文化財防火デー・善光寺本堂総合消防演習

1月26日は文化財防火デーである。1949年(昭和24年)1月26日早朝、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺の金堂で火災が発生し、堂内の壁画の大半が焼損した。1955年(昭和30年)、文化財保護行政が確立するとともに、日本国民への普及啓発事業が行われるようになった。その一環として、当時の文化財保護委員会(現在の文化庁)と国家消防本部(現在の消防庁)が、文化財を火災・震災その他の災害から守るとともに、日本国民の文化財愛護思想の高揚を図るため、1月26日を「文化財防火デー」と定めたのだ。

県北部を震源地とするマグニュチュード7.4の大規模地震が発生し、善光寺境内には逃げ遅れた参拝者がいる。また、本堂南側で火災が発生し、強風により本堂への飛び火の危険があるとの想定だ。市消防局、消防団、善光寺事務局、宿坊組合、第一地区・第二地区自主防災会、清泉女学院、元善町育成会の合計で266名の皆さんが参加しての総合訓練である。寒い中、本当にご苦労様でした。

市議会総務委員会の委員にも見学の案内があった。朝の気温はマイナス7度、細かい雪が15センチほど積もっていた。昨夜も労働組合の旗開きがあり帰宅は遅かった。加えて3日前から特別委員会の視察に行っていたのだ。正直、この寒さの中出かけるのは億劫であった。しかし、総務委員は4年に1度限りである。弱い気持ちにむち打って善光寺に向けて雪道のハンドルを握った。案の定、10人いる委員のうち出席したのは6人であった。

訓練は通報、避難誘導、高所救出訓練、一斉放水と進んだ。本堂前に立ち上がった水柱は水しぶきとなって降り注いだ。寒さが一段と身に染みた。最後に終了式があった。最初に総務委員長が挨拶した。続いて、消防局長、消防団長の順番だ。何か違う、というか誰かがいない。そうだ、市長がいないのだ。訓練本部長たる市長がいないのだ。席は用意してあった。でも最初からいなかったらしい。帰宅後市長の公務日程を市のHPで確認したが、最初から日程に載っていなかった。最初から予定がなかったのだ。1月5日、出初め式に参加し、行進・観閲・式典と日程をこなされたが、マイナス8度の寒さで体調を崩されたとお聞きする。今日の訓練の欠席は同じ轍を踏まないということなのか?何かしろ、どこかしら緊張感に欠ける空気感はそのせいだったのかと一人合点した。

とにもかくにも世界遺産指定をめざす善光寺本堂をこれからも守って行かなくてはならない。

  • 本堂前に放水のカーテン
    【本堂前に放水のカーテン】