毎週土曜日(除祝日)午後2時〜5時 |
| 「がんの悩み電話相談室おかやま」は平成8(1996)年9月28日に会員会費・寄付等により運営するボランティア組織として開設されました。 設立時は、“がん=死”と一般的に認識されており、がんに罹患した本人・家族の底知れぬ不安の大きさに加え、告知・治療法の選択・療養上の事柄など、重要な判断を迫られても、情報は少なく、ましてや最新情報を入手する方法も困難な現状がありました。一方医療現場でも同じことを痛感しており、医療スタッフ『緩和ケア研究会』のメンバーを中心に検討を重ねこの電話相談の設立にたどりつきました。 設立当初から、電話相談だけでなく、がんの知識・情報の提供やさらには、同じ体験を持つ方々の語らいの場も必要と考え3本の柱@『電話相談』A『ホスピスボランティア講座おかやま』(第16期から『がんと緩和ケアを学ぶ会おかやま』に名称を変更しています)B『がんの患者と家族のためのクラブ「並木ひろば」』を現在まで続けています。 設立時から平成20年まで代表を務めた永瀬正巳は、「医療現場でインホームド・コンセントが十二分にでき、電話相談が不要になれば・・・」と口癖のように言ってきました。確かに今は、がんに関する様々なイメージは大きく変化し、開設当時とは比較にならないほどインホームドコンセントやセカンドオピニオン・患者のQOLという言葉が普通に聞かれるようになり、最新情報も手軽に入手できるようになりました。“がん=死”でもなくなりました。ただ、“がん=完治”でもない理不尽な不安や苦悩と長期間付き合うことになりました。どんなに報道機関が、がんに関する特集を組んでも、療養・治療形態も選択肢がさまざまになっただけ、さらにその最新情報が求められるようになったことは設立当時と変わりはありません。「がんの悩み電話相談室おかやま」が企画する講座の内容は、設立当初、がんの痛みの緩和に重点を置いていましたが、今は外来治療・在宅療養など、色々な角度から“がん”を学ぶ内容に変わってきました。 これからも、「がんの悩み電話相談室おかやま」の趣旨にご賛同いただいた会員・電話相談や講座や並木ひろばなどでお知り合いになった皆様方とともに歩んでいきたいと思っています。 |
| 〜 ことばによるふれあいのあとに生まれるもの〜 がんの悩み電話相談室おかやま室長 田中 紀章 大学を退職し、今は鳥取市の病院に勤めています。 週末は岡山の自宅で過ごすのですが、日曜日は急行列車で鳥取に帰ってこなければなりません。 深夜、一人食卓に腰を下ろし、お茶を入れながらため息をつくのがきまりですが、そんなときラジオから聞こえてくるのが「日曜名作座」のドラマです。 思えば学生時代からこの番組を時々聴いていました。 昔は森繁久弥さんと加藤道子さんのお二人でしたが、今は西田敏行さんと竹下景子さんです。 二人の会話につれて時間がながれ、物語の世界に誘われます。 いつしか私自身が二人の会話の中にひきこまれ、わたしの心はいわばことばの鏡のように二人の会話をなぞっています。 竹下さんの言葉に反応したり、西田さんのことばにうなずいたりしています。 そして短い時間が終わりますと、わたしの心に何かしら空間のようなものが生まれ、孤独になじんでくるのを感じるのです。 それにしても、不思議ですね。 体の動きも、顔の表情も何も見えないのに、人物の心の動きが実によく伝わってきてさすが俳優の演技力と感心するのですが、その伝わり方には、ひたすら聴くだけのラジオの方がテレビなどよりずっと深いものがあります。 電話相談というお仕事には、ラジオドラマの働きのような働きがあるのでしょうね。 ただ、電話相談には最初シナリオがありません。 ことばによるふれあいの一期一会なのでしょうか。 でも、会話が終わったあと、たがいの心の中に、小さな物語が芽生えていることと想像いたします。 |