しし(獅子)座

学名:Leo ( 略符Leo )
概略位置:赤経10h30m 赤緯:+15 面積:947平方度
20時に正中する時期:4月下旬 設定者:プトレマイオス

 しし座は春の星座の中でも形が整った“かっこいい?(個人的に・・・)”星座です。春の訪れと共に東の空から昇ると、一気に星空を駆け上がり、南の空高く昇れば『百獣の王ライオン』にふさわしい威厳を感じさせられます。

 しし座を見つけるポイントは、『?(クエスチョンマーク)』を裏返しにした形にならんだ星の並びでしょう。この星の並びが西洋の草刈り鎌に似ていることから『ししの大鎌』と呼ばれています。
 ししの大鎌の柄の部分(しし座の心臓あたり)で輝く白い星をレグルスといいます。レグルスは『小さな王』という意味で、バビロニア、ペルシャ、アラビア、ローマ地方などでは王の星とされていました。
 レグルスの光度は1.4等星で、全天で20個ある1等星の中で最も暗い星です。黄道上にある唯一の1等星で、しばしば月に隠されたり、惑星が近づいたりすることから、西洋では王家の運命を占うための星として「ロイヤル・スター」と呼ばれていました。

 しし座はたいへん歴史のある星座で、原型はすでに古代バビロニア時代のころからありました。ちょうどそのころの夏の太陽が、これらの星の方向から輝いていたことから、強烈な太陽の輝きが百獣の王ライオンの姿と結びついて、しし座と呼ばれるようになったといわれています。この時代以降も、この星の並びはフェニキア、エジプト、ギリシャなどあらゆる時代を通してしし座と呼ばれてきました。

 ギリシャ神話では・・・しし座は、ネメアの森に住む『人喰いライオン』とされています。勇者ヘラクレスはエウリュステウス王から12の大冒険(12の荒行)を命じられ、その第1回目の冒険がこの人食いライオン退治でした。鋼のように硬い人食いライオンの体は、弓矢やこん棒などでは歯が立ちませんでした。そこでヘルクレスは、ライオンの首を絞めて持久戦へと持ち込みます。三日間首を絞められたライオンはとうとう力尽きはて、死んでしまったと伝えられています。

 面白いことに、ヘラクレスが東より昇ってくるころ、しし座は西に傾き初めます。まるで、しっぽを巻いて逃げていくように見えるから不思議です。

 

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