新市民会館建設基本計画、早くも迷走状況?

2月4日に開催された第18回建設検討委員会を傍聴した。新たな展開に驚きの連続である。前回、1月17日開催の第17回建設検討委員会で示された建設基本計画素々案ではこれまで基本構想で示されたメインホール(1300〜1500席程度の集会や講演会にも対応できる音楽ホール)とサブホール(300席程度の演劇専用ホール)としていたものが大ホール(1300席程度の音楽主目的ホール)、音楽小ホール(300席程度の音楽専用ホール)と新たに小劇場(300u程度の小劇場(多目的ホール)に変更されていたのである。小劇場に至っては席数も示されていない。(委員の誰一人から質問さえなかった。)変更の経過が全く不透明である。(どうやらワークショップの意向のようなのだが、明確ではない)

それがである。第18回の建設検討委員会では大ホールは1300席程度の音楽主目的ホールと小ホールA(300席関程度の音楽専用ホール)と小ホールB(演劇やポピュラー音楽にも対応できる200〜300席関程度のベンチ式移動観覧席とする)ことが示された。建設検討委員会には既に決まってしまった結果としての提案がなされ、それを追認することに終始しているようにしか見えないのである。専門家を含む40人で構成される市民ワークショップで全てが決まってしまう。そんな印象を強く持つのは私だけではないようだ。委員からも同じような疑問が出された。5人の検討委員会委員も参加しているのも係わらず、二つの組織の連携は見られないというか、最初からそうした連携は考慮していないようだ。

そして、議会の特別委員会がある。3つの組織が連携なく別々に動いている。そして、2つの組織が条件付きで権堂東街区を建設地としたにもかかわらず、議会全会派が反対し現在地となったと言う重い現実がある。このことが議会に対する2つの組織のトラウマになっているように思われ。であるのなら、建設検討委員会の多くの委員からも発言があるように、3つの組織の意見交換会が必要と考える。どこが上位で、どこが下位と言うことではなく、対等な立場で素晴らしい芸術拠点を建設しようとする、同じベクトルの下で意見交換を早急に行うべきと考える。

新聞に市民ワークショップのメンバーからの投書が掲載された。「ワークショップは市が委託するコンサルタント会社が進行を担い、市の計画案に従って議論するだけ。ホールの規模や音響設備の検討も流行を追っている。ワークショップは市の方針の追認している。これでは自由に議論し、計画に生かすワークショップ本来の意味が失われてしまう」

謙虚に受け止めなくてはならない。コンサルタントがリードすることの弊害について私は当初から指摘させていただいた。ファシリテーターとしてのコンサルの役割は大変大きい、いや大きすぎる。その専門性と多くの施設をプロデユースした豊富な経験を持つプロに対し、素人は何も言えない。市当局がコンサルをリードしているのか、或いはその逆なのかはよく判らないが、専門家に任せればいいという訳にはいかない。とりわけ、市民の貴重な税金を予算として審議する議会には大きな責任がある。

その都度、提案内容が大きく変わるホール。きちんとそしてとことん議論することが必要だ。禍根を残すことのないように。