アンコールトム(1969製作) 151×212cm

ベルンの丘 75×61cm

ガルビハーラ遺跡 194×325cm

聖堂 194×130cm

毀された遺跡 182×91cm

爭いが、戦いが、宗教の違いが、先人の残したすばらしい遺跡を惜しげもなく
破壊する。
アンコールワットやトムは時の流れとともに、自然の力で崩れかけているので
同一視することは出来ない。
しかし竜門の石仏は人間の意志によって毀された。四百年にわたる長い年月を、
各王朝の手で刻み続けた十万体にも及ぶ石仏を、一朝一夕にして、大半が顔の
部分を毀され、形を無くした。
惜しむに言葉を知らない。
しかし、例え一部が毀されていようとも、私の心を引きつけて離さない。
顔がこわされていなければ、もっとすばらしいだろうとも思う。しかし毀され
ている故に、破壊をまぬがれた大廬那仏の微笑をたたえた顔と重複し、一
層私の心をひきつけて離さない。
薄暗い石窟の中に光明を感じた。

個展作品集より、ベルンの丘、アンコールワット他

アンコールワット(スケッチ) 54×38cm

アンコールワット(スケッチ) 54×38cm