「厳しい財政状況であるから困難、他市の動向を見て」はもう聞き飽きた、うんざりだ

私が所属する福祉環境委員会の審議が終わった。因みに今回私は副委員長を務めている。補正予算の審議、条例の一部改正、指定管理者の指定議案については全会一致で可決した。問題は請願の審査である。子供の医療費給付制度の対象年齢拡大を求める請願、介護職員処遇改善交付金の継続を求める請願、病児・病後時保育施設の拡充を求める請願、介護予防・日常生活支援総合事業の導入中止を求める請願の4本の請願は賛成少数で不採択となった。私は全てに賛成した。もう1本の請願、国民生活の安心と向上を図る各種基金事業の継続を求める請願は全員が賛成し採択となった。委員長・副委員長は請願の紹介議員にはなれない。質疑討論で論点を絞って採択すべきと論じた。しかし、当局のレクチャーを受けた新友会の議員が不採択すべきと論じる。

その論拠は「厳しい市の財政状況を考えると困難。他市の動向、国の動向を見てだ。時期尚早、情勢が整っていない」もう聞き飽きた。うんざりだ。議員は当局のスポークスマンなのか? そもそも論だが、請願とは制度・政策をつくり・改善することによって現状では叶わない現状を変えて欲しいという市民の願いである。現状では困難を不採択理由とすることには納得がいかない。県都として、中核市として、県下77市町村の先頭を走ってもらいたい。それがである。市政のこの閉塞感は看過できない。市政に対する不満が高まっている。もちろん議会にも大きな責任がある。市長提案をきちんと検証し、時には修正を加えることも必要だ。提案に原則では議会の責任を果たしていないことになる。

松本市の菅谷市長は9月市議会の本会議の答弁で、「今から10年前、ベラルーシ共和国での5年半の医療活動を終え、帰国した際、これからの日本のエネルギー政策で必要名なことは次の3点、@新たな原発はつくらない。A再生可能エネルギーへの財源シフト。B国民のライフスタイルの見直しと考える。また、7月に松本市で開催された国連軍縮会議において、私は福島原発事故の徹底検証と情報の発信、地球規模での原子力エネルギー政策の再考の必要性を申し上げた。併せて、医療者の立場から、あえて申し上げるなら、我々人類は、産業・経済を優先するか、あるいは命を優先するのか、今まさに、その岐路に立たされているものと考えている。」と述べられている。妊産婦や子ども達を放射能から守るため安定ヨウ素剤の備蓄をいち早く決め、学校給食センターで食材の放射能測定を行い、子ども達を放射能から守ろうとする菅谷市長が命を優先する道を選択したことは明らかだ。

加えて松本市では給食センターでアレルギー対応食をつくっている。現在142人に対応している。先日ラジオで放送していたが、アレルギー対応食をもとめて大阪から家族で引っ越してきた小学生がいるとのこと。除去食ではなく、代用食で一人一人に対応する松本市の先進事例は全国的にも注目されている。そして、松本山雅のJ2加盟だ。

経済・商業・観光など都市間競争の観点から、新潟市・金沢市・富山市と比較し、本市が遅れをとっていると言うように政治的比較によって松本市の優位性を強調するものでは勿論ない。松本は私も4年間の学生生活を送った大好きな街だ。長野市は富士山型ではなく八ヶ岳型だという市長の答弁もあったが、市民が市民生活の安心感・満足感を十分に持つことができていない。加えて、他市に誇れるものが少ない。パルセイロの活躍は若者のみならず市民の元気の救世主となると確信する。