そうだ!半農半Xだ。私にとっては半農全政治

12月6日午後6時半から1階と2階のテナントが次々に撤退しガランとした中心市街地のトイーゴウェスト4階の生涯学習センターで地域人材育成講座塾の一環として開催された講演を聴いた。演題は「天職でつながる街づくり〜それぞれのXで輝く〜」、講師は「半農半X」を世に送り出した塩見直紀氏(46歳)である。密かなベストセラー「半農半Xという生き方」の著者で、年間70回の講演を行う超多忙な人だ。中国語にも翻訳され、台湾、中国でも大きな反響を呼んでいる。昨日まで台湾でも1月もの講演をかねて長期滞在をしていたとのこと。

2年ほど前、「半農半Xという生き方」を読み共感した。持続可能な農業を営みながら小さな暮らしをベースに、天与の才能(天職)を社会に活かす生き方、暮らし方を提唱している。小田切で13アールの7枚の小さな棚田で米を作り、20アールの畑で大豆を生産し、地域活性化グループ「風土マイル小田切」の仲間とソバをつくる小田切での営みをベースに市議会議員としてに微力ではあるが社会に何かしらの働きをしている私にぴったりの生き方、ライフスタイルであると独りごちたのである。

その塩見氏が長野に来たのだ。明日は本会議で個人質問があるがこのチャンスを逃すわけにはいかない。定員50人であったが100人を超す市内外の塩見ファンが詰めかけた。時間通りに開会。檀上に上がった塩見氏は思ったより小柄で、浅黒い顔は痩せていてどこにもいる少し年のいったお兄さんという感じだ。申し訳ないがオーラは感じられない。丁寧な、優しい語り口にスローライフ感が漂っていて、好感が持てた。そしてけっこうひょうきんな面もありほんわかとした空気感だ。

半農は農業、そして環境問題と広がりを持つ。他方で多様な側面をもつ。全農でもかまわない。個人個人の力量による。半農半NPO、半農半市議、半農半著述家、半農半医、何でもありだ。早朝から農作業を行い、汗をかき、10時にはスーツを着て、議場に立つ。我が意を得たりである。多くの市民の付託をいただき四選を果たす事ができた。その意味で半政治、半市議ではいけない。もちろん全政治、全市議で精一杯頑張る。8時半まで2時間近い講演はあっという間に過ぎ去った。満ち足りた気分でトイーゴを後にする。外に出ると寂しい中心市街地があった。Xを活かした街づくりに取り組まなければ。そのためにも明日の質問は市長とガチンコだ。