ジビエに小田切の活路は見いだせるか?

ホテル信濃路で信州ジビエ研究会が主催する「信州ジビエフォーラム」が開催された。会員ではないが、新聞記事を見て申し込み、参加した。信州ジビエ研究会の会員や県民、行政関係者など100人を超える参加者で会場は盛況だった。

第1部の事例発表では、ネバーランド(根羽村)の副支配人繻エ幸一郎さん、潟}ルイチ産商フードサービス事業部の松村静樹さん、美麻ジビエ振興会、農園カフェラビットの児玉信子さんが地域での取り組みについて自信に満ちた発表を行った。是非ともネバーランドと農園カフェラビットを訪問したいものだ。

第2部のパネルディスカッションでは信州ジビエ研究会の玉村豊男会長がコーディネーターを務め、阿部守一知事、松本大学人間健康学部の廣田直子教授、自然育工房「岳」の竹内清さんの3名が議論を交わした。阿部知事からは「捕獲から消費まで、様々な課題が明らかになってきた。一つ一つ解決していきたい」と述べた。また、廣田教授からは、需要拡大に向けて、家庭や給食でジビエを使っていくための課題や解決に向けての方法が提言された。そして、竹内さんからは狩猟や解体における課題、とくに捕獲の担い手不足や捕獲個体の処分の問題について話された。

第3部は立食パーティー。今年長野県調理師会が開発したジビエメニューなどを味わいながら懇談した。何人か顔見知りの県や市の職員も参加していた。鹿肉に舌鼓を打ちながら野生鳥獣被害、中山間地農業の振興、建設予定の野生鳥獣の食肉加工施設について熱く論じた。正直言って鹿肉の味はイマイチであった。(ワインで少し味覚が鈍感になったせいかもしれないが?)つみれ汁など多くのメニューにおいて猪肉の方が旨いとの声もある。小田切の私の田んぼも猪対策で電気柵で囲っている。麻庭でも昨年おりで15頭の猪が捕獲されたのだ。我が家にもこぶし大の肉の塊が配られた。(1つは薄く切って焼いて食べた。焼肉のタレで食べたがなかなか旨かった。もう1つは冷凍庫でカチカチに凍ったままだ。)

深刻な野生鳥獣被害から丹精込めた農作物を守るために駆除によってもたらされた副産物としての猪肉。利用しない手はない。蕎麦と猪南蛮はどうだろうか。鴨南蛮のようにはいかない?ワインによって夢?妄想?野望?は大きく広がる。野生鳥獣食肉加工施設の順調な滑り出しを切に願うものである。そして小田切の活性化の一助になると確信する。