芸術の秋を満喫!金剛山歌劇団北信公演
長野朝鮮初中級学校チャリテイ公演と銘打った金剛山歌劇団の公演がホクト文化ホール大ホールで開催された。毎年の講演は舞踊と器楽演奏を含む歌唱の二部構成が基本だ。色艶やかなチマチョゴリに身を包んだ劇団員の身のこなしを初めて見た時のカルチャーショックは衝撃的であった。また朝鮮民謡は戦前の日本の原風景と共通する郷愁を漂わせ、アジア特有の雰囲気を感じさせた。
今年の演目は朝鮮王朝時代の傑作「春香伝」をアレンジした舞踊ミュージカルである。二部六幕構成の二時間弱の物語は観客の心を掴んで離さなかった。身分の違いを乗り越えてた愛を育んだ男女二人が不条理にも引き離される。妓生の娘、成春香はその後、地方を治める役人に言い寄られるがこれを拒否し、投獄されついには処刑を宣告される。一方、高級官僚の息子、李夢龍はその後科挙に首席で合格し、王直属の密使となる。そして成春香を処刑しようとする地方を治める役人の悪行を暴き捕え、成春香を助け出す。そして、二人は上京し、末永く幸せに暮らしたという、ハッピーエンドの物語である。
勧善懲悪、印籠と言えば水戸黄門であるが朝鮮版の水戸黄門とでも言えるのではないかと独りごちた。いずれにしても色艶やかなチマチョゴリと素晴らしいオーケストラの音色は非日常を実感させてくれる素晴らしい時間を過ごすことができた。
一方で小泉元首相の電撃訪朝による日朝平壌宣言から10年が経過したが両国関係は一向に改善されていない。高校の授業料無償化が実施されている中で各種学校の位置づけの朝鮮学校は対象外となっている。新しい指導者の下、拉致問題の進展を願う。そのことが両国関係改善の端緒となることを節に願うものである。