突然の停電、突然の交通整理
3月2日、午前6時30分。いつものように起床する。リビングにいた妻の第一声は「寒〜い!」。ストーブの前にジャンパーを着込んで寒そうに震えている。人一倍の寒がりでホッカイロをいくつも貼り付けている。ファンヒーターが止ったままである。6時前から停電とのこと。同報無線でも市内で広範囲に亘って停電中であることが伝えられた。スマホで確認すると上田、松本、安曇野と広範囲に亘る大規模停電らしい。
大変な事態である。外の様子を見ようと更北公民館をのぞいてみたがまだ7時10分。職員も出勤していない。国道117号線と市道更北中央線が交差する大塚交差点に向かう。家から120メートルの距離である。児童の登校時の見守りの際に見かける黄色のジャンパーを着た同じ自治会の元民生児童員のMさんが交差点の真ん中で手信号で交通整理を行っている。右手には小さなLEDライトを持っている。すぐに声をかけさしてもらう。もう30分くらい車の行き来をさばいておられるとのこと。自治会の清掃でも人一倍活躍されるお人柄である。面倒見の良さは近所でも評判の人である。
「お手伝いします」。と言いつつも、誘導灯もないし、帽子もかぶって来なかったので、すぐさま家に帰り、ヘルメットをかぶり、少し大きめのLEDライトを持って引き返した。30分以上の交通整理でお疲れのMさんと交代する。黒いジャンパーでは目立たないので黄色のジャンパーをお借りして交差点の真ん中に立った。車がすぐ横を通る。30センチくらいの距離である。けっこう怖い。危険である。
全くの素人がうまくさばけるわけもないが、ドライバーも10人中8〜9人は窮状を理解してもらって指示に従ってくれる。7時45分くらいから交通量が増えてくる。Mさんと二人で悪戦苦闘していると、更北公民館の職員が誘導灯を持って来てくれた。3人で連携し、スムーズな誘導が可能になった。交通量は更に増える。長野大橋に向かう車が渋滞し始める。停電はいつ復旧するのか。不安がよぎる。幾分交通量が減り始めた8時15分頃には地元の消防団の幹部が駆けつけてくれた。交差点の真ん中での誘導を交代してもらった。そして8時45分頃、ようやく警察官が1人が警察車輌でやってきた。ホイッスルをけたたましく吹いて、白赤の長い誘導棒を使って、プロの交通整理が始まった。ようやく素人の1時間30分を超えるにわか交通整理はお役御免となった。自宅に戻った9時15分頃ようやく停電は復旧した。やれやれである・・・