やぎ(山羊)座
学名:Capricornous ( 略符Cap )
概略位置:赤経20h50m 赤緯:-20° 面積:414平方度
20時に正中する時期:10月上旬 設定者:プトレマイオス
 秋の宵、南の空の低いところで、3〜5等星が連なった逆三角形が、やぎ座の目じるしです。暗い星が多いのですが、空の条件さえ良ければ、地平線上に位置する逆三角形は比較的見つけやすい形です。
 星座絵にあるように、やぎ座は『上半身が山羊、下半身が魚』という変わった姿として描かれていて、西の角が山羊の頭、東の角が魚の尾を表わしています。

 ギリシャ神話では、やぎ座の正体はアルカディアの森と牧畜の神“パーン”の化身とされています。パーンは本来は上半身は人間、下半身は山羊という姿をしていました。
ある日、神々がオリンポスの山に集まり、宴会を行っていました。そこへ、頭が百もある怪物“テュホン”がやって来て、口から火を噴いて暴れまわりました。神々は大慌てで逃げ回り、バーンは慌ててナイル川(ユーフラテス川との説もあります)に逃げ込みました。あまりに慌て過ぎたため、魚に変身するつもりが、上半身が山羊で下半身が魚という姿になってしまいました。この愉快な姿をみた大神ゼウスは、「これは面白い姿だ」と、天に上げて星座にしたのだと言われています。
 古代バビロニアでは、やぎ座に太陽がある時期が雨期にあたり、ユーフラテス川の氾濫期であったため、『上半身が山羊で下半身が魚という不思議な姿は、この洪水に関係があるのかもしれない。』と言われていました。

晴レル夜・星座録