第一回之一「人体の不思議と、手に肩を置く大男」


(二人)「どうも~」「いやあこんにちは」

 ……(笑)コレはイカンな!


 イカンですよ

 第一声がカブりましたよ!

 被った

 我こそが!みたいになってたね

(笑)まあしゃあないそこは

 今週も始まりましたね

 まあ正直誰も聞いてない、完全な自己満足の番組ですけどね

Y そんな事すぐに言うなよ!
  ……まあ、この範囲でしか盛り上がってないのは確かですけども

 うん……ぼくら三人衆

 三人衆!?

 ナカイくんは今日どうなん?

(笑)……ナカイくん、今日のスタジオ移動知らんのちゃうん

 ホンマや、ナカイくん来てへんわ。向こう(リビングを指差して)迎え行こうか?

Y そのカッコ(鼻眼鏡を掛けている)でリビング行ったら、
  キミ今後出入り禁止になるよ

K(笑)

 さて、なんかありました?年明けにかけて

 ……ん?キミ的なものは無かったん?

(苦笑)

K 面白いネタがあるんだろ?

Y 始まるや否や無茶ブリすな。
  えーと、この前三宮で変な宗教の人に絡まれたって言うたじゃないですか。
  今日はその時の詳しい話をちょっと

 えーそれやるん?

 難色を示すな!あのー『人体の不思議展』行ったん すよ……うわ(笑)

 ……頼むから、もうちょい滑舌ちゃんとして

 ちゃうねん、このカエルの被りモンが顎を締め付けてんねん

(笑)あ~なるほどね

(被り物を外す)で、知ってますか『人体の不思議展』!!

(録音機に顔を寄せる)

 ?

 スジャ~タ、スジャ~タ……(笑)

Y ……何やってんのん

 いや、ラジオであるやろ?時報みたいなの

 このタイミングで?

(笑)脱線も脱線やな

 やめてや、そういうの

 これ3分置きに行こうな

(笑)ぜったい嫌や

 ほな5分置きで行こか

(無視して)行ったんですよ『人体の不思議展』に、ね?

 うん

 あれ知ってます?本物の死体を防腐処理して、輪切りにしてたりとかするんですよ

 中国人をね

 いや、ちゃいますね。何人か知らんけど。
  で、腹をかっさばいて内蔵持たしてたりとかするんやけど

 うん、中国人が

 ちゃいますわ。んで、ショーケースに胎児がね、一ヶ月、二ヶ月、と並んでる訳ですよ

 ……中国人が?

 うん、ちゃうな!そんで、それを見に行こうって話になった訳ですよ

 おお、中国人を

 う~ん、ちゃうなあ!んで、三宮集合やったんですけど、
  うっかり集合時間より一時間くらい早く来てしまったんですよ

K 国人が

 しつこいわ!

K(笑)

Y もうソレ禁止やで……で、三宮の駅をぶらぶらしてたんですけど。
  虚無僧がおったんですわ。すげ笠被って袈裟着てね

 うん、中国人が

 しつこい言うとんねん!
  虚無僧や言うてんのにそこで中国人出さんでいいやろ。
  もっと他に使いどころあったやん

 俺もそう思うわ

(笑)……で、虚無僧がおったんやけど。
  それにね、お布施をあげるんやったらかまへんよ俺は

 中国人が……

 黙れや!

(爆笑)

Y その虚無僧を、携帯カメラでパシャパシャ撮ってる奴がおったんですよ!

 中国人がね

(笑)……使い過ぎや!ええ加減にせえ!中国人も気ィ悪いわ!

 スジャ~タ、スジャ~タ、スジャ~タ♪

 ………

 で、中国人どうしたの?

Y 中国人ちゃうわ!

K(笑)そうや、中国人やあれへん!

Y そんなもん真面目に……真面目かどうかは知らんけどね、
  宗教活動やってる人を撮るなと!僕はイライラしてたんですよ。
  その場を立ち去ろうとしたら、背中にポンと、肩が置かれましてね

K ……肩が置かれた?

Y ……ごめん(笑)

K 背中に、肩が置かれたの?

Y(笑)

K どういう事かな?まず、えー、君は後ろ向いた。帰ろうとして。
  そしたら?君の背中に?……肩が置かれた?

Y(笑)もうええがな

K でかい奴やな~

Y もうほっといてくれ!

K かなり上から目線やな

Y あはははは!

K 肩置かれてるからな。もう結構な大男ですよ

Y(笑)はいはい、話進めよ……振り返ったら、大男が立ってましてね。
  いきなり「君を救いたい」って言われたんですよ


K(笑)ほう

Y これ、第一声ですよ?

K キツイ第一声やな

Y「君の瞳には何か良くないものが棲んでいる」言うてね、
  なんか「必ずや最後の審判ではじかれるだろうー」みたいな事言うんですよ

K 中国人が?

Y うん!ちゃうね!それも日本人!中国人じゃあ無かったわ!

K(笑)……うん

Y もうな……何で俺が死んだ後の事をお前に忠告されなアカンねん、と思って

K(笑)まあ、それはな

Y「間に合ってます!」言うて、その場から逃げたんですよ

K「間に合ってます」いうのはなに?

(笑)……で、年が明けて1月3日ですわ。
  今度は初詣行こう言うて。んでまた早めに来てもうたんですよ

K(正座して)明けましておめでとうございます

Y おめでとうございます……いま言わんでええわ

K んで?

Y そしたらまあ、あの三宮の人の多さは何なんでしょうね?

K 手鏡を持ってたんだろ?

Y はい?

K 手鏡を持っていたんだろ?

Y ……何で僕は手鏡をもって来たのかな?

K さあ……

Y お前……そんな無責任な事でええと思っとんかい。何やその瞳?

K(何か考えながら)……ん?

Y ……お前、スジャータのタイミングを計ってるんやな?

K(笑)それ言わんといて

Y 話を、させろぉ!

K(笑)

Y 本持って来たから読もうと思って。でも人多いから読めないと。
  しゃあないからジュンク堂まで行って読んでたんですよ

K ス○ャータ、ス○ャータ♪

Y だんだんスジャ~タのクオリティ下がってるで

K ス○ャータが、3時をお知らせします

Y ナンボほど中途半端な時間から始まってんねん、このラジオ!

K(笑)でもなー、コレはお前の責任でもあんねんぞ

Y なんでやねん

K キミの話の、ヤマはどこなん?

Y あははは!(Kをどつく)

K 何すんねんな!

Y お前が振ったからこうなっとんねん!

K それを言ったらアカンわ

Y(笑)……じゃあとっとと終わらせて……そうやって時間潰してたんですけど、
  よく考えたら本屋で自分の本読むのってかなり危険なんですよね。
  ポケットにしまうタイミングによっては
 「コイツ立ち読みしてた本持って帰ったで!」って事になりますから

K うん

Y んでまあ……読んでるうちに、こらアカンと

K うん、そらアカン!

Y これ何やったら店員に疑われるんちゃうかと

K それはいい!

Y ええ事ないわ!店員もちょっと見とんねん。
  コレ俺の本だけど、本棚に戻した方がいいのかなみたいな事を思い始めて

K ああ、なるほど……(笑)

Y 読み始めてまだ30Pくらいだったんですよ

K 何の本?

Y ん……普通に、小説ですよ

K ああ……官能ね

Y ……ソレ言うん、分かってたわ

K(ニヤニヤ笑っている)

Y ……で、もうこらアカンということで、最後まで読んでまえと。
  もう集合に30分くらい遅れてるんですよ

K(笑)

Y 読み終わってその本を本棚に入れて

K(笑)入れたんかい!?

Y 入れてもうたんよ……

K 逆万引きやな

Y(笑)んで、ばーっと走って集合場所に来て、何人か集まってるのを見つけて
 「おーい」って手を挙げようとした、その瞬間にもう、肩に

K 肩が置かれたんでしょ?

Y(苦笑)振り返ったらもう、「君を救いたい」ですわ

K スジャ~タ、スジャ~タ♪ スジャ~タがお送りします

Y ……さっきの3時の時報から、まだ3分やぞ

K(笑)

Y しかもコレ、びっくりするのがね……僕が暮れに捕まったのとは別の人なんですよ

K おお~

Y 僕、なんか憑いてるんでしょうかね?

K ……でさ

Y なに?

K ヤマは?

Y あはははははははは!(どつく)