真の都市の品格とは?

1月8日 今年初めての市当局から市議会議員への協議・説明のための会派合同会議が開催された。市民ネットは2人だけの会派である。5名の改革ながの、同じく5名の公明党市議団、そして無所属の3人、合計15名が委員会室で当局(所管課の課長)から説明を受ける。2人の副市長も同席している。他方、19名の新友会、5名の共産党市議団はそれぞれ単独で協議・説明を受ける。新友会には市長が出席し、所管の部長から説明を受ける。(必要に応じて市民ネットも出席する会派合同会議にも市長が出席する場合もある。)他市においては議員が全員が一堂に会する全員協議会とするのが一般的である。長野市議会においては全員協議会を行う部屋がないと言うのが一つの理由である。改選後初めて行われる全員協議会は第二庁舎講堂で開催される。また、人事案件などで本会議場で行われることもある。

しかし、本当の理由は当局にとって市長を支える保守系会派に対し、単独で協議・説明を行うことが好都合であるからと私は推察する。議会前の議案説明・予算説明、その他の重要案件を事前に説明し、了解(?)を得たいのであろう。議員は(すべての議員ではないが!)事前に知っていることにこだわる。逆にいうと事前協議がないと、「聞いてないよ」と事がうまく運ばない。それだけ、プライドが高い。(大変な勘違いであると私は思うが!)過半数に限りなく近い新友会の理解を得ることができればそれで議会は通せる。理事者にとっては都合がよい。ましてや、市長が同席しているということに大きな意味があるのだ。

以前、市民新聞はこの会派説明会を市長の公務日程に「新友会総会」とだけ報じていて、私は抗議した。同じ時間帯に市民ネットをはじめとする合同会派総会も開催され、市長が出席する場合もあるのだから、新友会を削除し、「議会会派総会」との表記に訂正させた経過がある。いずれにしても、会派説明会には様々な課題がある。今後の議会改革におけるテーマであることは間違いない。

その、会派合同会議に市長が出席した。新年の挨拶の後、市長は「都市の品格」というフレーズを使った。正確さには幾分欠けるが、市長はAC長野パルセイロのホーム球技場としての南長野総合球技場の整備についてふれ、他都市との比較でこうした競技場などがないことが「都市の品格」に欠けると発言されたように記憶している。ハード面で、インフラとしての箱物において他都市と比較して、長野市にそれがないことで、「都市の品格」を持ち出されたのには異論があると言わざるを得ない。

私は給食食材の放射性物質検査のためゲルマニウム半導体検査機を導入し、市独自の検査体制を構築するように主張してきた。消費者庁の貸与事業に4回も手を挙げ、余りに長い時間をかけてきたことは「都市の品格」に欠けると思う。東北の財政規模の小さな市町村を顧みず、厚かましく手を挙げ続けることは中核市として、県都として余りに品がないと思うのは私だけないと確信する。なるべく、国の補助金や交付金を使う、国の様々な事業の採択を得るための努力を行うことは否定しない。しかし、「入りを量りて出ずるを為す」が徹底し、市政のトラウマになっている。

ハードではなく、精神性にこそ私は「都市の品格」が問われると考える。134億円をかける市役所第一庁舎と新市民会館が合築という形で建設されようとしている。高名な設計家によって巨費を投じれば見栄えの良い建物はできるであろう。しかし、市民会館の運営は本当に大丈夫なのか?特別委員会において、これからもきちんと議論していかなければならない。市立図書館に司書資格を持つ正規職員が1人もいない現状を改善できない文化力の長野市が文化・芸術の拠点としての市民会館の運営体制を構築できるのか、大きな不安がある。それをチェックし、補強していくのは議会特別委員会の役割である。

とにもかくにも「都市の品格」が問われている。

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