File2.享楽の宴
File.2-1 異変
今回、住川みすずのプレーヤーが用事で参加できなかったために、阿弥華のプレイヤーの友人であるTさんが急遽参加することになった。
長瀬 智久(ながせ・ともひさ) 今年(2000年)に倭西高校に入学したばかりの1年生。園芸委員会所属。小柄ではあるが、体力・敏捷性に秀でており、悪魔との戦闘においてはその敏捷性を生かした剣術を使用している。 また、自衛隊の士官に知人がいるらしいが、その関係は不明である。 |
今回が初参加のプレイヤーがいるので、改めて自己紹介を行った上で、プレイ開始となった。
GM「では、始めましょうか。現在は6月下旬の放課後です」
洵「もうすぐ期末テストじゃん」
みさき「図書室で当番をやってます」
GM「で、つばささん。最近、君の《腐れ縁の友人たち》の一人、萩原怜の様子がおかしい」
つばさ「怜ちゃんが? 相変わらずバンドに狂っていると思っていたのに・・・」
GM「そのはずなんだけど、電話をかけても出ないし、顔を合わせてもボーッとして心ここにあらずみたいな感じだね」
つばさ「えぇ〜〜(情けなさそうな声)。凪に聞きに行ってみる。『ねぇ〜凪ぃ、怜ちゃんが変なんだけど、どうしちゃったのぉ?』
GM「凪の方でも、理由は知らないらしい。以前からバンドの練習で帰りは遅かったんだけど、最近はそれだけではないみたいらしくて、帰りが遅くなったり、休日も遅くまで部屋で眠りつづけているそうだ。
洵「これは尾行だね」
つばさ「メジャーデビュー控えているのにぃ〜。みさき君に泣きつくぅ〜」
みさき「声かけても何も答えてくれないの?」
GM「というか、生返事ばっかりだね。それに、学校が違うから他のメンバーは多分面識ないよ」
みさき「バンド仲間とかには聞いたの?」
つばさ「ボク面識ないのぉ〜」
みさき「バンドしかやってないの?」
つばさ「他に趣味ないよ(きっぱり)」
みさき「前の事件のときに、どこかのバンドが悪魔を召喚しようとしてるって言ってたじゃん、それと何か関係あるのかな?」
つばさ「どうだろう?」
みさき「ということで、情報源の押井先輩のところに押しかけちゃおう!(笑)」
GM「放課後だけど、まだ学校にいる?」
慧瑠「いや、多分もういないぞ。学校終わったらそのままバイクに乗ってとっとと帰っちゃうよ。家横浜だから」
つばさ「うわぁ先輩〜〜〜!!!」
みさき「じゃあ、とりあえず、PC教室に行って、先輩宛にメールを送っとく」
つばさ『先輩助けてぇ〜〜〜!!」』
阿弥華「何をどう助けて欲しいのか書きなさいよ(笑)」
慧瑠「『内容をちゃんと書いてメールよこせ、こん畜生』って返信(一同笑)」
みさき「横でちゃんとした内容のメールを書いて送ります。『つばさの知り合いの様子が何かおかしいらしくて、その人はバンドをやってるんだけど、それ関係の情報がこの間ありましたよね』」
慧瑠「んー、確かに兄貴の知り合いがバンドやってるけどさ」
GM「やっぱり、微妙に話がずれ始めてる(笑)」
みさき『とりあえず、先輩今どこにいるんですか?』
慧瑠『家』
みさき『今から行ってもいいですか?』
慧瑠『別に良いけど、来れるの?』
みさき『場所教えてください』
慧瑠「じゃあ、住所だけ書いて送ってあげよう。最寄駅は関内ね」
みさき『関内から徒歩何分?』
阿弥華「電話しろよっ!!」
みさき『関内についたら電話するので迎えにきてください』
慧瑠『りょーかい』
みさき「で、二人で行く?」
GM「じゃあ、PC教室を出たところで、偶然智久と出会ったということにしましょう。一応すでに顔見知りということで」
つばさ「やぁ〜(泣きそうな声)」
智久「先輩が泣いてますけど、何かあったんスか?」
みさき「いや、ちょっとね。この子の友達の様子がちょっとおかしいらしいんだけどさ」
智久「先輩のほうの様子もおかしいと思うんスけど(一同爆笑)」
つばさ「ひどいよぉ〜」
みさき「なんか、大事な友達らしいから。で、これから押井先輩のところに情報収集しに行くんだけど」
智久「面白そうだから一緒に行きます」
つばさ「面白いって言うなぁ〜」
智久「この先輩がどうなったら落ち着くかっていうのも見てみたいし」
みさき「じゃあ、司書の先生に早退しますって言ってから行きます」
智久「ちょっと、雑草当番を交代してもらわなきゃいけないんで、言って来ます」
みさき「じゃあ、テコテコと行くけど、電車代減らしたほうがいい?」
GM「いや、前もってパスネットを買ってあるという事にしておきましょう」
みさき「では、関内の駅についたら電話をします」
慧瑠「これこれこう行ったら着くから、来い」
みさき「・・・って言ってるけど、どうする?」
つばさ「僕、方向音痴なのぉ〜」
GM「じゃあ、+20のボーナスで知力チェックに成功したら覚えられたということにしよう」
つばさ&智久「成功」
みさき「だめだった」
GM「なら、無事に迷うことなく着いたよ」
みさき「迷ったら電話しますねって言ってたんだけど、迷わずに着いちゃったんだね」
GM「1階がカフェバーになっていて、地下1階がライブハウスになっている。っで、2,3階が住居になっている」
みさき「じゃあ、家の玄関のほうに行って、チャイムを鳴らすよ。こんにちはー」
慧瑠「あいよ。とりあえず俺の部屋まで行くか」
智久&みさき「おじゃましまーす」
相変わらず平常じゃないつばさをなだめすかしながら、何とか慧瑠に事情を説明する。
慧瑠「じゃあ、兄貴の知り合いに聞いてみるか」
GM「慧瑠が、加護チェックの+10修正に成功したら、いることにしよう」
慧瑠「よっ・・・クリティカル」
GM「おおぅっ、じゃあ、ばっちり下のライブハウスで練習中だったらしい」
つばさ「ここで、マトモな人がいてくれるといいんだけどね」
GM「じゃあ、メンバーの誰がいたか1D10を振って決めよう」
慧瑠「ほい・・・10」
GM「有馬だね」
つばさ「おぉ〜! マトモだ!!」
慧瑠「みんな連れて地下まで降りてくよ」
みさき「どうも、先日はお世話様でした」
GM『よう、こんなトコで会うなんて珍しいな』
慧瑠『ちょっと、コイツの話を聞いて欲しいんですけど』
つばさ『怜ちゃんがぁ〜!!』
慧瑠『・・・説明します。コイツの幼馴染の怜ってヤツがバンドやってるらしいんですけど、最近おかしいらしいんですよ。それで、最近そういうことが他にもないかバンドやってる人に聞きに来たんですけどね』
GM「ちなみに、なんてバンド名?」
つばさ「決めてなかった・・・」
みさき「リュ○フェル?」
阿弥華「それはマズイって!」
つばさ「それだけは絶対ご勘弁願いたいな」
GM「じゃあ、ミカエル?」
つばさ「ガブリエルだっ!」
GM「そのまんまじゃアレだからジブリールにしておきましょう」
つばさ「そうだね」
慧瑠『“ジブリール”ってバンドでやってるそうですよ』
GM『ジブリールねぇ・・・バンドそのものについてはメジャーデビューが近いって事くらいしか知らないけど、所属するプロダクションの社長がどうも怪しいみたいなんだよな』
智久「ジャ○ー?」
つばさ「いやぁ〜っ!! やめてぇ〜〜〜っ!!!」
GM「そういう方向で怪しいんじゃないっ!」
洵「違うのぉ〜?」
GM「違う。そこの社長が裏で色々と怪しいことをやっているらしいんだ。後、そのプロダクションの名前は“エム・プロデュース”で、社長の名前は加々見錦(かがみ・にしき)。“Bloody
Angel”という人気バンドのボーカルもやってる現役アーティストでもある」
慧瑠「コテコテな名前だな」
GM「では、学校に残っている教師2人の方に話を振るけど、デビルバスターをやってる職員の職員会議が始まるよ」
阿弥華「どんなことやるの?」
GM「基本的には、定例報告会みたいなものだけど、最後にこの近辺にメシア教会とガイア神殿が勢力を伸ばしてきているけど、できるだけ余計なトラブルは避けるようにと注意をされたよ」
つばさ「ようするに、正当防衛は構わないけど、こっちからは喧嘩を売るなってこと?」
GM「後、メシア教会が大和の駅のそば、ガイア神殿は町田の駅の近くに、それぞれ支部を作ったそうだよ。だから、その近辺では特に気をつけるように」
阿弥華「要は、新手の宗教団体が出てきたから、あまり関わり合いになるなってことでしょ?」
GM「まあ、そんな所だな」
GM「で、ライブハウスの方に話を戻すけど」
慧瑠「じゃあ、部屋に戻って情報収集でもするかな」
つばさ「怜ちゃんのところに行くぅ〜」
みさき「この子連れて帰りますけど、他に何かできることあります?」
慧瑠「できることねぇ〜。バンドのメンバーとか、周辺の人への聞き込みかな」
みさき「分かりました。とりあえず今日はこの子連れて帰ります」
慧瑠「俺はネットで調べてみるか」
智久「同じ学年のミーハー系の娘に聞いてみます」
阿弥華「あ、そうだ。PC教室に行って、慧瑠宛に『メシア教会とガイア神殿に喧嘩を売らないように』ってメールを打つよ」
GM「一番喧嘩を売りそうな人が言うかっ!」
慧瑠「メールを受け取って思うこと『あの先生にだけは言われたくねぇな。アンタの方が気をつけろって感じだよな』住川先生からならまだ分かるけど、御影先生に言われると何か癪に障るんだよな」
阿弥華「失礼なっ!」
慧瑠「じゃあ、ネットと《有能な情報源》でジブリールのメンバー、特に怜の近況に関する情報を集めてみるよ」
GM「あまり馴染みのないジャンルの情報だから、【パソコン通信】に−10の修正で判定して」
慧瑠「ほいっ・・・成功」
GM「なら、メンバーの一人がホームページを開いていたのを見つけたよ」
慧瑠「どんなことが書いてあるの?」
GM「とりあえず、各メンバーの紹介とか、ライブの予定とかだね」
慧瑠「その辺を全部チェックしておく。後は何かあったかな・・・? そうだ、メシア教会とガイア神殿の事もついでに調べておこう」
GM「それなら、修正なしで【パソコン通信】の判定をして」
慧瑠「成功」
GM「どうやら、どっちもホームページを開いていたらしい」
慧瑠「表に出ているような情報しかないだろうけど、この近辺の活動拠点とかを調べるよ」
GM「メシア教会は東京・神奈川では、本部が渋谷で、支部が品川・横浜・大和にあるね」
阿弥華「金持ちだね〜」
GM「宗教法人で非課税だから」
洵「なるほどね」
GM「他には『毎週日曜日にミサを行っているので興味のある方は一度いらしてみて下さい』みたいなことが書いてあるね」
慧瑠「ガイア神殿のほうは?」
GM「ガイア神殿は、特に本部みたいなものはないけど、都内では池袋・上野。神奈川では川崎・横浜・鎌倉・小田原辺りで、あと町田に新しく出来たそうだ」
慧瑠「あ、あとエム・プロデュースについても調べておかないと・・・修正なしなら成功」
GM「うん、大丈夫。とりあえず分かるのは、設立は2年前。始めは社長である加々美錦のいるBloody
Angelだけだったけど、積極的にアマチュアバンドの発掘を行って業績を伸ばしているそうだ」
慧瑠「Bloody Angelにジブリールだろ? 悪魔関係の人間からしてみると何か関係してるんじゃないのかって疑っちゃうよね」
GM「で、会社のホームページの方には所属アーティストの情報とか、新譜の案内とかあって、新人アーティストの紹介の中にジブリールの名前があったよ」
慧瑠「《有能な情報源》に加々美錦についての情報を聞くよ。怪しい人物らしいけど、何か知らないか?」
GM「一応重要人物として、それなりにマークしていたらしいね。無料で教えてもらえる情報としては、芸能プロダクションの社長をやってるって事と、自分も現役のアーティストって事に加えて、裏で何かやってるみたいだ」
つばさ「人身売買!?」
GM「いや、そういう系統じゃなくて・・・」
智久「やっぱりアレなんだ。『ユーたちは明日から関西ボーイね』(←ジャ○ー氏の真似らしい)
GM「それはもういいって。少なくとも男色趣味はないそうだ」
つばさ「それさえわかれば大丈夫ぅ〜」
みさき「とりあえず、怜ちゃんの貞操の危機は去ったわけね」
つばさ「貞操って言うな〜!!」
GM「むしろ、女好きの部類に入るらしい。・・・だからといって、ロ○コンなわけでもないからな」
みさき「じゃあ、何が怪しいの?」
GM「どうも、悪魔と何らかの繋がりがあるらしい」
慧瑠「悪魔とのつながりねぇ、面倒くせぇなぁ〜」
GM「もっと詳しく調べるなら金と時間が掛かるけど」
慧瑠「金は出すから調べておいてくれ」
GM「他の人たちは何か今晩中にすることある?」
みさき「晩御飯食べながら、とりあえず、ライブ情報とかを明日先輩に聞こうとか考えてる」
智久「携帯のメモリに入ってる女の子に片っ端から電話をかける」
つばさ「メソメソしながら凪に電話をかける。『凪ィ〜、怜ちゃんトコのバンドの人たちの名前と、次の集まる日教えて〜』
GM「すると、他のメンバー4人の名前を教えてくれたよ。で、次の木曜日に集まって練習するらしい。今日は月曜日ね」
つばさ「怜ちゃんまだ帰ってきてないの?」
GM「まだ。最近は帰りが遅いらしい」
つばさ「やっぱりぃ〜〜。わかったありがとぉ〜」
GM「他の人は?」
洵「そっちで起こってる事何にも知らないから、のんびり帰ってるよ」
阿弥華「ヒマだから町田に行ってガイア神殿の様子でも見て来る」
慧瑠「行くなっ!」
阿弥華「ダメェ〜?」
慧瑠「ダメだって。君には理事長から不用意に町田や大和に近づかないようにって注意されてるから。きっと」
阿弥華「なんか、本当に言われてそう(笑)」
洵「で、会議の終わったあと、『いいか、お前の命をかけても止めろ』って言われるんだよ」
・腐れ縁の友人たち
キャラクターの背景情報の一つ。特定の技能を1レベルで持つ友人のネットワークを有する。
・萩原怜(はぎわら・れい)
つばさの《腐れ縁の友人たち》の一人で幼馴染。つばさとは別の高校に通っている。凪(なぎ)は怜の妹で、つばさと同じ倭西高校に通っている。
・パスネット
昨年秋から関東の主な私鉄で利用が開始されたプリペイドカード。切符を買わずにそのまま改札に通せるので便利である。
・リュ○フェル
実際に同名のバンドがあるらしい。原作が少女漫画のアニメとのメディアミックスで始まったTVアニメとリンクして現実に結成されたそうである。
・ジャ○ー
ホ○疑惑のある某大手芸能プロダクションの社長のこと。
・メシア教会
唯一神を崇めるロウサイドの宗教団体。
・ガイア神殿
カオスサイドの宗教団体で、悪魔との共存を提言している。