市民会館建て替え建設地、権堂を断念し現在地に!
全5会派がレッドカードを突きつけた先月20日開催されたの特別委員会の後も「議会を説得する」と強弁していた市長だが、さすがに与党会派新友会の反対に軌道修正をせざるを得なかったと思われる。「全ての面で東街区案が現在地案を上回っている」としていたが、議会で「市民会館建設予算案」を通すためには新友会の賛成が必要不可欠であることは言うまでもない。それにしても市長の側近、政策ブレーンが市長に軌道修正を適時(こうした混乱を招く前)に進言することはできなかったのだろうか?(そもそも市長が進言を受け入れる寛容さを持っておられればのことだが)
2日、市民ネット行政視察から帰宅し、2日付けの新聞を読む、権堂案を断念した市と新友会の意見交換についての記事が朝日新聞長野版と市民新聞に掲載されていた。朝日新聞の新友会会長のコメント「来年度予算を否決するようなことだけは避けたかった。胸をなで下ろしている」は驚きだ。さすが市長与党会派の会長の弁だ。市長が提案した予算案を否決するなどもってのほかであると言いたいのだろう。市議会において市長提案を否定し、修正したのは長い市政の歴史の中でたった2回。1つは公民館の成人学級の受講料の倍増提案。激変緩和策を議会側が修正案を提案し可決された。2つは政務調査費の削減。市長は特報審の答申通り月額9万円としたが議会は8万5千円を修正提案した。(当時の議会運営委員会委員長が私であり、私が本会議で提案理由を説明した) もう1件。人事案件で市長が提案しようとした代表監査員の候補者について全会派が反対し、3月議会に提案できず2か月間、代表監査委員が不在の事態を招いた。
新友会と市長のこの蜜月関係は今に始まったことではない。しかし、一時議会の過半数を割っていたが、合併後に新議員の加入と1人の辞職により40名のうち20人の大会派となったことが大きく影響している。それにしても、市長提案の否決を避けたいと公言してしまう感覚は理解できない。少数会派のやっかみでなく、市民の付託を得て議員として市政に向かい合うスタンスが欠落している。市政のチェックをきちんと果たし、言うべきは言う。そして、政策提言を行う。当たり前のことではないか。
市民新聞には「市長とは話し合いの中で、市民が納得できる形で進めたい。4日の正式発表を受けて議会として内容を精査し、正式決定は15日から20日の見込みになる」は驚きとともに怒りとそれを越えて呆れてしまう。数の力は判るが新友会だけが議会を代表するわけではない。特別委員会における精査がそう簡単に済むとは考えられない。正式決定が15日から20日になるとは限らない。そもそも市長がその日程でことを運ぶと提案するするものを議会側が代弁すること自体を私は理解し難い。現在地案の修正と詰めの議論には時間がかかる。また、権堂の再開発における公的施設の概要さえ、正式に提案されていない。
いずれにしても、明日4日の会派説明と特別委員会が大きな山場であることは言うまでもない。マスコミも議会と市長の対立構図をクローズアップして市民感情を煽るのではなく、文化芸術の拠点としての市民会館の建て替え(建設検討委員会や市民ワークショップの真摯な議論も含め)と賑わいを取り戻すための権堂の再開発(権堂商店街の熱意と努力を含め)を冷静に報道してもらいたいものである。