福島社民党党首街頭演説・警護の裏話

6月6日、日曜日。福島社民党党首はNHKの日曜討論で各政党の代表者のリレートークにNHK長野放送局から出演後、午前11時10分から長野駅前ロータリーにおいて街頭演説を行った。夏日となり大変日差しの強い中、200人近い聴衆を前に「みずほ節」は絶好調であった。沖縄の普天間基地移設問題、政権離脱の経緯、そして参議院選挙。40分近い演説を社民党の街頭宣伝車の上からエネルギッシュに行った。150センチをわずかに越えるだけの小さな体のどこにあの元気があるのか?政治家のアドレナリンに驚愕する。

5月28日。普天間基地の移設先として名護市辺野古が明記された閣議決定への署名を拒否し、福島消費者・少子担当相を罷免された福島党首は5月30日の全国幹事長会議で政権離脱を決定した。社民党の1丁目1番地である平和と基地問題。筋を通した今回の決断は当然の決断である。

大臣である福島党首が長野に来るの昨年の11月1日の全国護憲集会に続いて2回目である。大臣には身辺警護にSPが2人付く。そして長野中央署の警備も付く。今回の来長も罷免前に決まっており、現場での警察・駅との打ち合わせを行い、新幹線からの動線、松本行きの特急しなのへの動線を確認するとともに駅ローターリーにおける車の停車位置、カラーコーンを用意しての通行者の通路確保など綿密な打ち合わせを行い万全を期していたのである。

ところがである。大臣の罷免によりSPが付かない。中央署の警備もなくなった。現金なものである。かくして、党首の身辺警護は社民党で責任をもって行わなければならない。私が警備責任者である。知人を通じカラーコーンを確保した。党員など8人の警護担当者を確保した。街頭宣伝車を10時30分に駅前ロータリーに着け、カラーコーンを配置する。そして党首到着までの間、マイクテストをかねて車上から街頭演説を行う。聴衆との距離が近い。いや、近すぎる。悪意を持った暴漢が物を投げつけようとしたらどう防ぐ。何の鍛錬・訓練を積んでいない素人がそもそも暴漢を押させ込むことなどほとんど不可能に近い。とのかく何事もないことを祈るだけだ。

そして、11時15分前、少し遅れて福島党首がNHK長野放送局から車で到着する。すぐ車から降りて警護につく。そして福島節が車の上から元気よく響いて来る。40分がまたたく間に過ぎる。党首が車を降りる。駅までいち早く向かうはずであったが聴衆の握手攻め。そして党首がそれに応えて握手をし、名刺を配る。携帯電話で一緒に写真を撮られている。聴衆をかき分け何とか駅ビルの入口まで辿り着く。報道のカメラもここまでだ。会談を駆け上がり、改札を過ぎる。途中で記念撮影。(聴衆のことばかり言えない。仲間とカメラに収まる。)そして6番線の「特急しなの」の7両目のグリーン車へ誘導する。ようやく肩の荷が下りる。何事もなく無事特急に乗ってもらった。やれやれである。党首は松本でも絶口調(絶好調)だろう。とにかくお疲れ様である。