辺学中文、辺知中国     
中国語を学びながら知る中国考現学

    
   月刊・私の見た中国 

『去博物館チゥ・ボゥ・ウ・グァン』博物館へ!
 中国へ行かれたら、博物館へ行くことをお勧めします。
行ったことがある、とおっしゃる方。恐らくは「上海博物館」。
あそこはちょっと、面白くない。或いは北京の「故宮」。あそこ
はあそこで「故宮博物館」ってくらいですから立派な「博物館」。
でもほら、あそこって外国人御用達の「博物館」でして、もっと
小さな町の、或いは地方の「博物館」がお勧め。
ここは面白い。愉しめる。

 わたしが中国で行きい場所。博物館・美術館・図書館・
茶館、(順不同)と何故か最後に“館グァン”の付く所が多い。
 ずらっと並んだこれらを見ていただいても、そこはかとなく、
高尚なわたしの趣味が透けて見えてきそう・・・でしょ。
 これらの場所の好い点は、一つには、中国にあってどちらかと
いえば、静かな場所だからでもあります。
 こうした場所でも偶にデカイ声で話をしてる人はいますし、
床に痰を吐こうなんてな人がいないことはないが、例外だ。
 “静”を好む私としての、避難場所でもあります。
 ということで、今回のテーマは、「博物館ボゥ・ウ・グァン」
毎回申し上げておりますが、中国語が有り難いのは、ホラッ!
何せ見て分かっちゃう。その意味が。漢字は有り難い。
 但し、音は違いますよ、音は。これも毎回のことですが。
因みに、前にある「去チゥ」は、動詞先型の中国語にあって、
「行く」の意味。因みに、因みに日本語の「さる」の意味の方の、
その場を去る、てな用法では、中国語では「走ゾゥ」を使います。
「行く」が「走る」になってしまいます。では「走る」は・・・、と
ここらがややこしい。ややこしさも面白さの一つ。
 中国の「博物館」をお勧めする理由は、簡単。面白いから。
結論から先に。中国の「博物館」は面白い。笑っちゃう、くらい。
 何がそんなに面白いかって、日本の博物館と全然違う。
その一番の違い。中国「博物館」は何故かニセモノだったり、
明らかに故意に真実とは似て非なる物が展示されてる。
 「博物館」で展示されてるものもニセモノなら、「博物館」が
そう言うんなら・・・と信じてはいけない。ウソだったりもする。
 それをそこらの人や、そこらの店がやるなら、まだしも、
「博物館」ですよ、博物館がやっちゃうとこが凄い。
 それを見付ける楽しみがあるといえば、そうも言える。
ものは言いようだ。「博物館」にそんな使命があるとは思えない。
 つい、信じたくなるんですよね、でも中国の「博物館」では、
そこをグッとこらえて、これはマヤカシなんじゃねぇの・・・と、
眉毛に唾をつけて眺めたりしなくてはならない。
 “博物”、ですからね、何を展示して頂いてもそれはそれで、
一興でしょうが、間違った展示や情報はいけません。
 それが、故意であろうとなかろうと、ですね。
 想像上の動物といわれる誰もが知っているあの動物のミイラ
というのを見せられた。これって何かのお遊びですか。
 まず、並べ方がなってない。無茶苦茶。時々何の説明もない、
脈絡もない展示物が、割と大きなスペースを占めて、ド〜ンと
置かれていたりする。あり得ない。部屋が薄暗く、展示順を示す
ものもなく、何を見せられたのかも理解できない。不思議だ。
この世に存在しないものが展示されてたりする。何を見せたいの
かが、判らない。
 どうです、楽しそうでしょ。あなたの「博物館」の概念を根底から
覆してくれるかも知れませんよ。
 共産党発祥の地や、五つの星に代表される革命同志の故郷に
近い「博物館」。如何に共産党が素晴らしく、立派だったかを展示
するだけの「博物館」と言うより、これ「記念館」でしょ。
 それに、肝心な時の写真がないくせに、肝心じゃないときは写真
が撮られていて、日本人はこんな悪かった、と強調されていました。
 なんだろなぁ〜、当時の日本人大佐の部屋を再現してますが、
これがまた、笑える。着物の着方やら、家具の配置や、置かれてる
調度品、例えば花瓶、そんな柄は日本にはない。そんな日本刀はない。
 などなど、突っ込みどころ満載。「博物館」に居ることを忘れ、
まるで、間違いさがしクイズにでも参加してるような錯覚に陥る。
  いろんな「博物館」で散々笑わせて頂いた。
 ←中国・茶壺チャァ・フゥ。
 某日・某「博物館」は、陶器の展示で有名。、茶器の展示も多数。
中国・茶壺チャ・フゥ(急須)の収集家でもある、高尚な趣味をもつ私。
その茶壺の有名な生産地にも近いその「博物館」。思いもせぬ収穫
に、その日は珍しく大満足。
 「博物館」かくあるべし、と思った。心の中で褒め称えた。
  さて、出口近くにあった、売店。ケースの中には今まさに見てきた
茶壺の古今コレクションが写真と共に一冊の本として出版されていた。
 これは買うでしょ。初めてこんな本があるのを知った。
 写真を多用しているせいか、中国の本にしては少し高めのお値段。
でも、高尚な趣味をもつ私。金に糸目はつけません。高いといっても
知れてる。日本にすれば小説本レベルの値段。
 更に私はその隣に有った本も、同行者の嫌がる素振りも物ともせず、
お買い上げ。
 「博物館」内の展示も好かったし、思わぬ収穫もあった。大満足。
 「博物館」を出て、角を一つ曲がった。そこに薄汚れてうらぶれた、
何屋さんなのかも、判然としないお店が。店の前に本が積まれていた。
本屋ではないようだが、一応本となれば、その魔力に引き寄せられ、
その積まれている本を手に取った。
 パラパラとめくる。正にいまいま「博物館」付属売店で買った本だ。
 同じだ。間違いない。出版社も同じ、装丁も同じ、何より中が同じ。
違うのは売値。ナント、安い。
 「博物館」のそれよりも。安い。しかも、物は同じ。ナンデ??
 「博物館」だから信用したのに。しかも、本には定価というものが。
 怪しい。この店のこの本、ひょっとしてニセモノか。
 たった今、買ったんんだ。しかも、すぐそこで。
 もう一度取って返して、この本返してこようか。
 ただ、売店は出口付近にあったが、出口からは入れないだろう。
 となれば、もう一度、入場券を買って入るよりないか。
 入って、売店に行っても、返品に応じるかどうかの保証がない。
 この場合、入場料と、その間の時間と、私のやるせない感情とが
 全て無駄になる・・・。
 そんな事を考え、店先で、悔しさのあまりまだ本を手にしていると、
 その店の老板ラォ・バン(店主)が言った、
 「この本は最近、新版が出て、これは旧版なんだよ。だから安く
  しといた。」なるほど。「博物館」は在庫整理でも値段据え置きか。
   じゃぁ、新版と取り換えてもらえば、好いではないか。
 老板が追い打ちをかける。「あそこにゃぁ新版はないね。」
 「博物館」だからといって、公生に良心的に物を売ってるとは限らない
ということを学んだ。
  心の中で恨んだ、ちょっと舌打ちもした。
 


2014年10月


      
   発行年月          月刊 『私の見た中国』 一覧
2010年1月
  『圧歳銭ヤースィチェン』 中国お年玉の相場
   2月    『春 運 ツゥン・ユン』 帰省する人達をどう運ぶか
              3月     『 飯 店 ファン・ディェン』 泊まれば分かる中国ホテル 
               4月     『 清明節 チン・ミィン・ジェ 』 お祭り騒ぎのお墓参り
            5月     『 手 机 ショウ・ジー 』  中国携帯事情
            6月     『 交通標識ジャォ・トン・ビァォ・ヂィ』道路標識が何よ!
           7月     『 請挙手!チン・ジュゥ・ショゥ』老師!シュワッチの挙手
             8月     『888ファファファ』 中国人は何故8が好き?
             9月     『角色扮演 ジェ・スゥ・バン・イェン』 中国コスプレ術?
      10月    『喫月餅 チィ・ユェ・ビン』月餅を食す、今年の月餅は・・・
     11月   『 堵車  ドゥ・チュゥ 』渋滞だよ、渋滞。どうする・・
          12月    『 下雪了! シィァ・シュェ・ラ 』  アッ!雪だ!!
 2011年 1月    『乗坐和諧号チェン・ズゥォ・フゥ・シェ・ハォ』中国の新幹線
           2月     『 討飯的 タォ・ファン・ダ 』 中国・乞食目撃情報    
         3月     『放鞭炮 ファン・ビェン・パォ』 爆竹は派手でなくちゃ
             4月    『虚擬掃墓シュゥ・ニィ・サォ・ムゥ』なんでバーチァルなの・・・
           5月    『超過装載量!』それって積みすぎでしょ!危ないし
              6月    『光膀子 グァン・バン・ズ』これぞ、中国式クールビズ
            7月     『 裸 婚 ルゥォ・フン 』  婚姻届だけの結婚
              8月    『可笑的T恤クー・シャォ・ダ・ティ・シュ』 笑えるティーシャツ
     9月    『地 書 ディ・スゥ 』 消えゆく“書”の芸術
       10月   『火 鍋 フォ・グォ 』 お勧め!中国寄せ鍋事情
       11月   『在澡堂洗澡ザィ・ザォ・タン・シィ・ザォ」 いざ、銭湯へ
       12月   『聖誕節的肯徳基』 クリスマスの日のケンタッキー
2012年 1月     『中国的蛋米羔ダン・ガォ』 中国製ケーキは今、
       2月     『乱途乱画ルァン・トゥ・ルァン・ファ』 落書き
       3月     『帥哥送貨!スヮィ・グゥ・ソン・フォ』イケメン届けます!
       4月     『 五体投地 ウーティトゥディ 』 本物を見てよ・・・・
        5月     『 帯盒飯 ダィ・フゥ・ファン 』お弁当を持って・・・・
        6月     『 名片 ミィン・ピェン 』 中国・名刺活用法
        7月     『高 考 ガォ・カォ』大学受験の季節がやってきた!
       8月     『奥林匹克アォ・リン・ピ・ク』 オリンピックの年です
       9月     『做作業 ズゥォ・ズゥォ・イェ』 宿題やらなくちゃ
      10月     『 包装 バォ・ズァン 』 過剰包装かも・・・
       11月     『討價還價タォ・ジィァ・ホアン・ジィァ』 買い物指南
       12月     『白衣悪魔 バァィ・イー・ウェ・モォ』 白衣の悪魔って・・!
2013年 1月     『農貿市場ノン・マォ・シー・チャン』市場がなくなるかも
       2月     『団圓飯トゥァン・ユァン・ファン』一家団欒での食事
       3月     『三八婦女節サン・バァ・フゥ・ニュゥ・ジェ』天の半分を支える
       4月     『錦旗 ジン・チィ』 褒められも、感謝もされず
       5月    『黒板報ヘィ・バン・バォ』粉筆で描く芸術
        6月    『山寨文化サン・ザィ・ウェン・ファ』って何よ!
        7月   『××書城 ×・×・スゥ・チャン』中国大型書店では、
       8月     『相親 シャン・チン』 お見合いですよ〜!
       9月    『教師節ジャォ・シィ・ジェ』教師に感謝の日です
       10月     『洗脚 シィ・ジャォ』 足湯は如何ですか
       11月   『大熊猫ダァ・ション・マォ』パンダ・ぱんだ・Panda!
       12月   『旅遊車導游リュゥ・ヨゥ・チュゥ・ダォ・ヨゥ』バスガイドさん
2014年 1月   『握手 ウォ・ショゥ』 あぁ・・・、あくしゅ?・・ですね
       2月   『小公シャォ・ゴン』小さな乗り合いバス、日本にこれがあれば
       3月     『透明門簾トゥ・ミン・モン・リェン』ビニールのカーテン
       4月   『打車 ダァ・チュゥ』 ハラハラドキドキの中国タクシー
      5月   『賞花シャン・ファ』 中国で花を愛でる
       6月   『超市ツァォ・シィ』 中国のスーバーへ行ってみれば
       7月   『煎餅ヂェン・ビン』 これぞ中国式B級グルメ
       8月   『中国的焔火イェン・フォ』 夏だ!花火だ!!
       9月     『晒服 サィガンイー』 はためくのよう
       10月    『去博物館 チゥ・ボゥ・ウ・グァン」 博物館へ!
       11月   『光棍節 グァン・グン・ジェ」 11・11狂乱
       12月    『站着吃 ヂァン・ヂャ・チィ』 立ち食いについて考える
2015年 1月   『賀年片 フゥ・ネェン・ピェン』  中国の年賀状
       2月   『校服 シャォ・フゥ』学生服って・・・ジャージじゃないですか
       3月   『校花 シャォ・ファ 』 我が校のマドンは・・
        4月   『学校食堂シュェ・シャォ・シィ・タン』 ガクショクだよ
       5月   『街頭売貨ジェ・トゥ・マィ・フォ』 立ち売りの人達
        6月    『ロ少架 ツァォ・ジャァ 』 中国式ケンカの仕方
       7月   『小秘 シャォ・ミィ 』 秘書であって秘書でなし
       8月   『街道樹ジェ・ダォ・スゥ』 中国の街路樹や如何に
       9月   『假幣 ジャァ・ビィ 』 コレッ、ニセ札ジャン!
       10月   『空中小姐コン・ヂォン・シャォ・ジェ』は、飛んでます。
       11月   『素菜 スゥ・ツァィ 』 本場、精進料理のお味は?
      12月   『方便面ファン・ビェン・ミェン』 インスタントラーメンかよ。
2016年 1月   『抱嬰ルバォ・イン・アール』 おんぶ に だっこ
       2月   『算命先生スァン・ミン』 占ってさしあげましょう
        3月     『中国的麻将マージャン』 麻将と麻雀は別もん
       4月   『減速帯ジェン・スゥ・ダィ?』蒲鉾型の突起物
        5月     『 嘆息 タン・チィ 』 溜息なんかついたりして
        6月   『文明大一歩ウェン・ミン・イー・ブゥ』 偉大なる一歩!
        7月     『三色旗袋サン・スゥ・チィ・ダィ』 トリコロール袋の時代
               8月     『田径型卓子ティン・ジンサィ・シン・ズォ・ズ』競技場型会議机
        9月   『低頭族 ディ・トゥ・ズゥ』 スマホが中国人を黙らせる!
       10月    『 辣椒 ラー・ジャォ 』 トウガラシ・辛いのはお好きですか
         11月   『 中国的郵局 ヨゥ・ジュゥ 』 中国郵便局事情
      12月    『機場ジィ・チャン』巨大な飛行場が続々
2107年 1月    『快子 クゥァィ・ズ』 お箸の文化
       2月    『拉拉手 ラ・ラ・ショウ』 お手て繋いで
       3月    『公交車 ゴン・ジャォ・チュー』 路線バスの旅
       4月    『穿鞋 ツァン・シェ』 鞋と靴
       5月    『寵物 チョン・ウー』 ペットを飼う
       6月    『按喇叭アン・ラー・バァ』 鳴りやまぬクラクション
       7月    『午睡ウー・スィ』 お昼寝の時間です
        8月    『喝口卑酒フゥ・ピィ・ジュゥ』夏だ!ビールだ!!
     9月    『液晶壁板イェ・ジン・ビィ・バン』 液晶だらけ
      10月    『碗装蕎麦麺式吃飯ワン・ズァン・チャォ・マィ・ミェン・チィ・ファン』
          11月    『確認座位チュェ・レン・ズォ・ウェィ』 リコンファームは面倒
      12月   『礼多人不怪 リィ・ドゥォ・ブ・グァィ』 礼は何回言えばいいの?
 2018年1月   『 桂暦グァ・リィ 』  壁にはカレンダー
       2月     『 網口巴 ワン・バァ 』 中国ネットカフェ事情
 月刊・私の見た中国         
            
              『私の見た中国』は毎月一回それぞれ
                其の月の数と同じ日に更新となります。
          これとは別に隔月で発行の
                 ペーパー版、『隗報』はすでに99号まで
      発行されております。

  ペーパー版『隗報』の『私の見た中国』
               はウェブ版とは内容が異なります。
               購読ご希望の方はご連絡下さい。
                     バックナンバーもあります。全て揃いませんが
                  不揃いでもよろしければお渡しできます。
                   ですが、こちらも部数に限りがございます。
                  ご希望の方はお申込みはお早めにご連絡を。
              

  
    
  下頁(茶館『隗』)
   のページへはこちらから
 請進!



 表紙へ戻る