辺学中文、辺知中国     
中国語を学びながら知る中国考現学

    
   月刊・私の見た中国 

『旅遊車導游リュゥ・ヨゥ・チュゥ・ダォ・ヨゥ』バスガイドさん
 あまたあるガイドさんの中でも、バスガイドさんの話。それも
旅行用のバスガイドさん。ということで、最初の「旅遊車」が
ついてます。これが観光バスを担当、後ろの「導游」は、この
あらゆる職種を指します。ガイドさんは全て、「導游」です。
 ですので、「ガイドブック」は「導游書ダォ・ヨゥ・スゥ」です。

  この職業、日本だと先ず真っ先に、バスガイドさん=制服姿
を思い浮かべる方が多いでしょうが、中国ではこの“制服姿”は
期待しないで下さい。見たことがありません。
 もう一点、バスガイドさん=若い女性の期待にも応えることが
できません、中国では。かなりの割で男性導游がおります。また、
必ずしも若い小姐の導游かどうかは保証の限りではありません。
  割合的には、若い小姐の方が少なかったように思う。
ご期待のそえないところもありますが、バスガイドさんのお話を。
 先ず、お断りしておかなくてはいけないのは、
 私は、日本の所謂、団体旅行に入っての中国観光旅行をこれまで
したことがないので、
今回の旅は、「日本語がとてもお上手なガイドさんでしたよ」とか、
「ガイドさんが親切にしてくれましので、助かりました」などの、経験は
ない。無いが、知り合いにそうした仕事をしてる人はいるので、逆に
「日本の××県からのツァーで、方言が分からず大変でした・・」と
いった、中国のガイドさんからのお話は時に伺ってはいる。
 本筋からちょっと外れるが、ここで気づいていただきたいのは、
例えば、台湾観光団が来て、日本人ガイドツァーが付いた何てな
話はついぞ聞かない。台湾からの添乗員兼ガイドさんがそれを
一人何役かの活躍で片づけてますよね。
 一方、日本人が台湾や大陸でツァーに申し込むと、現地でのガイド
さんは大概、当たり前のように現地の方がする。この点、旅行の形態が
違うのはお気づきでした??

  話を戻す。
此処で私の言う、バスガイドさんは、私がよく中国旅行の旅先で、時に
ホテルのフロントで、時に駅前の観光案内書のようなところで申し込む、
日本で言うなら鳩バス観光のような、地元のバス旅行に乗り込んでくる
ガイドさん限定のお話となっている。その点をまずはお断りして、
  さて、本題に。
ガイドさんそのお仕事そのもののは、国を違えても、やることは同じ。
 名所旧跡を巡り、案内し、説明をする。
具体的はどうなってるか分かりませんが、この方たち、外国人を相手
にするガイドさんは無論のこと、何か資格のようなものをお持ちらしい。
会社に雇われている社員なはずだが、そんな大きな会社はないのか、
会社もそこまでは構わないのか、服装はいたって自由。
 地方都市のホテルで、一日観光Aコースなんてなのを申し込むと、
宿泊先のホテルまで迎えに来てくれて、その玄関口にバスが横付けに
なったりする。これは日本でもある。驚かないが、その辺がまたかなり
ゆるくて、都市にもよるが、のんびりさ加減がこの辺から遺憾なく発揮され
こちらはとうに準備して待ってるのに、待てど暮らせど・・・のこともある。
  それはいい、そんなのは慣れっこ。
  ホテル前、駅前に迎えに来たバスに乗り込むと、座席指定などはない。
それも好い。そう混んでもいないし。先客がいるが、先方もそれぞれに
カップルだったり、小さな団体だったり、乗り込んだ私たちを値踏みする。
  その値踏みとお迎えを数回繰り返し、いよいよコースへ。
  車中、ガイドさんがバスの車窓を指して「右手に見えますのが・・・」
何てなガイドを受けてことは少ない。これもガイドさんによるのでしょうが、
一応の向かう先の説明なんかをしてくれるガイドは、説明をしながらきっと
今日の客を把握するのに熱心なんでしょう、何度も確認するようにこちらを
見て、記憶しようとしてるんでしょう。大変だ、この職業も。
 ツァーに申し込んだ時点で、ホテルフロントからの連絡か何かでこちらが
日本人だとバレてる時もあるし、ガイドさんが知らずにいることもある。
 私の希望は知らずにいてくれた方がいい。
 駅前案内書で申し込んだりするときは、誰もそんなとこに日本人がフラッ
とやってくるなどとは予想してないのか、割と簡単にしかもバレずに乗れる。
 何故日本人とバレると嫌か。それは日本人と分かって反日の攻撃に合う
とかではない。逆。途中まで中国人だと思ってたのが何かの拍子に日本人
だと分かって、バスガイドさんはじめ、乗客のみんなの素振りが急にこちら
を気遣ってか変わるのを好まないからで、取り立てて隠しもしないが、
問われない限り、こちらから名乗ることもしないだけだ。

  一日観光だと、想い出は、存外そのどんな有名な遺跡をみたことより、
そのツァーのお昼の時間の想い出が印象に残ってるのは、私の食い意地
がはってるからだけではないと思う。
 面白いのは、お昼。この時、我々ツァーご一行と、バスガイドさん運転手
さんは食事を一緒にしない。一緒にはいないが、大概田舎なんで、お店は
そこらにしかなく、同じ店で食事する。つまり、ガイドさんと運転手さんたちは
お店の違う部屋で、私の睨んだところ私たちよりランクが上の食事をしてる
らしい。それはツァー客を連れてきてくれたお店側のお礼なんでしょきっと。
  その部屋から楽しそうな話し声や、時にお酒を飲んでるらしき様子が
伝わってくる。大丈夫かぁ?午後の観光??と不安がよぎる。

  各地でそうした観光をしてきた。一番の思い出は。古い古い話だが、
首都北京。悠久の歴史の都。その前にも北京は何度か行ってるが、
さて、正式に名所・旧跡をグルリと回ったことがなかった。そこで、
当時天安門広場の傍にあった、一日観光申込所でツァー参加を
申し込んだ。先払いで、身分証明書を求められることもなく、あっさりと
明日の予約券と領収書が渡された。翌日、朝まだ早くにこの場に集合。
皆さんここから乗るようで、かなりの人数がもう並んでいた。乗ってみたら
空き席はもう2席位。で、バスは出発。パンフレットでは6か所を巡ることに
なっている。車内は後ろの方に、広東省の一団とおぼしき、9人の小団体。
私はホンコン組と呼んでた。南の方からきたらしい夫婦。子連れ2組。
新婚旅行らしきカップル。出張組とおぼしき、6人、・・・といったところ。
 後ろのホンコン組は仲間で盛り上がり、最初からハイテンション。
この9人には通訳がついてる。何せ彼らは広東語。当時、北京語が余り
通じなく、各地その地の言語でやってた頃だ。上海は上海語だったし。
他のカップルは大人しいもので、それぞれの世界をつくっている。
順調に先のお昼の食事もすんだ。
 なんで私らが中国人でないとバスガイドさんが判断したかは分からない。
乗り込んですぐに前の座席背中によくついている取っ手のところに車内
で出るゴミを入れるようにビニールの袋をさげていた。
 この時点で、ガイドさんは、アレッ!と思ったらしい。車中二人は殆ど
喋らない。声高に話することもないし、携帯電話を取り出すでもない。
 でも、何時に戻ってください、とか、車中の説明も分かってるようだ。
 で、いよいよその日の観光も最後というその時、ホンコン組一行が
約束の時間になっても戻ってこない。ガイドさんは探しに建物の中へ。
かなり余裕のあった時間が設定されてたのに、まだ戻らない。
 どうやら、近くの違う建物まで行ったらしい。
 暫くして戻ったホンコン組ご一行はさんざこちらを待たせたのに、
申し訳なさそうな雰囲気もなく、盛り上がったまま乗車。ガイドさんが、
通訳にこんなに遅れては困る・・ってなことを言った。それを広東語で
伝える、ちょっとバスが険悪な雰囲気。そんな“場”を読めないその
内の一人が、バスから何か物を捨てた。
  ここで、バスガイドさんがキレた。完全にキレた。
 もの凄い早口と迫力で「ホニャララ・・・〜××・・・〜」のあと、
「ここにいる日本人を見習いなさい!!ホラ!こうしたゴミ袋も用意し、
何時に集合!って言うと、ちゃ〜んと時間前に来て座って大人しく
待ってるじゃない、それに比べアンタたちは大体・・・」と、ちょっと
言い淀んだ・・・・ちょっと溜めたそのあとに、
 「日本人が私の言ってる中国語が分かるのに、何で中国人のアンタ
たちが中国語が分かんないのよ!!モゥ〜」・・・・と。
  それをくだんの通訳が同時通訳。
  それを聞いたホンコン組ご一行。
何を言ってるかは広東語なんで私には皆目わからない。
通訳さんもそれは北京語にしてはくれない。
でも、でも明らかにわかったことは、この人たち全く反省なんかして
してないな、くらいのことは感じで分かった。
 ガイドさんの怒りおさまらず。あの時のガイドさんが忘れらない。
 更にツァーを終え、バスを降りるとき、
 運転手さんにも一応、ありがとう、の挨拶をしたら、運転手さんは
ボソッと一言、「日本人だったんだ・・・」とつぶやいた。
 あのつぶやきが気にかかる。
 あの運転手さん、賭けでもしてたのかなぁ・・わたしたちがどっから
来たか、とか。そんな感じのささやきでしたよ。


2013年12月


      
   発行年月          月刊 『私の見た中国』 一覧
2010年1月
  『圧歳銭ヤースィチェン』 中国お年玉の相場
   2月    『春 運 ツゥン・ユン』 帰省する人達をどう運ぶか
              3月     『 飯 店 ファン・ディェン』 泊まれば分かる中国ホテル 
               4月     『 清明節 チン・ミィン・ジェ 』 お祭り騒ぎのお墓参り
            5月     『 手 机 ショウ・ジー 』  中国携帯事情
            6月     『 交通標識ジャォ・トン・ビァォ・ヂィ』道路標識が何よ!
           7月     『 請挙手!チン・ジュゥ・ショゥ』老師!シュワッチの挙手
             8月     『888ファファファ』 中国人は何故8が好き?
             9月     『角色扮演 ジェ・スゥ・バン・イェン』 中国コスプレ術?
      10月    『喫月餅 チィ・ユェ・ビン』月餅を食す、今年の月餅は・・・
     11月   『 堵車  ドゥ・チュゥ 』渋滞だよ、渋滞。どうする・・
          12月    『 下雪了! シィァ・シュェ・ラ 』  アッ!雪だ!!
 2011年 1月    『乗坐和諧号チェン・ズゥォ・フゥ・シェ・ハォ』中国の新幹線
           2月     『 討飯的 タォ・ファン・ダ 』 中国・乞食目撃情報    
         3月     『放鞭炮 ファン・ビェン・パォ』 爆竹は派手でなくちゃ
             4月    『虚擬掃墓シュゥ・ニィ・サォ・ムゥ』なんでバーチァルなの・・・
           5月    『超過装載量!』それって積みすぎでしょ!危ないし
              6月    『光膀子 グァン・バン・ズ』これぞ、中国式クールビズ
            7月     『 裸 婚 ルゥォ・フン 』  婚姻届だけの結婚
              8月     『可笑的T恤クー・シャォ・ダ・ティ・シュ』 笑えるティーシャツ
     9月    『地 書 ディ・スゥ 』 消えゆく“書”の芸術
       10月   『火 鍋 フォ・グォ 』 お勧め!中国寄せ鍋事情
       11月   『在澡堂洗澡ザィ・ザォ・タン・シィ・ザォ」 いざ、銭湯へ
       12月   『聖誕節的肯徳基』 クリスマスの日のケンタッキー
2012年 1月     『中国的蛋米羔ダン・ガォ』 中国製ケーキは今、
       2月      『乱途乱画ルァン・トゥ・ルァン・ファ』 落書き
       3月     『帥哥送貨!スヮィ・グゥ・ソン・フォ』イケメン届けます!
       4月      『 五体投地 ウーティトゥディ 』 本物を見てよ・・・・
        5月     『 帯盒飯 ダィ・フゥ・ファン 』お弁当を持って・・・
        6月      『 名片 ミィン・ピェン 』 中国・名刺活用法
        7月      『高 考 ガォ・カォ』大学受験の季節がやってきた!
       8月     『奥林匹克アォ・リン・ピ・ク』 オリンピックの年です
       9月      『做作業 ズゥォ・ズゥォ・イェ』 宿題やらなくちゃ
      10月     『 包装 バォ・ズァン 』 過剰包装かも・・・
       11月     『討價還價タォ・ジィァ・ホアン・ジィァ』 買い物指南
       12月     『白衣悪魔 バァィ・イー・ウェ・モォ』 白衣の悪魔って・・!
2013年 1月     『農貿市場ノン・マォ・シー・チャン』市場がなくなるかも
       2月     『団圓飯トゥァン・ユァン・ファン』一家団欒での食事
       3月     『三八婦女節サン・バァ・フゥ・ニュゥ・ジェ』天の半分を支える
       4月     『錦旗 ジン・チィ』 褒められも、感謝もされず
       5月    『黒板報ヘィ・バン・バォ』粉筆で描く芸術
        6月    『山寨文化サン・ザィ・ウェン・ファ』って何よ!
        7月   『××書城 ×・×・スゥ・チャン』中国大型書店では、
       8月     『相親 シャン・チン』 お見合いですよ〜!
       9月    『教師節ジャォ・シィ・ジェ』教師に感謝の日です
       10月     『洗脚 シィ・ジャォ』 足湯は如何ですか。
       11月   『大熊猫ダァ・ション・マォ』パンダ・ぱんだ・Panda!
       12月   『旅遊車導游リュゥ・ヨゥ・チュゥ・ダォ・ヨゥ』バスガイドさん
2014年 1月   『握手 ウォ・ショゥ』 あぁ・・・、あくしゅ?・・ですね
       2月   『小公シャォ・ゴン』小さな乗り合いバス、日本にこれがあれば
       3月     『透明門簾トゥ・ミン・モン・リェン』ビニールのカーテン
       4月   『打車 ダァ・チュゥ』 ハラハラドキドキの中国タクシー
      5月   『賞花シャン・ファ』 中国で花を愛でる
       6月   『超市ツァォ・シィ』 中国のスーバーへ行ってみれば
       7月   『煎餅ヂェン・ビン』 これぞ中国式B級グルメ
       8月   『中国的焔火イェン・フォ』 夏だ!花火だ!!
       9月     『晒服 サィガンイー』 はためくのよう
       10月    『去博物館 チゥ・ボゥ・ウ・グァン」 博物館へ!
       11月   『光棍節 グァン・グン・ジェ」 11・11狂乱
       12月    『站着吃 ヂァン・ヂャ・チィ』 立ち食いについて考える
2015年 1月   『賀年片 フゥ・ネェン・ピェン』  中国の年賀状
       2月   『校服 シャォ・フゥ』学生服って・・・ジャージじゃないですか
       3月   『校花 シャォ・ファ 』 我が校のマドンは・・
        4月   『学校食堂シュェ・シャォ・シィ・タン』 ガクショクだよ
       5月   『街頭売貨ジェ・トゥ・マィ・フォ』 立ち売りの人達
        6月    『ロ少架 ツァォ・ジャァ 』 中国式ケンカの仕方
       7月   『小秘 シャォ・ミィ 』 秘書であって秘書でなし
       8月   『街道樹ジェ・ダォ・スゥ』 中国の街路樹や如何に
       9月   『假幣 ジャァ・ビィ 』 コレッ、ニセ札ジャン!
       10月   『空中小姐コン・ヂォン・シャォ・ジェ』は、飛んでます。
       11月   『素菜 スゥ・ツァィ 』 本場、精進料理のお味は?
      12月   『方便面ファン・ビェン・ミェン』 インスタントラーメンかよ。
2016年 1月   『抱嬰ルバォ・イン・アール』 おんぶ に だっこ
       2月   『算命先生スァン・ミン』 占ってさしあげましょう
        3月     『中国的麻将マージャン』 麻将と麻雀は別もん
       4月   『減速帯ジェン・スゥ・ダィ?』蒲鉾型の突起物
        5月      『 嘆息 タン・チィ 』 溜息なんかついたりして
        6月   『文明大一歩ウェン・ミン・イー・ブゥ』 偉大なる一歩!
        7月     『三色旗袋サン・スゥ・チィ・ダィ』 トリコロール袋の時代
              8月     『田径型卓子ティン・ジンサィ・シン・ズォ・ズ』競技場型会議机
       9月   『低頭族 ディ・トゥ・ズゥ』 スマホが中国人を黙らせる!
       10月    『 辣椒 ラー・ジャォ 』 トウガラシ・辛いのはお好きですか
         11月   『 中国的郵局 ヨゥ・ジュゥ 』 中国郵便局事情
      12月    『機場ジィ・チャン』巨大な飛行場が続々
2107年 1月    『快子 クゥァィ・ズ』 お箸の文化
       2月    『拉拉手 ラ・ラ・ショウ』 お手て繋いで
       3月    『公交車 ゴン・ジャォ・チュー』 路線バスの旅
       4月    『穿鞋 ツァン・シェ』 鞋と靴
       5月    『寵物 チョン・ウー』 ペットを飼う
       6月    『按喇叭アン・ラー・バァ』 鳴りやまぬクラクション
       7月    『午睡ウー・スィ』 お昼寝の時間です
       8月    『喝口卑酒フゥ・ピィ・ジュゥ』夏だ!ビールだ!!
     9月    『液晶壁板イェ・ジン・ビィ・バン』 液晶だらけ
      10月    『碗装蕎麦麺式吃飯ワン・ズァン・チャォ・マィ・ミェン・チィ・ファン』
     11月    『確認座位チュェ・レン・ズォ・ウェィ』 リコンファームは面倒
        
            
              『私の見た中国』は毎月一回それぞれ
                其の月の数と同じ日に更新となります。
          これとは別に隔月で発行の
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