食品用放射能測定器設置についての請願は熱弁も虚しく不採択!

6月19日、福祉環境委員会においてゲルマニウム半導体検出器の設置を求める2つの請願が審査された。受理番号11 長野市に食品放射能測定器設置を求める市民の会 代表 田澤洋子さんが2,536名の署名を添えた請願の表題は「食品用放射能測定器設置についての請願」。もう1件は受理暗号12 北信・子供たちと放射能を考える会 の小林史子さんが代表として請願した。表題は「保育園の給食の放射能汚染対策を求める請願」同じ趣旨の請願であり、請願項目も同様のものもあるため一括審議となった。ただし、採決は別々に行った。

結果は大変残念であるが採択すべきとし、賛成したのは市民ネットの私と、改革ながのの議員1名の2人だけで新友会の4人、公明党の1人、無所属の1名が挙手せず、2対6の賛成少数(委員長と欠席議員1名を除く8名による採決)で2つの請願はともに不採択となった。請願項目は一部の食材のサンプリング検査にとどまることなく、より細やかな検査をするために市にゲルマニウム半導体検出器を設置すること。市民が食品の放射性物質検査を依頼できる体制を整えること。給食の検査体制を大幅に拡充し、最大限検査すること。賛成の理由は明快である。放射能への感受性が高い子ども達の内部被曝を防ぎ、安全・安心を担保するには県に依拠するのではなく市独自にゲルマニウム半導体検出器を導入し検査体制を構築していくことが必要である。詳細はこれまでの「もの申す:池田流」を読んでいただれば判っていただけると確信する。

反対諸氏の発言の一部を紹介したい。その1 ゲルマニウム半導体検出器を急いで導入するのではなく、まず消費者庁から貸与されるNaIシンチレーション ガンマ線スペクトロメターをきちんと使いこなすことが先決。できるなら24時間体制で検査を行ってもらいたい。(しかし、実態はあまりにお寒い。保健所の環境衛生試験所が測定計画をこれまで関係4課(保健所生活衛生課・教育委員会保健給食課・保健福祉部保育家庭支援課・農林部農政課)との打ち合わせた測定計画はでは24時間体制どころか1日4〜5件、年間80日稼働で320件しか1年に検査しないというのだ。それもそのはず、県は緊急雇用創出事業によりフルタイムの嘱託職員を1名雇用して、4月から北信教育事務所で1日6件、月120件年間1,300件を越える検査を行う計画なのに現在の職員体制で増員を考えていないのである。その上、県は確定検査に回すスクリーニング検査の基準は17ベクレル/kg(下出限界値17ベクレル/kg)であるのに市はなんと50ベクレル/kgなのだ)その2 自然界にも放射能は存在する。福島第一原発とから放出されたとの因果関係がはっきりしない。(もう全く呆れてものが言えない。絶句だ。入れ知恵としたら、もう開いた口がふさがらない。)その3 PTAでは余り問題となっていないのではないか。(流通している食材は安全という教育委員会の性善説とも言えるような説明を信じる良き保護者が多いのかも。子供を学校でお世話になっているという親の立場で、また様々な価値観を持つ保護者がいる中で給食食材の放射能測定の必要性を言明することは大変な勇気と覚悟が必要だということは容易に想像できるではないか)その4 資料として請願者が示した土壌検査の検査の結果を皆さんは検査に立ち会っているんですか?(何ともはやである。)

私は本会議の質問で市民の安全と安心を守る言うメッセージが必要ではないか。ゲルマニウム半導体検出器の導入はそのメッセージになる。市長に見解を求めたが、その答弁に愕然とした。市長は「お言葉を返すようですが」と切り返した。市場に流通しているものは安全、いろいろ騒ぐことが混乱を招くとでも言うよう答弁にはがっかりというか、残念な思いを通り越して寂しいというか、情けなくなってしまった。最終日は反対討論を行い筋を通したいと思う。