おうし(牡牛)座

学名:Taurus(略符Tau)
概略位置:赤経4h30m 赤緯:+18 面積:797平方度
20時に正中する時期:1月下旬 設定者:プトレマイオス

 

1月〜2月ころの宵のころ、頭上近くを見上がるとアルファベットの「V」字形に並んだ星の群れと、「ボゥ」とした光のシミのような?星の集まりを見つけることができます。この2つの天体がおうし座を見つけ、楽しむポイントです!。

 まず、「V」字形に並んだ星の群れを『ヒアデス星団(Mel.25)』という散開星団で、ちょうど牡牛の顔の部分にあたります。ヒアデス星団の中(見かけ上)でオレンジ色の1等星『アルデバラン』が、ちょうど牡牛の目の位置で、まるで血走った牡牛の目のように輝いています。ヒアデス星団のV字形の両端を伸ばした先にある2つの明るい星が、角の先にあたります。

 さて、ヒアデス星団から北西方向に目をやると、「ボゥ」とした光のシミのような?星の集まりを見つけることができます。ふつうの視力の人で6〜7個の星が見え、目のよい人なら10個以上の星の集まりであることがわかると思います。この星の集まりを『プレアデス星団(M45)』といいます。日本では、清少納言が枕草子の中で「星はすばる・・・」と詠んだことから『すばる』という名前で親しまれてきました。

 おうし座は、古代バビロニア時代(紀元前1800〜紀元前1600年頃)にはすでに牡牛の星座が設定されていたほど、歴史のある星座です。また、古代ギリシャでは、アルデバランは「牛の目」とよばれ、プレアデス星団は『プレアデス(座)?』としてそれぞれ独立した星座でした。

 ギリシア神話によると・・・この牡牛の姿は、大神ゼウスがフェニキア王の娘エウローパをさらうために変身した姿であるとされています。
 エウローパの美貌に心をうばわれた大神ゼウスは、白い優雅で上品な牡牛に姿を変え、エウローパ近づいていきました。ゼウスの化身とは知らないエウローパは、そのおとなしく上品な牡牛にすっかり気を許し、そっと背中に乗ってしまいました。ゼウスはエウローパを背中に乗せるやいなや、あっという間に地中海を渡り、クレタ島へ向かったと伝えられています。エウローパはゼウスと結ばれ、以降その周辺をヨーロッパと呼ぶようになったそうです。

 

晴レル夜・星座録