辺学中文、辺知中国     
中国語を学びながら知る中国考現学

    
   月刊・私の見た中国 

『小公シャォ・ゴン』小さなバス、これが日本にもあれば
  日本に有って、中国にはないもの。
中国には有って、日本にはないもの。
 そうしたものは、双方に存在する。
それは、形の見えない精神的な部分でも存在するし、
物として、あっちには有ってこっちには無いものは存在する。
 その意味でも、双方に存在する。
 それはまた、こと中国に限ったものではない。
それぞれの国の“文化”が違うように、それぞれの“もの”がある。
 例えば、台所用品などで、欧米の人達はこんなものにまで、
それぞれ小さな専用の道具があるのか、と驚く位道具を持とうする。
 或いは中国との関係で言うなら、2013年10月号で書いている、
「洗脚シィ・ジャォ」のような機械は日本では家電として存在しない。
 最近見られるようなったが、事務所などに置かれている大きな
ペットボトルを逆さにしたような給水機は以前はなかった。
 逆に、日本に有って中国にはないものを挙げるなら、例えば
コタツがそうだ。生活様式が違うのでアレは中国に存在しない。
 表題の「小公シャォ・ゴン」もその一つ。
ないもの、は訳しづらい。そこでどうしても説明文的訳になるが、
「ちいさな乗り合いバス」とした。
 これも先にあげた、給水機と同じ様に日本へ入ってきたが、
日本の給水機には、中国の様に水は勿論だがお湯も出る機能が
付いてないのと同じように、ちょっと違う。
 恐らく、日本では様々な規制があってそうなっているのだと思う。
「小公」は省略型でして、本来は「小公共汽車」シャォ・ゴン・ゴン・
チー・チゥーという。

「公共汽車ゴン・ゴン・チー・チゥー」(バス)というのが先にあって、
それに「小」さいのだから、「小公」。
 説明するまでもないと思うが、中国語で「汽車」は日本語のそれと
は違い、クルマ・自動車を言う。「公共」の意味は同じ。
 これ、最近では逆に中国でだんだん無くなりつつあるので、この辺
で無くなる前に書いておこう、と思って今回はこれを取り上げる。
 90年代がその盛りだったのだろうか、中国の何処でも見られた。
 小さなバス、というがどれくらい小さいか、というと多少違いはある
んですが、小は、軽四輪車の荷台を改造したものから、ちょっと
大きくなると普通乗用車位の大きさの箱型の車。
 ドアを開け、呼び込みさんが待ってます。
 日本ではいまこの手の、バスと見まがうばかりの大きな乗用車が
あるが、あんなには大きいやつから。郵便局の小包を配達してい
るあの軽四輪車を思い浮かべていただいて構わない小さなものまで
いろいろですが、。これをバスとして利用する。つまり交通機関となる。
バスは都市交通ですから、中国でも公共のものをなっている。その各
自治体が運営している。例外はあるが。
 で、この「小公」も、都市交通としてそうなってるいるかというと、それ
は違う。公共性があるので、許可性にはなっているとは思うが。
 観光地などでは、駅とその観光拠点を結ぶ路線専用。街ではバスと
同じように走っているが、決定的にバス「公共汽車」と違うのは、「小公」
はどこでも停まってくれる。バス停を無視。この点ではタクシーに準ずる。
 だが、路線があってその路線上を往復しているだけで、客の注文に
応じて適当に入ってはくれない。この点で、バス。
 基本、何席かあるその荷台を改造した座席が満席かそれに近い
状態にならないと発車しない。この点ではタクシーともバスとも違う。
  さて、実際にどうなるのか。
 先ず、バスの路線があるとします。日本ではナニナニ線と呼ばれ、
始発点があり、終着点があり、その区間を運営している。
 中国では、線ではなく路(ルー)と呼ぶ。それにどちらも同じようにその
前に便宜上の数字をのせて、1番線とか102バンとか呼ばれるものを、
1路イー・ルゥとか、102ヤォ・リン・アールとか呼んでいる。
 これは呼び名の違いだからそう重要ではない。
違いは、「公共汽車」の方は、この路線の区間にある「車站チゥーヂャン」
に停まりながら、時間通りかどうかは怪しいが、定期的に結ぶ。
 多分、運営側の一番望ましいのは、始発点で人を目いっぱい乗せて、
一気に終点まで運ぶ、小リムジン型だと思うが、そう上手くは行かん。
 で、「小公」は、路線こそ決まってはいるが、「車站」に関係なく、
この路線上で待っていて、そこで手を挙げ空きがあれば停まる、乗せる。
 降りる時だって、アッあそこで・・と言えば、停まって降ろしてくれる。
ここがタクシーなみ。但し、そこを曲がって・・とは言えない。
「小公」は採算性重視なので、バス路線全部に走っているわけではない。
 つまり一日中走ってない。混雑が予想される時間帯のみ。
通勤時間帯などに、バスより快適な通勤を望む人たちに「小公」は
利用されてる。当然、バスよりお値段が少し高い。タクシーより安い。
 これ、便利でしょ。
 日本にもこれがあればいいのになぁ・・・と思う。
中国は人が多いから、アレできるのかなぁ。日本は何故できない。
私の住む地方都市などは、普通の路線バスがずっと赤字。
見ていても、平日の日中などのバスは文字通りのワンマンバス。
つまり、運転手一人しか載ってない。なら、いっそ小さな「小公」を
走らせるだけでいいんじゃない、と思っちゃう。
 中国の「小公」の問題は、先に書いたように採算重視。
これが困る。
 ある中国の観光地。駅を出たら、「小公」が、その地の旧跡までを
がなりたて、客を呼び込んでいる。これ幸いと乗り込んで、先客が
いることに気付いた。たまたま時間帯が悪かったのか、なかなか
満席にならない。その内、後ろの乗客のひそひそ声が聞こえてきた。
なんと驚いたことに後ろ三人組は日本人だった。大学生の貧乏旅行。
私ら二人が乗り込んで現在5人。あと、空席は4席。もうこの人数で
採算ベースにのるんじゃないの、と思い呼び込みお兄ちゃんに、
「走口巴!走口巴!!」とけしかけてみるが、あと一人、とお兄ちゃん
は譲らない。やっと後から一人が。これでいよいよ発車か、と思った。
ところが、この人は地元の人で、バスの終点ではなく、途中で降りる
らしい。ということで、あと一人・・となった。実はこの次の人も同じ様に
途中下車地元人。お兄ちゃんはあと一人・・と。
 ところで貴方たちは何時からこの状態で待ってるの?と日本語で
大学生たちに尋ねた。無論、呼び込みお兄ちゃんは何を言ってるかは
分からない。ナント!彼らはもうかれこれ1時間もこの車の後方座席で
待ってるんだという。え〜っと驚いた。
 そこで私は、一旦クルマの外へ出て、「走口巴!」と同じように言った。
実は大学生たちは何を言われてるか判らないのだが、お兄ちゃんは、
これは・・日本人が一斉に降りてしまうのかと焦ったのだろう、
私を無理やり、クルマに押し込め、急発進した。作戦成功!!


2014年2月2日


      
   発行年月          月刊 『私の見た中国』 一覧
2010年1月
  『圧歳銭ヤースィチェン』 中国お年玉の相場
   2月    『春 運 ツゥン・ユン』 帰省する人達をどう運ぶか
              3月     『 飯 店 ファン・ディェン』 泊まれば分かる中国ホテル 
               4月     『 清明節 チン・ミィン・ジェ 』 お祭り騒ぎのお墓参り
            5月     『 手 机 ショウ・ジー 』  中国携帯事情
            6月     『 交通標識ジャォ・トン・ビァォ・ヂィ』道路標識が何よ!
           7月     『 請挙手!チン・ジュゥ・ショゥ』老師!シュワッチの挙手
             8月     『888ファファファ』 中国人は何故8が好き?
             9月     『角色扮演 ジェ・スゥ・バン・イェン』 中国コスプレ術?
      10月    『喫月餅 チィ・ユェ・ビン』月餅を食す、今年の月餅は・・・
     11月   『 堵車  ドゥ・チュゥ 』渋滞だよ、渋滞。どうする・・
          12月    『 下雪了! シィァ・シュェ・ラ 』  アッ!雪だ!!
 2011年 1月    『乗坐和諧号チェン・ズゥォ・フゥ・シェ・ハォ』中国の新幹線
           2月     『 討飯的 タォ・ファン・ダ 』 中国・乞食目撃情報    
         3月     『放鞭炮 ファン・ビェン・パォ』 爆竹は派手でなくちゃ
             4月    『虚擬掃墓シュゥ・ニィ・サォ・ムゥ』なんでバーチァルなの・・・
           5月    『超過装載量!』それって積みすぎでしょ!危ないし
              6月    『光膀子 グァン・バン・ズ』これぞ、中国式クールビズ
            7月     『 裸 婚 ルゥォ・フン 』  婚姻届だけの結婚
              8月     『可笑的T恤クー・シャォ・ダ・ティ・シュ』 笑えるティーシャツ
     9月    『地 書 ディ・スゥ 』 消えゆく“書”の芸術
       10月   『火 鍋 フォ・グォ 』 お勧め!中国寄せ鍋事情
       11月   『在澡堂洗澡ザィ・ザォ・タン・シィ・ザォ」 いざ、銭湯へ
       12月   『聖誕節的肯徳基』 クリスマスの日のケンタッキー
2012年 1月     『中国的蛋米羔ダン・ガォ』 中国製ケーキは今、
       2月      『乱途乱画ルァン・トゥ・ルァン・ファ』 落書き
       3月     『帥哥送貨!スヮィ・グゥ・ソン・フォ』イケメン届けます!
       4月      『 五体投地 ウーティトゥディ 』 本物を見てよ・・・・
        5月     『 帯盒飯 ダィ・フゥ・ファン 』お弁当を持って・・・
        6月      『 名片 ミィン・ピェン 』 中国・名刺活用法
        7月      『高 考 ガォ・カォ』大学受験の季節がやってきた!
       8月     『奥林匹克アォ・リン・ピ・ク』 オリンピックの年です
       9月      『做作業 ズゥォ・ズゥォ・イェ』 宿題やらなくちゃ
      10月     『 包装 バォ・ズァン 』 過剰包装かも・・・
       11月     『討價還價タォ・ジィァ・ホアン・ジィァ』 買い物指南
       12月     『白衣悪魔 バァィ・イー・ウェ・モォ』 白衣の悪魔って・・!
2013年 1月     『農貿市場ノン・マォ・シー・チャン』市場がなくなるかも
       2月     『団圓飯トゥァン・ユァン・ファン』一家団欒での食事
       3月     『三八婦女節サン・バァ・フゥ・ニュゥ・ジェ』天の半分を支える
       4月     『錦旗 ジン・チィ』 褒められも、感謝もされず
       5月    『黒板報ヘィ・バン・バォ』粉筆で描く芸術
        6月    『山寨文化サン・ザィ・ウェン・ファ』って何よ!
        7月   『××書城 ×・×・スゥ・チャン』中国大型書店では、
       8月     『相親 シャン・チン』 お見合いですよ〜!
       9月    『教師節ジャォ・シィ・ジェ』教師に感謝の日です
       10月     『洗脚 シィ・ジャォ』 足湯は如何ですか。
       11月   『大熊猫ダァ・ション・マォ』パンダ・ぱんだ・Panda!
       12月   『旅遊車導游リュゥ・ヨゥ・チュゥ・ダォ・ヨゥ』バスガイドさん
2014年 1月   『握手 ウォ・ショゥ』 あぁ・・・、あくしゅ?・・ですね
       2月   『小公シャォ・ゴン』小さな乗り合いバス、日本にこれがあれば
       3月     『透明門簾トゥ・ミン・モン・リェン』ビニールのカーテン
       4月   『打車 ダァ・チュゥ』 ハラハラドキドキの中国タクシー
      5月   『賞花シャン・ファ』 中国で花を愛でる
       6月   『超市ツァォ・シィ』 中国のスーバーへ行ってみれば
       7月   『煎餅ヂェン・ビン』 これぞ中国式B級グルメ
       8月   『中国的焔火イェン・フォ』 夏だ!花火だ!!
       9月     『晒服 サィガンイー』 はためくのよう
       10月    『去博物館 チゥ・ボゥ・ウ・グァン」 博物館へ!
       11月   『光棍節 グァン・グン・ジェ」 11・11狂乱
       12月    『站着吃 ヂァン・ヂャ・チィ』 立ち食いについて考える
2015年 1月   『賀年片 フゥ・ネェン・ピェン』  中国の年賀状
       2月   『校服 シャォ・フゥ』学生服って・・・ジャージじゃないですか
       3月   『校花 シャォ・ファ 』 我が校のマドンは・・
        4月   『学校食堂シュェ・シャォ・シィ・タン』 ガクショクだよ
       5月   『街頭売貨ジェ・トゥ・マィ・フォ』 立ち売りの人達
        6月    『ロ少架 ツァォ・ジャァ 』 中国式ケンカの仕方
       7月   『小秘 シャォ・ミィ 』 秘書であって秘書でなし
       8月   『街道樹ジェ・ダォ・スゥ』 中国の街路樹や如何に
       9月   『假幣 ジャァ・ビィ 』 コレッ、ニセ札ジャン!
       10月   『空中小姐コン・ヂォン・シャォ・ジェ』は、飛んでます。
       11月   『素菜 スゥ・ツァィ 』 本場、精進料理のお味は?
      12月   『方便面ファン・ビェン・ミェン』 インスタントラーメンかよ。
2016年 1月   『抱嬰ルバォ・イン・アール』 おんぶ に だっこ
       2月   『算命先生スァン・ミン』 占ってさしあげましょう
        3月     『中国的麻将マージャン』 麻将と麻雀は別もん
       4月   『減速帯ジェン・スゥ・ダィ?』蒲鉾型の突起物
        5月      『 嘆息 タン・チィ 』 溜息なんかついたりして
        6月   『文明大一歩ウェン・ミン・イー・ブゥ』 偉大なる一歩!
        7月     『三色旗袋サン・スゥ・チィ・ダィ』 トリコロール袋の時代
              8月     『田径型卓子ティン・ジンサィ・シン・ズォ・ズ』競技場型会議机
       9月   『低頭族 ディ・トゥ・ズゥ』 スマホが中国人を黙らせる!
       10月    『 辣椒 ラー・ジャォ 』 トウガラシ・辛いのはお好きですか
         11月   『 中国的郵局 ヨゥ・ジュゥ 』 中国郵便局事情
      12月    『機場ジィ・チャン』巨大な飛行場が続々
2107年 1月    『快子 クゥァィ・ズ』 お箸の文化
       2月    『拉拉手 ラ・ラ・ショウ』 お手て繋いで
       3月    『公交車 ゴン・ジャォ・チュー』 路線バスの旅
       4月    『穿鞋 ツァン・シェ』 鞋と靴
       5月    『寵物 チョン・ウー』 ペットを飼う
       6月    『按喇叭アン・ラー・バァ』 鳴りやまぬクラクション
       7月    『午睡ウー・スィ』 お昼寝の時間です
       8月    『喝口卑酒フゥ・ピィ・ジュゥ』夏だ!ビールだ!!
     9月    『液晶壁板イェ・ジン・ビィ・バン』 液晶だらけ
      10月    『碗装蕎麦麺式吃飯ワン・ズァン・チャォ・マィ・ミェン・チィ・ファン』
     11月    『確認座位チュェ・レン・ズォ・ウェィ』 リコンファームは面倒
        
            
              『私の見た中国』は毎月一回それぞれ
                其の月の数と同じ日に更新となります。
          これとは別に隔月で発行の
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