File3.召魔の少女
File.3-1 真夏の果実
今回もみすずのプレイヤーが所用で不参加だったため、今回は5人でのプレイとなった。
GM「はい、というわけで夏休みです。学生諸君は赤点を取らなかったかどうか学生用の特技で判定してください。最終的に威力が5以下だったら赤点ということで補習になります」
慧瑠「【一夜漬け】に成功。威力も大丈夫」
みさき「【ペーパーテスト】が成功で、威力も5を超えたから赤点じゃなかった」
つばさ「【ペーパーテスト】失敗・・・威力4・・・赤点〜〜(泣)」
GM「(笑)じゃあ、つばさは夏休み最初の1週間は補習漬けだったということで」
阿弥華「何が赤点だったのかな?」
GM「さあ?(笑)」
慧瑠「体育じゃないの(笑)」
阿弥華「じゃあ、あたしの蹴りを受けて立ってられたら補習免除ということで(笑)」
つばさ「やめて〜、死んじゃう〜〜〜!」
GM「まぁ、つばさの補習も無事に終わったということにして。一応夏休みなんですが、この学校では不測の事態に備えて各デビルバスターのチームごとに当番制で学校待機をすることになっています」
慧瑠「ほぅ」
みさき「他にすることがないんならコンピューター室でパソコンいじってます」
つばさ「あ、ボクもボクも」
阿弥華「んー、宿直室で昼寝」
洵「体育会系は部活やってるだろうから保健室で怪我人の手当て」
慧瑠「俺もコンピューター室にいるかな」
GM「なるほど。では、昼過ぎぐらいに理事長室から呼び出しがあったよ」
つばさ「きたきた」
慧瑠『はいよ、なんですか?』
GM『仕事だ』
阿弥華「どんな?」
GM「“ケイ”という新人女性アーティストの護衛」
つばさ「“ケイ”?」
みさき「どんな人なんですか?」
GM「詳しいプロフィールまでは知らないけど、今年の7月にデビューした歌手で、デビュー曲が6月に終わった人気ドラマの最終話の挿入歌になって、オリコン初登場1位なったということはみんな聞き覚えがある」
洵「それはなかなか将来有望ですな」
GM「で、彼女が今週の土日に横浜アリーナでライブをやるんだけど、その警備を頼みたいということだそうだ」
つばさ「デビューしたてでアリーナって凄くない?」
GM「うん、その辺は事務所の社長の手腕に依るところが大きいらしい」
洵「ちなみに、その社長って・・・?」
GM「加々見錦じゃないよ」
慧瑠「あっそう。でも何でわざわざ俺らに?」
GM「別に悪魔絡みの事件じゃなくても、こういう仕事を引き受けて日銭を稼いでいるのだよ。そうそう悪魔絡みの事件が頻発しているわけじゃないからね」
つばさ「なるほどね。で、報酬は?」
GM「一人頭30万円」
慧瑠「オッケー」
GM「で、詳しい話は明日会場近くのホテルに泊まっているマネージャーに直接聞くように」
慧瑠「なんてホテル?」
GM「新横浜プリン○ホテル」
みさき「あ、護衛するのは横浜だけでいいの?」
GM「うん、他のところでは現地調達するらしいよ。他に聞くことがなければなければ一気に明日まで飛ばすけど?」
慧瑠「その“ケイ”についてネットで調べてみるけど」
GM「では例によって【パソコン通信】のチェックをしてくれ」
慧瑠「ほいよっと、成功」
GM「事務所のホームページに公開されているデータによると、年齢、身長、体重などは非公開。国は書いてないけど、帰国子女であるとのことだ」
慧瑠「うーん、その事務所ってのはどんな事務所?」
GM「結構有名な歌手やらタレントやらを抱えている事務所で、慧瑠も名前ぐらいは聞いたことがある」
慧瑠「なら事務所自体も結構有名なんだな」
GM「そうだね。あと何かする人はいる? いなかったら今度こそ次の日にするけど」
GM「はい、ということで次の日です」
つばさ「新横浜か、そうだ、押井先輩車で迎えに来てくれない?」
慧瑠「やだよ、何でわざわざ遠回りしてかなきゃいけないんだよ」
つばさ「ちぇっ、しょうがないから電車で行きます」
みさき「あ、僕も」
GM「教師二人は?」
つばさ「てゆーか、二人ともどこに住んでるの?」
GM「二人とも学校の近くにある寮に住んでるよ。男子寮と女子寮があって、それぞれ教師と生徒の一部が住んでいる」
洵「じゃあ、女子寮のほうに御影先生を迎えに行ってから電車で行く」
阿弥華「迎えにこられた」
慧瑠「あれじゃないの? 生徒には二人でデートだとか思われてるんじゃないの(笑)」
阿弥華「やめて〜、ちゃんと婚約者いるのに〜〜〜!」
つばさ「え!?」
みさき「いたの?」
GM「いたんです。クズノハでデビルバスターをやっています」
洵「そいつは知らなかった〜」
GM「ま、とにかく全員時間どおりに集合したということで」
みさき「じゃあ、マネージャーさんに会いに行きます」
GM「ほいよ。では指定された部屋に行くとマネージャーと思われるスーツ姿の30代ぐらいの男性が待っていたよ」
洵「こんにちわー」
GM『お待ちしていましたよ』
慧瑠「はいはい、で、詳しい話を聞かせて欲しいんですけど」
GM「だいたいは昨日聞いたとおりなんだけど、ガードするのは基本的にはコンサート会場内だけでいいということだそうだ。あと、事を荒立てないためにもみんなにはアルバイトのスタッフのふりをしてもらいたいと言っている」
慧瑠「ほぅ、まぁ確かにそれが無難だな」
つばさ「じゃあ、スタッフジャンバーとか貰えるの? あ、夏だからTシャツか」
GM「まぁ、貰えるんじゃないかな」
つばさ「やったぁ〜」
慧瑠「ちなみに、俺らにわざわざ護衛を頼むようなことがなんか今までにあったの?」
GM「うん、横浜の前に博多で一回ライブをやったんだけど、その時会場周辺で怪しい人影を見かけたので、用心のために護衛を頼んだそうだ」
つばさ「追っかけとかストーカーとかじゃなくて?」
GM「どうもそういったものとは違うような雰囲気だったらしい」
慧瑠「ふーむ、狙われるような心当たりはあるんですか?」
GM「芸能人とはいえ、デビューしたてだから、特にこれといった心当たりはないそうだ」
つばさ「まぁ、そんなもんかな?」
GM「じゃあ、金曜日にアルバイトのスタッフ向けの説明会があるので、それにも出席して欲しいそうだ。で、アルバイトの責任者には君達のことを話しておくから行動の自由については心配しなくてもいい」
慧瑠「了解。じゃ、そういうことで」
みさき「あ、そうだ。一応会場を下見しておかない?」
慧瑠「そうだな、行ってみるか」
GM「じゃあ会場である横浜アリーナに着いたよ」
みさき「中には入れそう?」
GM「扉は閉まってるから無理じゃないかな」
慧瑠「とりあえず今日は外を一回りするぐらいでいいんじゃん?」
みさき「そうだね、じゃあ、会場に沿ってぐるっと回ってきます」
阿弥華「じゃあ、反対側から回る」
洵「それに付いていきます」
慧瑠「その辺うろついてる」
つばさ「駐車場の隅に座ってる」
GM「おい・・・、まあいいや。(数回ダイスを振る)・・・つばさ君、君が駐車場の隅に座っていると1人の男が目についたよ」
つばさ「お?」
GM「黒ずくめの服を着た男で、駐車場に止めてあった車に近づくと中にいるらしい相手となにやら話をしている」
つばさ「その車のナンバーは見える?」
GM「加護チェックをしてみて」
つばさ「失敗」
GM「他の車の陰になってて見えなかった」
つばさ「携帯で他のみんなを呼ぶ」
GM「OK。では他の方々にはそういう連絡が着たけど」
みさき「じゃあ、そっちに行くよ」
阿弥華「ダッシュで行く」
洵「それを追っかける」
慧瑠「とりあえず行ってみますか」
GM「ではまず最初に阿弥華と洵が到着した」
つばさ「あの車だよって教える」
阿弥華「どんな車なの?」
GM「え・・・」(←考えてなかった)
つばさ「黒のスカイ○イン、スモークガラスつき(笑)」
慧瑠「それは怪しい!(笑)」
阿弥華「なにそれ?」
つばさ「昔の刑事ドラマで犯人がよく乗ってるようなヤツ」
阿弥華「ああ、なるほどね」
GM「で、しばらく様子を見ているとその黒いスカイ○インは男を乗せて走り去っていくけど」
つばさ「げ、ナンバー確認できない?」
GM「じゃあ、今度は知力でチェックを」
3人ともチェックに失敗し、ナンバーは確認できなかった。そして、そこに遅れて慧瑠とみさきが到着した。
みさき「で、怪しい車ってどれ?(笑)」
慧瑠「そんなのいないじゃん。見間違いじゃないの?(笑)」
つばさ「いたんだってば〜」
結局、さして得る物もなく、一行は横浜アリーナを後にした。
注釈
・学生用の特技
『別冊 FSGI』第2号(スザクゲームズ刊)に掲載されたルールで、試験の際にこの特技の判定に成功することでいい成績が取れるというもの。
慧瑠の【一夜漬け】や、つばさとみさきの【ペーパーテスト】などが含まれる。