うしかい(牛飼)座

学名:Bootes ( 略符Boo )
概略位置:赤経14h35m 赤緯:+30° 面積:907平方度
20時に正中する時期:6月下旬 設定者:プトレマイオス

 北斗七星の枝の部分のカーブをそのまま南の方向に延長していくと、うしかい座の1等星“アルクトゥールス”を見つけることができます、アルクトゥールスから北の方向にむかって、ネクタイの形のような星のならびが、うしかい座です。

 星座絵では、右手に太い混紡を握り、左手には2匹の猟犬を従えた大男のが描かれています。
 2匹の猟犬は、“りょうけん座”という別の星座なのですが、うしかい座とセットにすることで、牛飼いらしさが引き立ちます。
 さらに、うしかい座とりょうけん座の東隣には、おおぐま(大熊)座があります。おおくま座をも巻き込むことで、牛を襲おうとしている大熊を、牛飼いが猟犬を放って追い払おうとしているような姿がイメージできます。まさに異種格闘技「大熊」vs「猟犬、牛飼い組」といった感じです。この戦いの決着は、日周運動によって、「猟犬、牛飼い組」の勝利?ということになります。
 アルクトゥールスは、ギリシア語で“熊の番人”という意味なので、昔の人も、おおぐま座の後を追いかけているように見えることから、名付けたのでしょう。
 欲を言えば、うしかい座の西隣に牛に関す星座(例えば雌牛座)なんかがあれば最高なのですが…。

 うしかい座の原型は、星座発祥の地、メソポタミア地方ですでに作られていました。メソポタミア地方の羊飼い達は、星を「羊」に考え、アルクトゥールスを星のリーダーとして「羊飼い」に考えていたそうです。

 うしかい座のモデルとなった人物には、いろいろな説があります。ギリシャ神話では、おおぐま座の熊に変身したカリストの息子アルカス、または、天をかつぐ巨人アトラスの姿だとされています。

 アルクトゥールスは、全天で4番目に明るいオレンジ色の星です。その輝きは古くから人々の目をひき、季節の移り変わりや方角を知る星として重要な星でした。日本の農村でも麦の刈り入れが始まる頃に、天頂高く輝くことから“麦星”と呼ばれていました。

 

 アルクトゥールスは固有運動が大きい恒星として知られています。その早さは、1年間で角度の約2.3秒ずつ南西方向に動いています。2.3秒なんて、ごくわずかな角度ですが、2000年間で見かけの月の直径の約2.5倍ほども天球上を移動することになります。
 アルクトゥールスがこのように速く天球上の位置を変えてゆくのは、距離が約36光年と、近いことのほか、毎秒125キロというスピードで空間を移動しているからです。
 ギリシャ神話では、おおぐま座の熊に変身したカリストの息子アルカス、あるいは、天をかつぐ巨人アトラスの姿だとされています

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