議会報への賛否掲載と請願者の意見陳述

本会議における一般質問も大詰めを迎えている。明日10日の午前中の2人の質問を残すのみとなった。今日の議会運営委員会において私から二点について発言させてもらった。一点は議会報編集委員会委員長として「議会報への議案・請願の賛否の掲載について」である。開かれた議会をめざす議会改革の一環として議会報は既に質問者の会派名と氏名を掲載を実現した。一昨年、議会報編集委員会副委員長として直接かかわることができたのである。(同じ年に議会運営委員会副委員長として実現にはかなりの紆余曲折があり苦労したことが懐かしく感じられる)また、議会基本条例にも「議案に対する議員の賛否を公表する等議会が保有する情報の提供に努めなければならない」と情報公開の推進が謳われている。議会報改革の第2弾が「議会報への議案・請願の賛否の掲載」なのだ。

一票を投じた議員が議案や請願に対し、賛成したのかあるいは反対したのか選挙民にとって関心の高いテーマだと思う。会派制をとっている長野市議会においては会派が統一して賛否を示すため、賛否掲載は会派ごとになる。(無所属議員は個人別に表記する)例外的に会派内で賛否が分かれることも想定される。現実に改選前の4人で構成していた旧市民ネットはよく賛否が分かれていた。(私がその張本人であったのだが)議会報編集委員会としての報告をさせてもらった。保守系会派から二点に亘り疑義が示された。一つは賛否の意思を保留し、退席した場合の表記方法である。保留と表記してはと提案したが、退席の方が分かりやすいのではないかとのこと。「退席は行為の表現であり賛否の意思を示さず退席したのだから賛否については保留ではないか」と主張したが、多数の理解を得ることができなかった。先進市議会の事例を調査することになった。もう一つは賛否が分かれた場合の表記方法だ。賛成者の数、反対者の数まで表記するのかについて議論があった。次回の議会運営委員会(13日)までに再度検討することになった。

そして、二点目の発言は「請願者の意見を委員会において求める機会を設けること」についてである。昨年9月に制定された議会基本条例第12条には「委員会は、請願の審査に当たって必要があると認めたときは、その提出者の意見を聴く機会を設けるものとする」と謳われている。議会基本条例は議員の不祥事から議員の役割・責務を再認識するとともに市政発展へ寄与することを決意して急遽制定された条例だ。時間が足りないと私は主張した。市民への公聴会などの手順が省かれてしまった。議会・議員の自己満足であってはならない。床の間の掛け軸であってはならないと思うからだ。

その意味で、機会を設けること自体は良いことだが、ベクトルが議会から市民に向かっている上、議会の上から目線だ。市民から即ち請願者が議会に対するベクトルが必要だ。他市においては、それが実現している。松本市、須坂市、小布施町などだ。今回、総務委員会に「長野市役所第一庁舎及び市民会館を壊さず使い続けることを求める請願」が提出されている。議会運営委員会では、総務委員会で判断すべきとされた。ベクトルについては議運で一石を投じることができたと思う。

翌日の昼休みに急遽開かれた総務委員会において、多少の議論はあったが請願者を総務委員会に招致することが決まった。いずれにしても請願者が委員会において請願趣旨を説明するとともに意見を述べることができる初めてのケースだ。市民会館の権堂地区への建設に反対の立場である私にとっても大変興味深い展開である。とにもかくにも当日(16日)の総務部の審議が待ち遠しい。