パテイオ池鯉鮒:知立文化会館
市役所第一庁舎・市民会館調査検討特別委員会の視察で愛知県知立市のパテイオ池鯉鮒を訪れた。知立市は人口7万人弱の決して大きな市ではない。回りを豊田市(42万人)、刈谷市(14万人)、安城市(17万人)に囲まれている。
その知立市が11年前に建設したのがパテイオ池鯉鮒である。建設費は80億円を超える。年間の一般会計予算額は200億円超である。予算額1,500億円超の長野市が建設しようとしている新市民会館は約69億円である。知立市の決断には脱帽だ。
その背景には知立市の文化力がある。東海道53次の39番目の宿場、池鯉鮒宿は交通の要衝として栄えた。現在では高校の吹奏楽コンクールにおいて聖地である普門館で好成績を修めている。また、高校の演劇もレベルが高いらしい。また、文化芸術グループが550団体もあるとのことだ。この底辺の広さが知立市の文化力であると感じた。
説明を聞いた後、メインホールである「かきつばたホール」を見学した。客席数は990、車椅子6席、親子席8席(4席×2室)で最大1,004名を収容できる。「木のぬくもりを活かした拡張高い空間はコンサートだけでなく、演劇やミュージカルなどの舞台芸術をはじめ、式典や講演会にも最適なプロセニアム形式の円形劇場です」とパンフレットに誇らしく謳っている。確かに格調高い色合いのシートは温かみと豪華さを兼ね備えている。
平土間スタイルにもなる可変床式の293席の小ホール「花しょうぶホール」、ゆったりとした楽屋、十分な広さをもつ4つのリハーサル室の他レストラン、茶室を持つパテイオ池鯉鮒は豪華な施設であった。
巨費を投じれば豪華な施設はできる。肝要なのはやはり、ソフトであると再認識する視察でもあった。今回の視察ではこの他にいわき市の「芸術文化交流館」、三鷹市の「芸術文化センター」を視察した。
【プロセニアム形式の豪華な円形劇場】