今月のメッセージ 4月

3月31日ついに長野電鉄屋代線は90年の歴史に終止符を打った。別れを惜しむように涙雨(いや号泣雨)が電車を駅舎をそして大勢の人達をずぶ濡れにした。昨年2月2日、活性化協議会において「@実証実験を継続する。A一時休止しバスで代替運行する。B廃止してバス運行を行う。」の3案から無記名投票により14対11の僅差で屋代線を廃止し、バス運行に転換することを決めてから1年。遂にラストランとなった。

横殴りの激しい雨の中、私も最後の勇姿を目に焼き付けようと信濃川田駅、若穂駅、綿内駅を訪れた。数多くのテントが張られ、別れを惜しむ人達で溢れていた。人混みの中、存続運動を担ってきた顔見知りの方々にお会いできた。温厚な人柄の中に強い意志を持ったNさん。いつもエネルギッシュで「廃線は絶対に許さない!」と感情を顕わに頑張ったTさん。DVDを作り、多くのイベントを企画したKさん。そして住自協をまとめ交通弱者の足の確保に情熱を傾けたHさん。皆さんといつも以上に力をこめて握手した。これまでの活動を財産に、振り返るのではなく前に進もうとする姿勢に感動した。

この1年、若穂地区、松代地区の皆さんの屋代線存続を求めての様々な運動は両地区限定の地域要望ではなく公共交通の維持・活性化、市全体としてのまちづくりに一石を投じることになった。屋代線の存続運動は電気軌道としての存続、デイーゼル化しての存続、そして廃止やむなしバス代替容認、更にはLRTの提案と時間とともに劇的に変容している。

千曲市、須坂市、そして長野市議会議員で構成する屋代線議員連盟も状況の激変の中で整理が必要だ。真の公共交通の維持・活性化、市全体としてのまちづくりのためきちんと地に足を付け、将来を見通した議論が迫られている。

  • さようなら屋代線・綿内駅(2012/03/31/10:52)
    さようなら屋代線・綿内駅(2012/03/31/10:52)