将棋倶楽部24のレーティング

日本最大の将棋レーティングについて考える


  • レーティングのR点授受は、対局前のR点差に基づいて、レート交換比率が決定されます。
  • R点の授受が公平に行われるためには、期待勝率と実勝率が一致せねばならないはずですが、実際のところどうなのでしょう。

 R点差と勝率の関係

 将棋倶楽部24のレーティングは、期待勝率の計算式として We = 0.5 + 0.00125dr  を採用しています。 これは、R点差200のときの上手勝率75% に相当します。

 つまり、200点差の試合であれば上手の3勝1敗ペースが想定されるため、それに応じたR点を賭けることになり、勝つと8点獲得、負けると24点失うことになります。 しかしながら、実際のところどうなのでしょう。

 ここでは、将棋倶楽部24の期待勝率と、実際の勝率データを比較してみることにします。

  解析方法

 データ抽出及び解析方法は、次のとおりです。

  1. 棋譜検索・閲覧フォームにて、対局者欄ブランクのまま検索実行。1000局データを取得。
  2. 対局IDによりデータを管理し、適度な間(約1箇月)をおいてデータ取得を継続。
  3. 中断、判定、R点差0、R点差410以上を取得データから除外し、R点差と勝率の関係を分析。

 その結果、2002年10月18日〜2003年11月20日までの、25,748データ を準備しました。

     
解析データの準備
収集データ数 解析対象外データ数 解析データ数
27,491 1,743 25,748
解析対象外データの内訳
中断及び判定 R点差0 R点差410以上
1,192 270 281

 解析データの分布及び同グラフから明らかなように、将棋倶楽部24では、R点差の近い対局ほど頻繁に行われています。 解析データにR点差0とR点差410以上を加えたデータ数が26,299データであり、うち94%にあたる24,772データがR点差210点以内の対局 となっています。

  解析結果
  
バックデータ
結果総括 全データ 有段タブ 上級タブ 中級タブ 初級タブ

 データ解析は、解析対象全データについて行い、さらに、初級、中級、上級及び有段の棋力毎についてそれぞれ行いました。 グラフから以下のことがわかります。

  • 全データについての解析結果は、「16±4%式」が示す期待勝率よりも実勝率が明らかに下回っている。 例えば、200点差での期待勝率が75%であるのに対し、実勝率は70%以下である。
  • 期待勝率と実勝率の乖離は、R点差が大きくなるほど大きい。
  • 棋力毎の分析結果についても、以上のことと同様の傾向が認められる。

 なお、R点差200以上の区間については、R点差200以下の区間と比べて勝率のばらつきが大きくなっています。 これはR点差が大きい区間ほどデータ数が少ないことに起因しているものと考えられます。



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