大荒れの臨時議会

2月5日、緊急経済対策として「地域の活性化と生活対策」のための予算とし、15億7千万円余りの補正予算を審議するため臨時議会が招集されました。市当局は臨時議会を午前中に終わらせる予定でした。前日と前々日の常任委員会の協議会が開かれました。臨時議会のリハーサルといってもいいような審査が行われました。正式な委員会でないにもかかわらず3つの委員会では審査内容をもとに委員長報告がまとめられました。本番の委員会を前になんとしても午前中に議会を終わらせてしまいたいとの強い意向が感じられました。それにしても何という議会軽視ではないでしょうか?

当初の予定では昼食休憩に食い込んで12時30分から午後3時まで2時間30分に及ぶ会派への行政説明が予定されていたのです。私の所属する建設企業委員会において、私は協議会の委員長挨拶にまず噛みつきました。委員長曰く「今日の協議会において議論を尽くしていただき臨時議会当日の委員会はスムーズに進めていただきたい」と。委員長の職権で協議会は開催できます。当局の言うがままに運営される議会日程。本会議の日程については私が委員長を務めている議会運営委員会が決定しますが、委員会はその範疇ではありません。この経過については2月5日議会開会前に議長に直接訴えました。「まあまあ、そう怒らずに」議長の言葉になおさら苛立ちました。議会と当局との力関係を痛感しました。

そして臨時議会が開会しました。市長挨拶に続き副市長の提案説明があり、委員会付託となりました。私が所属する建設企業委員会においてもリハーサル通りに(協議会と全く同じ説明が続き、少しだけ違う質疑が行われました。)でも時間は既に11時20分過ぎ。別の委員会においても委員長報告のまとめに手間取り、12時に議会を終えることは絶望的。11時50分。ここで350円の弁当を食べる。議事調査課長から本会議へ意見書を提出したい会派があり、議会提出議案について協議するため議会運営委員会を開きたいとの連絡を受ける。そして、12時10分から議会運営委員会を開く。国への意見書を求める意見書の内容は「定額給付金のような一時的給付・手当は国民の理解を得られにくいことから、今後は長期的視点に立って国民の声を反映した生活支援等のために施策に取り組むことを求める」というもの。

議会運営委員会は紛糾しました。臨時議会における付議事件の要件を満たすのは緊急性。一次的には提案者:これは意見提案者。二次的には議会:これが議会運営にあたります。提出者は緊急性があると主張し、反対の会派は緊急性は無いと言い張る事態となりました。かみ合わない議論は約1時間に及びました。シナリオの無い議論の展開にいささか動揺しました。そして、「最終案は本会議の上程は見送るものの、委員長報告への討論の締め切りは既に過ぎているが、特例として、本会議において意見書の提出についても討論できる」との委員長提案を行い、委員の了解を得ることができました。大荒れの議会運営委員会となりました。

そして再開された本会議において委員長報告に対して、意見書の上程が見送られたことに異をを唱える内容の反対討論でありながら賛成討論を2名が行いました。そして内容も賛成の文字通りの賛成討論を公明党の1名が行いました。最終的に議案は提案通り全員賛成で可決されました何とも疲れた臨時会はこうして閉会となりました。