ケナフでA3サイズの紙を漉くバージョンアップしたマニュアルのページへ
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Asahi minami elementary school
茨城県旭村立旭南小学校でのページ
(ケナフで紙をすくマニュアル)
最終更新日 H12.4.2
H11年度の6年生がケナフで卒業証書を作りました。
We are making paper of Kenaf.
印刷所から卒業証書が届きました。 名前書きは私が引き受けました。 |
今年の証書入れは筒でなく, 上の写真のようなファイル型 (折り畳み式)にしてもらいました。 |
真っ赤な花道を,卒業生は ケナフの卒業証書を片手に 堂々と行進し巣立っていきました。 |
とても立派な卒業式でした。 西暦2000年3月23日 |
ケナフでA3サイズの紙をすくマニュアル
はがきサイズで試しに作ったもの。 はがきサイズならとっても簡単です。 |
卒業証書用の大きさ(A3サイズ) この大きさで紙をしくのは,とっても大変 でした。 |
刈り入れからケナフパルプにするまで
@ 6月に種をまいて,ほとんどのケナフ が3m以上の丈になりました。9月には 台風で倒れないように,ケナフ同士をひ もで縛ったり支え棒を立てたりしました。 |
A ケナフの花はとってもきれいでした。 職員室で紅茶にして飲んでみました。 ハーブティーのような??? |
B 11月8日刈り入れ。60本 ほとんど手もかけずに育ちました。 ただ,水だけは豊富に与えました。 その方が成長によいということです。 |
C 一番丈のありそうなケナフは3.78m ありました。 |
D はさみを使ったり木槌を使ったりして, とにかくケナフを細かく砕きました。この 作業はとっても大変でした。 おそらく刈り入れが遅かったため,ケナフ が固くなりすぎてEFの作業が,とっても 大変でした。固い部分を使わなければ良 かったと,思いました。固い部分が細かく なりきれず,できた紙にその荒さが目立っ てしまいました。それがなければ,きれい な紙になったはずなのに・・・。 *霜が降りてからでも 大丈夫だそうです 最近(3月)になって教わったんですが 霜が降りてからでも大丈夫だそうです。 卒業証書を去年から作っている学校の 校長先生から教えていただきました。 花を十分楽めるようです。 でも,固いだろうなあ〜。 |
E 時には,金づちや木槌を使って ケナフを砕く。皮をはいで,皮と芯を マッチ棒位の大きさまで細かくできたら goodです。 |
ミキサーに入れすぎると,今のミキサーは 安全装置が働いて,すぐ止まってしまい ます。古いミキサーの方がよく働いてくれ ました。 F 細かく砕いたケナフを鍋で煮詰める こと2時間。その後,◎ミキサーで砕き 水酸化ナトリウム水溶液に入れて煮詰 めること4時間。ミキサーでさらに細かく 砕く。 ◎の行程を3度繰り返し,どろどろの状態 にしました。 水酸化ナトリウム水溶液 (水酸化ナトリウム20gを水に入れて 合計500ml 位にした割合) 注意)アルマイト等のアルミニウム原料の 鍋を使わな いこと。 鍋が水酸化ナトリウムで溶けます。(黒くなる) *水酸化ナトリウムの代わりに重曹でも良 いそうです。ただし,柔らかくなるのに もっと時間がかかるようです。約2倍位 *今度やるときは,◎の行程の前 に ひたすら木槌でたたいて,繊維状にして ◎の行程を1回にした方が良いのでは, と,ある方から教えていただきました。 来年度はそうしようと思います。 |
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G ボールに入っているのが最初の状態 ガラスの水槽に入っているのがどろどろ の状態にまで砕いたものを,サラシ粉で 漂白したもの。 |
H パルプ(乾燥)左の水槽に入っている どろどろにしたケナフの水分をしぼり, 手のひらでぎゅっと握り乾燥させた。 これは,いつまでも保存できます。 布などで水分を絞りそのままぎゅっと 握ってもOK。 |
ケナフパルプからA3サイズの紙をすくまで | |
@・完全に乾燥させたパルプ(上写真)を 約25g(上の写真の大きさで5個くらい) 写真の手は身長155cm位の小学校 6年生の手です。 ・PVA系の洗濯糊 20ml 位 (ふつうの糊でもOKみたいです) が,だいたいA3サイズの量です。 |
A ミキサーに入れる前に水につけておく とミキサーの負担が軽くなる。 |
B ミキサーの大きさにもよりますが, 上記のパルプと糊に水 約400ml を 入れ約3分ほどミキサーにかける。 |
C よくミキシングされるまで待つ。約3分。 ミキサーはケナフ専用にすることをお進め します。汚れがなかなか落ちないので。 |
D 最初の1枚目の時はミキシングした ものを3〜4杯と適量の水をケースに 入れておく。どろどろになったケナフは 泡立っているので,よくかき混ぜながら 泡をなくす。2枚目からはミキサー1杯 分ずつ増やす。 |
E ここからが,紙すきの本番。 買ってきたケースが小さすぎたので, ここからは独自の方法です。 |
F 紙すきの枠を沈めたら,上の部分の 水を手でよく動かして上から見た水の 濃さが均等になるようにする。 |
G 混ぜるのをやめ水が止まるのを待っ て,そ〜っと枠を引き上げる。 |
H枠の水が完全に落ちるまで待つ。約3分 |
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I枠から金網をはずし,そっと 乾燥させる ベニヤ板のところに持ってくる。 |
J 水が切れていれば,写真のように立て てもずり落ちない。 |
K 静かに,板の上におろしていく。 |
その後金網をはずすのだが,そのまま はずすと写真のように,板とケナフの間 に気泡が入ってしまって,平らな紙が すけない。ここからが試行錯誤で大変 だった。ここでは,網を取らないでKから Lへと進む。 |
成功させるために試行錯誤して 作った必需品 |
L Kの後すぐに穴の開いたアクリル板 を乗せて,上から体重をかけて空気を 出す。 |
色々なことを試した結果 写真のようなアクリル板に穴をあけ,上から押さえて空気を抜くことが一番よいという 結論が出た。厚さ5mmの透明なアクリル板に5mmの穴を写真のようにたくさん開 けた。この穴から空気や水が出る。 |
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M 上から体重をかけて押す。 |
Mの作業で水が出るので,タオルで吸い 取りながら押す。 |
N そっと金網をはずす。 |
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N 空気が抜けたと思ったら,そっと網を はがし取る。 |
それでも少しは気泡が残る。 |
O さらに網戸用の網をかぶせてケナフが ずれないようにして,Pへ |
P 穴のあいたアクリル板を乗せ,Qへ |
Q 上から押さえて空気を抜く。 |
Q 特に気泡のあるところをよく押して 空気を抜く。 |
R そっと網を取る。もし,まだ気泡が あったらQの作業を繰り返す。 |
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S大きなベニヤ板にA3の大きさで6枚 はり,乾かす。 |
いよいよ紙をはがしてできあがり (ア) 完全に乾いたら,焼きそばなどに使う フライ返しなどで はがす。 |
(イ) 端から少しずつはがす。結構, 力が必要です。 |
(ウ) 片隅(5cm位)だけはがせば, 手ではがせる。 |
(エ) 手でゆっくりとはがす。 |
(オ) A3サイズのケナフ紙ができあがり。 |
卒業証書用に厚めにすいた紙 注意)表面がつるつるな図画板に貼って やってみたんですが,乾いたところ から はがれはじめ,ゆがんで乾い てしまって,全部失敗しました。 だから,平らな紙を作るには, ベニヤ板等の表面がつるつるでない ものに貼って乾かすのがベストで した。(A3サイズの場合です) *はがきサイズなら窓ガラス等に貼って もできます。 |
周りを裁断してコピーしてみた見本です。 |
最後に,ここまで来て「やっぱり紙すきの枠に横に2本の背もたれ棒を追加すれば良かった」と後悔しました。背もたれ棒があるところ(縦に2本)がどうしても薄くなってしまい,均等の厚さでなかったため印刷に,ムラができてしまうことがわかったからです。均等の厚さにすくために,枠にあった縦の背もたれ棒2本に,横の背もたれ棒2本を追加しました。卒業証書として印刷所に出したのは,背もたれ棒を追加する前の
厚さに若干の差がある紙です。
枠の中に2本の縦の背もたれ棒がある | 市販の紙すき枠に,横の背もたれ棒2本 を追加した。写真右は内枠と金網 |
このマニュアルは,ケナフ紙を作る一番良い方法というわけではありません。誰が見ても素人がすいた紙だとわかるものですが,手に入った道具で作るために試行錯誤しながら改良し,一応紙と呼べるものになるまでの行程をマニュアル化したものです。苦労したところを特に参考にしてみてください。尚,作り方などはインターネットで色々な紙すきをやっているところを検索し,自分なりにできそうなところだけを取り入れたものが参考になっています。
H12年6月に色々実験したところ,上記の紙よりかなり良い紙ができました。参考にしてください。
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