王とされた。

ルーグ(Lugh)  出身地:ケルト
 “輝ける者”の名を持つ全知全能の神。ダナーンの王族で医術の神ディアン・ケトの息子キアンと、フォモール族の王“邪眼の”バロールの娘エフネの間に生まれ、生まれてすぐにマナナンに預けられ、ドルドナ(全知全能)と名づけられて育てられた。成人すると、マナナンから白馬アンヴァルと魔剣フラガラッハを始めとする魔法の品を授かり、ダナーンへと帰還した。当時フォモールの支配下にあったダナーンで、フォモールの徴税官を殺害し、ダナーンとフォモールの戦端を開いた。戦争においては総司令官に任ぜられ、バロールを討ち取りダナーンに勝利をもたらした。戦争の後、戦死したダナーンの王アガートラームの後を継いでダナーンの王となった。


女神
 慈愛をもたらす女性の神々。その多くは美しい姿をしており、人間のみならず神々からも崇拝されている。

アナト(Anat)  出身地:シリア
 バールの妻にして妹である豊穣の女神。バールがモトに殺害されると、アナトは自ら冥界に赴き、モトを打ち倒した。これ以降、アナトは誕生と死を司る神となった。

アマテラス(Amaterasu)  出身地:日本
 天照大神。黄泉より帰還したイザナギが禊ぎをした際に洗った左目より生まれ出でた。太陽神として、高天原を治めた。弟のスサノオの乱暴を嘆いて天岩戸に隠れ、世界を暗闇に閉ざした。伊勢神宮の祭神であり、天皇家はアマテラスの子孫とされる。

アメノウズメ(Ame-no-uzume)  出身地:日本
 天宇受売命。神に捧げる神楽舞を司る女神。アメノウズメが天岩戸に隠れたアマテラスを外に誘い出すために激しく舞い踊り、服が乱れるのを見た神々は喝采し、岩戸の外の様子を不審に思ったアマテラスが外を覗き見ようと隙間を開けたところをタヂカラオが引きずり出した。

アルテミス(Artemis)  出身地:ギリシア
 ゼウスとレトの間に生まれた女神で、アポロの双子の妹。先に生まれ出でたアルテミスは後に出てくるアポロのための助産婦の役割を果たしたことから、出産の守護者としても崇められる。また、純潔たる処女神であると同時に狩猟の女神でもあり、彼女自身ニンフを供として狩猟をして暮らしている。

イザナミ(Izanami)  出身地:日本
 伊邪那美命。イザナギとともに天より降りて国作りを行ったが、始めに行った交合に失敗して生まれ出でた水蛭子は海に流された。その後改めてやり直し、日本の島々や神々を生み出したが、火神ヒノカグツチを生んだ際に陰部を焼かれて死んでしまった。黄泉の国に迎えに来たイザナギに醜く変じた己の姿を見られたイザナミは、ヨモツシコメやヨモツイクサを追手として差し向けたが取り逃がしてしまう。

ヴィーナス(Venus)  出身地:ローマ
 ギリシア神話の美と愛の女神アフロディテのローマでの呼び名。。クロノスに刈り取られたウラヌスの男性器が海に落ち、そこから漏れ出した精液が泡として湧き出で、その中より生まれ出でた。

ヴェルザンディ(Verthandi)  出身地:北欧
 →ノルン

ウシャス(Usasu)  出身地:インド
 太陽神スーリヤの恋人である暁の女神。スーリヤに先んじて東天に現れ、暗黒を払い生類を目覚めさせる舞姫。

ウルズ(Wurd)  出身地:北欧
 →ノルン

エルズリー(Erzulie)  出身地:カリブ
 ヴードゥー教の愛の女神。戦いの英雄オグンを始めとする3人の夫を持ち、生の短さと愛の儚さを嘆きながらも、贅沢に暮らす。

エロス(Eros)  出身地:ギリシア
 ギリシア神話における愛の神。元々はガイアやニュクスなどと同様に原初に出でた神であったが、アフロディーテがオリンポスの神々に迎え入れられる際に従者として従ったことから、後代の神話ではアフロディーテの息子とされるようになった。

クシナダヒメ(Kushinada Hime)  出身地:日本
 櫛名田比売あるいは奇稲田姫。オオヤマツミの息子足名椎と手名椎の娘。ヤマタノオロチに生贄として捧げられそうになったが、高天原を追われたスサノオに救われる。その後、スサノオと結婚し、須賀に宮を構えて暮らした。『真・女神転生II』ではGBA版にのみ登場する。

サティー(Sati)  出身地:インド
 ブラフマーの孫にして、シヴァの最初の妻。夫であるシヴァと父ダクシャの不仲を嘆いて自殺した。後にパールヴァティへと転生して再びシヴァの妻となった。

サラスヴァティ(Sarasvati)  出身地:インド
 インドの西北部にあった河の女神。弁舌と学問、音楽の女神であり、琵琶を手にした美しい女神として描かれる。仏教では福徳財宝の神である弁財天となり、七福神の一人にも数えられている。

シフ(Sif)  出身地:北欧
 アース神族の雷神トールの妻。女神の中で最も美しい金髪を持っていたが、ロキに全て剃り落とされてしまった。怒ったトールに恐れをなしたロキは、ドヴェルガーに黄金でできた髪を作らせてシフに贈り、トールの怒りをといた。

スカアハ(Scathacha)  出身地:ケルト
 若き英雄たちに試練を与える影の国の女王にして戦いの女神。クー・フーリンの師匠でもあり、彼に魔槍ゲイボルクを与えた。

スクルド(Skuid)  出身地:北欧
 →ノルン

テンセンニャンニャン(Tensen Nyannyan)  出身地:中国
 天仙娘々。河北地方で崇拝されている女神。泰山を神格化した東岳大帝の娘とされる。人間の幸福全般に関する願いをかなえる。

トラソルテオトル(Tlasorteotl)  出身地:アステカ
 アステカの大地と愛の女神。不浄なものを喰らう悪の女神で、テスカトリポカに連なるものともされる。西洋の魔女のようにホウキにまたがった姿で描かれることもある。

ナキサワメ(Nakisawame)  出身地:日本
 泣沢女神。火神ヒノカグツチを生んで死んでしまったイザナミを思って泣いた、イザナギの涙より生まれた女神。

ナンナル(Nannar)  出身地:シュメール
 シュメールの月の女神。アッカド語ではシンと呼ばれ、三日月によって象徴される。

ノルン(Norn)  出身地:北欧
 世界樹イグドラシルの根元にある運命の泉に住まう女神三姉妹。イグドラシルの世話己が役目とし、神々すらも逆らえぬ運命を司る。
 ・ウルズ(Wurd)=ノルンの長女。過去と運命を司る。
 ・スクルド(Skuld)=ノルンの次女。現在と存在を司る。
 ・ヴェルザンディ(Verthandi)=ノルンの三女。未来と必然を司る。

パールヴァティ(Parvati)  出身地:インド
 “山の女”の意味を持つシヴァ神の妃。神々の中で最も美しく、温和な性格である。

ハトホル(Hathor)  出身地:エジプト
 豊穣を司り、愛と結婚の守護者でもある。雌牛によって象徴される。戦いの女神セクメトはハトホルの化身とされる。

パラスアテナ(Pallas Athena)  出身地:ギリシア
 単にアテナとも呼ばれる。ゼウスと知恵の女神メティスの娘だが、出産前にゼウスはメティスを自分の腹の中に飲み込んでおり、パラスアテナは甲冑をまとい、武器と盾を持ってゼウスの頭より生まれ出でた。これはパラスアテナが戦いの女神であると同時に知恵の女神であることも示している。また、ゼウスに代わって英雄たちに援助を与えている。

フォルトゥナ(Fortuna)  出身地:ローマ
 人々に運命をもたらす女神。特定の人物に幸運と成功を、その他の人間に不運と失敗を与えるとされる。英語で幸運を意味する“fortune”の語源である。

フレイア(Freyja)  出身地:北欧
 北欧神話で最も美しく奔放な女神。元々はヴァン神族の女神であったが、講和の証として父ニヨルド、兄フレイとともにアース神族に人質とされたが、アース神族の神々に魔術をもたらし、祭司に任ぜられた。その美貌のためにしばしば巨人族に狙われた。

マイア(Maia)  出身地:ギリシア
 天空を支える巨人アトラスの娘。ゼウスと交わりヘルメスを生んだ。

マソ(Maso)  出身地:中国
 媽祖。中国南部の福建省を起原とする女神。航海を守護しており、華僑によって広められ、中国本土のみならず、台湾やマレーシアなどでも信仰されている。

ラクシュミ(Laksmi)  出身地:インド
 不死の飲料アムリタを得るために神々とアスラが乳海攪拌を行ったときに、泡の中より生まれ出でヴィシュヌの妻となった。常にヴィシュヌの側に寄り添い、ヴィシュヌが化身したときにはラクシュミもまた化身した。幸運と繁栄を司り、仏教では吉祥天と呼ばれる。


秘神
 各地の神話で性的なもの、秘められたものを司る神。そのため神話に表立って現れることは少ない。

アメノフトタマ(Ame-no-futotama)  出身地:日本
 天太玉命。占いや神事を司る神。大和朝廷で神事を執り行った忌部氏の祖神とされる。『日本書紀』においては日本の祖神である高御産巣日神であるとされる。

エビス(Ebisu)  出身地:日本
 恵比須あるいは水蛭子。七福神の一人。イザナギとイザナミが国作りのために交合しようとしたときに、女性であるイザナミの方から先に声をかけたために生まれた不具の子。生まれてすぐに海に流し棄てられた。

カーマ(Kama)  出身地:インド
 ヒンズーの愛の神で、随一の美男。鸚鵡に乗り、甘藷の弓と五本の花の矢を持つ。この矢に射られた者は恋情をかき立てられる。シヴァの苦行を邪魔したためにシヴァの第三の目から発せられた光によって焼き殺された。

カンギテン(Kangi-ten)  出身地:インド
 歓喜天。シヴァとパールヴァティの間に生まれた象頭の神ガネーシャが仏教に取り込まれた姿。和合の神とされ、二体の象が抱き合った姿で描かれる。

カンバリ(Kanbari)  出身地:日本
 加牟波理入道。便所の不安を取り除いてくれる神様。人に姿を見られることを嫌うため、便所に入る前には必ず咳払いをしなければならない。

キンマモン(Kinmamon)  出身地:琉球
 琉球神道において最高神とされる精霊。ニライカナイより渡来して琉球王朝を守護した。

ネコショウグン(Neko Shougun)  出身地:中国
 猫将軍。人々に予言をもたらす道教の神。元々はベトナムを征服した毛将軍と呼ばれる人間であったが、「毛」と「猫」の発音が同じであったために誤読されたことから誕生した。

ビリケン(Billiken)  出身地:日本?
 尖った頭が特徴の少年の姿をした神。商売繁盛と金運の神であり、大阪の通天閣に祀られている。元々はアメリカの女流作家がデザインしたものである。

フクロクジュ(Fukurokuju)  出身地:中国
 福禄寿。七福神の一人。南極寿星の化身たる仙人。福(幸運)、禄(金運)、寿(長寿)の三徳をもたらす神。

ホテイ(Hotei)  出身地:
 布袋。七福神の一人。中国の高僧で、弥勒菩薩の化身といわれた布袋和尚が神格化されたもの。

マツオサマ(Matsuo-sama)  出身地:日本
 松尾様。松尾神社の祭神で大山咋神(おおやまくいのかみ)ともいう。ウカノミタマの弟にあたり、弓矢と戦の神であると同時に、酒の神でもある。

ヤリーロ(Yarilo)  出身地:スラヴ
 白馬にまたがり、右手に人間の頭を、左手に麦の穂を持った女神。春と豊穣、愛欲を司る。


威霊
 主神に匹敵する実力を持った神でありながら、様々な理由により神話の中核に入ることが出来なかった神々。

アリラト(Alilato)  出身地:アラビア
 アラビアの太古の母神。同じ名の四面の柱が神体として崇められている。

アルビオン(Albion) 出身地:イギリス
 アルビオンとは、グレート・ブリテン島の古名であり、ケルト人の来航以前の神であるとされる。その正体については定かではないが、ギリシア神話の海神ポセイドンとその正妻であるアンフィトルテの間に生まれた子どもであり、グレート・ブリテン島を支配した巨人のことであると言われている。

オメテオトル(Ometeotl)  出身地:アステカ
 アステカの創造神。“中心にいるもの”や“環の中にいるもの”とも呼ばれる男女同体の神。天国へと通じる十三段の階段の最上段に住んでいる。

ハチマン(Hachiman)  出身地:日本
 八幡神、八幡大菩薩とも。起源となった神ははっきりしないが、応神天皇とする説が有力である。弓矢の神であり、源氏の氏神として尊崇を受けていたが、源氏が政権を握った鎌倉時代以降、武家全体の尊崇を受けた。

ヒューペリオン(Hyperion)  出身地:ギリシア
 ガイアとウラヌスが交合して生まれたティターン神族の神。テイアとの間にヘリオスやセレネなどを設けたが、オリンポスの神々との戦いに敗れ、他のティターンとともにタルタロスに幽閉された。

ブラックマリア(Black Maria)  出身地:ヨーロッパ
 聖母崇拝と、古代の地母神信仰が融合した黒い聖母像。ヴードゥー教ではイエスは黒人奴隷を解放する存在であり、その母たるマリアも黒い肌を持つとされている。

マリア(Maria)  出身地:オリジナル
 『真・女神転生NINE』に登場。メシア教の神を象徴であり、ネオ・メシア派における絶対的存在。黄金の鎖を持った黒衣の女性の姿で描かれている。


神霊
 創造者たる神の分身、あるいは創世神話においてその身を引き裂かれて世界を作り上げられた原初の神々。

アプスー(Apsu)  出身地:バビロニア
 混沌の中より出でた淡水を表す男神。ティアマットと交わり多くの神々を生むが、騒々しく動き回る神々に腹を立てこれを滅ぼそうとしたが、逆に敗れて殺害された。

エロヒム(Elohim)  出身地:イスラエル
 多神教時代のユダヤにおいては太陽神であり、知恵を司っていた。一神教であるユダヤ教が成立する過程において唯一神に取り込まれ、その別名とされるようになった。

九頭竜(Kuzuryu)  出身地:中国
 風水において竜は地脈の象徴であり、九頭竜は最も巨大な地脈として世界をその背に乗せている。

シャダイ(Shaddai)  出身地:イスラエル
 唯一神の分身にして、月と霊魂を司る存在。

ツァバト(Zabaot)  出身地:イスラエル
 自然界に存在するエーテルが具現化したもので、一にして万たる存在。

ティアマット(Tiamat)  出身地:バビロニア
 混沌の中より出でた海水を表す女神。マルドゥークとの戦いでは多くの異形の怪物と指揮官たる神キングーを生み出した。戦いに敗れると、真っ二つに裂かれて一方は天空に、もう一方は大地にされ、両目はチグリス、ユーフラテス二つの川の源とされた。『真・女神転生』ではメガドライブ版にのみ登場する。


造物主
 ユダヤ教及び、それを源とする宗教において世界を作り上げた創造神。

Y.H.V.H.  出身地:イスラエル
 『聖書』において、混沌より全てを創造した神。秩序を司る神であるが、同時に混沌そのものでもあるとされる。

Y.H.V.H.(偽)  出身地:オリジナル
 『真・女神転生II』において、メシア教の中心であるセンターを支配する四大天使によって作り上げられた造物主の偽者。




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