枚方乱数工房 (HRF)
(2024年1月1日)

Hirakata Ransu Factory (HRF)
(January 1, 2024)

(代表: 理論技術) 中澤直也
Email: nao-nkzw@cpost.plala.or.jp
    (代表: 理論綜合) 中澤 宏
Email: hir-nkzw@lemon.plala.or.jp




(HRFのお知らせ: 2024年1月1日)
   (1) 中澤乱数研究所 Nakazawa Ransu Laboratory (NRL)枚方乱数工房Hirakata Ransu Factory (HRF) と改名します。技術計算と理論には代表中澤直也が力を揮い、綜合代表は中澤 宏が務めます。御愛顧下さい。
   (2) 我々はコンピュータ上の『すべての一様乱数は(独立であろうがなかろうが)枚方乱数工房 HRF が提供する乗算合同法 multiplicative congruential method MC法で表す事ができる』事の証明を得ています。皆様に提供する HRF の乱数はすべてこの MC 乱数です。下の『談話室』に載せられた文献からその明快な理由を御覧下さい。20世紀提唱のすべての MC 乱数と異なるのは、
      法の整数が倍精度264近い大きさを許し
      しかも倍精度整数、倍精度実数内で高速演算が可能、
という事です。これは前 NRL で見出された正確な『正単体検定基準』の力と、中澤直也のひらめきとが与えた成果です。これによって生成される一様独立乱数の実数形も倍精度実数として十分な桁数を持ち、通常の卓上コンピュータが年の単位の計算時間で漸く使い終える程の長い周期を獲得しました。HRFでは2個の合格乱数生成機構 #001 と #003 とを開示ましたが、これを続けてたいと思います。20 世紀では多くの人々が MC 乱数を論じたものの、この長さの周期を与える大きさの法の乱数がどうしても当時の検定基準で合格を得られなかった、当時の正確ではない『一様独立性』の検定基準が原因で『合格』乱数が誤った基準で選ばれたため 2 つの誤った基準で合格した合成 MC 乱数が再び『誤った基準』での合格も得られない、周期がどうしても 232 を越える事ができなかった、ためだと現在では理解できます。
   より重要には、我々が得た『正単体基準』の『表現定理』は、MC乱数とは限定しない方式、例えば原始多項式を用いる方式、であろうと何であろうが成り立ちます。だからそれが『正単体基準』で合格する乱数の極めて希少である状況』は、MC法であろうとそうではない生成方法であろうと、合格が極めて稀である事を明らかにしています。MC法乱数の検定に必要な労力を述べれば、『乗数の5次以上の一般化2次検定』に合格し、相続く6個までの乱数が『独立であるように見える』という『6次正単体基準稜検定』に合格するMC乱数を発見するには、検定計算プログラムを8個以上CPUの独立なコアに割り振って並列計算を24時間1年間続けて漸く1個得られるかどうか、という希少さを覚悟しなければなりません。単に年間の計算電気代だけでも1kWの電気ストーブを2台、夏は冷房で冷しながら同じ時間連続運転するのと同じ、50万円以上にもなります。『空振りかも知れない』覚悟でスーパーコンピュータを占有して行なう事は夢物語です。大切なのは、この状況は、同様の検定計算を簡単には行なえない他方式、MC乗算合同法以外の方式の乱数生成方法についても成り立つ事です。はっきり言えば『不可能』、有限長さの乱数列サンプルを検定してわかる事ではありません。科学的シミュレーション計算をなさりたいなら、『検定で性質の保障された』MC乱数以外の選択肢はないのです。これはコンピュータセンターには好悪の問題ではありません。
   『正単体基準検定』に合格する乱数は、一様独立性に関して化学での純水の様な存在です。不純な水では出来ない事は多数あり、貴重な資金を純水の製造使用に充てる事が必要なのは良く知れれています。よい譬えではありませんが、天才ニュートンは微分積分を発明し、力学法則、天体運動の法則までも確立して、西欧の産業革命と文明の台頭を、武力的絶対優位を与えました。それまでも大砲は武器として日本でも世界でも用いられていたのでしょうが、力学法則で裏づけされない武力はそうでない武力とは戦う事ができません。日本幕末の大騒乱が示す通りです。現在の世界は漸くこの『武力』の足かせを脱しつつあると期待するのですが…。

    HRFでは平易な明解さに務めながら、定期的にすこしずつ皆様の認識理解に御届けしたい話題の解説を『談話』としてこのホームページに添付公開をする決心をしました。今日はこの『MC法乱数生成方式がコンピュータ上でですべての乱数生成方式を実現する』という話題で下の談話室にダウンロード可能なPDFファイルとして掲示します。この単純だが包括的な結論はしかし、20世紀に百花繚乱、悪く言えば百鬼夜行の大混乱があった事、それもこれもうまく行かない、という先人達のお仕事がなければ、我々には知る事が困難であったでしょう。結果として最も古い乗算合同法が新しい検定基準によって生き残った発見は奇観ですが、それを誇る気持ちにはなれません。

   この掲示板も順次の整備努力とせざるを得ません。途中でもより明解な認識、理解を得れば改訂し、時日をかけて完成を目指します。みなさまの参照読解のご努力を望みます。


[Download]
zzz2.pdf (108kBytes)

(コンピュータ上の)乱数の表現定理

中澤直也/ 中澤 宏
(2024年1月13日)


これは『コンピュータ上ですべての一様乱数は乗算合同(MC)法で表現される』という事柄の証明と意味とを述べています。ダウンロードボタンをクリックしてPDFファイルからお読み下さい。なお、NRLが発見していた#001と#003とを用いるFortranプログラムが別途開示されています。御自分のシミュレーションプログラム、ゲームプログラムに組み込んで直ちに試す事ができます。枚方乱数工房のサービスです。
(注意) ここで述べられる議論は、『コンピュータ上の乱数』に関するものです。そこで可能な表現は桁数有限の循環小数、有理数の乱数に限られます。無理数の乱数を含む『実数軸上の乱数ではない制限』を御認識下さい。『コンピュータ上』の乱数は有理数の上を動く乱数に限られる代り、ここに述べた『MC法による近似表現定理』や生成乱数の連の作る高次元空間の点が作る『格子』といった手掛り、孫子の定理による高速生成などが使えます。一見不自由に見える『整数』算法でも、『検定』で見出された (見出すのは大変ですが) 優れたMC乱数生成機構を使う、高速精細にドラマを見せる事を可能にします。述べられる『表現定理』は MC 法以外も同じ事だが最も検定が容易、と安心を保障する『近似定理』、数理的諸問題や考察の必要の回避を可能能にするものです。この微妙な関係は誇るべき何物でもありませんが、技術的問題が与える奇観を玩味頂ければ幸いです。




[Download]
jb5ka6.pdf (59kBytes)

2つの優れた乗算合同法乱数: 開示

中澤直也/ 中澤 宏
(2024年1月4日)

NRL-HRFが発見している2つの優れたMC乱数生成機構を詳しく開示します。それぞれ使用可能周期254と251を持ち、卓上コンピュータ生成して使い切るのに年の単位を要します。HRFが辛苦と共に開発した『正単体基準検定』に優れた評価で合格した優駿です。Fortranながら実際にMC乱数を生成するsubプログラムを開示しています。シミュレーションプログラム、ゲームプログラムに組み込まれて直ちに使用可能です。生成スピードと優れた統計精度とを経験頂ければ、と思います。