党首選、社民党の躍進を願う!

福島党首は12日の党三役会議で、20日告示の党首選に5選を目指して立候補する考えを表明した。これに対し、照屋寛徳国対委員長と阿部知子政審会長らは福島氏の対立候補を擁立する意向を表明した。平成8年に社会党から社民党に党名変更して以来、初の党首選に突入する可能性が出てきた。良いことだ。

福島党首は、三役会議の後の常任幹事会で「野田内閣がどんどんひどくなっている」と強調。その上で「自民党も民主党もダメとなったときに社民党がしっかり受け皿になるよう、どこまで国民の支持を得られるかという正念場の年だ」と述べ、脱原発や護憲という独自路線の堅持を訴えた。その点については基本的に異義はない。しかし、筋を通すことが自民党でも民主党でも公明党でも共産党でもない人の受け皿となるかは疑問だ。

同日、照屋、阿部両氏と服部良一衆院議員は国会内で記者会見し、山内徳信参院議員を含めた4人の連名で「福島党首の在任期間に党勢は着実に後退が続いている。現在の体制を継続することは大きな疑問だ」との声明を発表した。阿部氏は「次の衆院選で社民党は消滅の危機があり得る。現執行部に危機感が薄い」とも指摘した。そのとおりである。現在6人の衆議院議員、4人の参議院議員の合わせても10人しかいない社民党。土井党首から党首の座を引き継いで以来、社民党の党勢後退は目を覆うものがある。現状のままで総選挙に臨めば選挙区でかろうじて1〜2人、比例区でも同様に1〜2人の当選しか見込めない。参議院と併せて5〜6人になってしまうかもしれない。政党交付金の対象となる5人以上の国会議員を確保するのがやっとだ。これで全国政党と言えるのか。沖縄大衆党のような地方政党になってしまう危険性がある。(信州社会党は良いかもしれないが)

福島党首は衆議院に鞍替えすべきだ。選挙区で勝ち抜く、それがダメなら比例で復活する。ドロをかぶる選挙をやり抜く。その覚悟なくして参議院の比例区でぬくぬくと当選して、党首として全国に檄を飛ばすだけでは社民党の再建は難しいと考える。

野田第2次内閣は岡田前幹事長を副総理として閣内に取り込み、消費税増税への不退転の覚悟を示している。「県内5選挙区に最低1人の候補を擁立したい」と社民党県連合代表は述べているが、現況は厳しい状況にある。2区、5区ともに法定得票数の10分の1の得票ができず供託金が没収された前回の総選挙。かつて経験したことのないこの厳しい結果をどう受け留めていくのか。正に信州社会党の伝統の息の根を止められてしまうのか、それとも死中に活路を見いだすのかその決断の時が迫っている。