『約束』仏 2002・1/13
ドニ・バルディオ監督 ミッシェル・セロー

☆☆☆
小児癌のマーティと老人べランとの出会い。
厳しい集中治療の入院生活の恐怖を打ち消すためにイタズラに走る少年が、
高齢で口をきくこともできない老人ベランと出会う。
言葉は無いが心の交流が上手く表現されている。
老人の目だけの演技にも注目。
そして、老人が少年の優しさにラスト『長生きしてくれると約束してくれ・・・』のオチで閉まる。


『アメリ』仏 2002・1/14
ジャン=ピエール・ジュネ監督 オドレイ・トトゥ/M・カソヴィッツ
☆☆☆

『ソウル』日本 2002・2/3
長澤雅彦監督 長瀬智也/チェ・ミンス
☆☆

『オーシャンズ11』米 2002・2/17
スティーブン・ソダーバーグ監督 ジョージ・クルーニー/ブラット・ピット
☆☆

『ロード・オフ・ザ・リング』米 2002・3/2
ピータージャクソン監督 イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン
☆☆
ホビット族の指輪を巡る冒険、3時間の長いストーリー。
しかし、最初から最後までハラハラドキドキのシーンで魅了させられた・・・が。
結末がおわずけでガッカリ。
次回に期待を持たせる所はニクイね。


『ニューヨークの恋人』米 2002・4/25
ジェームズ・マンゴールド監督 メグ・ライアン/H・ジャックマン
☆☆☆
殺伐とした現代のニューヨークと、19世紀の貴族の世界にタイムスリップ。
どちらの世界でも、メグは可愛いし屋上でのディナーが素敵。


『スパイダーマン』米 2002・5/19
サム・ライミ監督 トビー・マグワイア/ウィレム・デフォー
☆☆☆☆
真面目な少年が、遺伝子操作をされたクモに噛まれ
超人的能力を持つスパイダーマンに変身。
ビルの谷間を飛び舞うアクションにはチョッと酔ってしまったが、
彼の純真なラブストーリーが良かった。


『メン・イン・ブラック2』米 2002・7/7
バリー・ソネンフェルド監督 ウィル・スミス/トミー・リー・ジョーンズ
☆☆

『アイス・エイジ』米 2002・8/4
クリス・ウエッジ
☆☆

『エトワール』仏 2002・9/4
ニルス・タヴェルニエ監督 マニュエル・ルグリ/ニコラ・ル・リッシュ
☆☆☆☆
今まで明かされることの無かったオペラ座の舞台裏を映し出したドキュメント。
トップダンサーから無名の団員のステージから稽古風景まで映し出されている。
これらのダンサーからプリマとして残れるのは、ほんの僅か。
厳しい世界だ。


『サイン』米 2002・9/15

M・ナイト・シャマラン監督 メル・ギブソン/J・フェニックス  
☆☆
ミステリーサークルの謎。
音響などで、ドキッ!とさせられる場面もある。
二人の子供の演技が良かった。
しかし、ラスト 絵に描いたような宇宙人の出現にはガッカリ。
最後までミステリーで終わって欲しかったな。


『Dolls<ドールズ>』日本 2002・10/14

巨匠 北野たけし監督 菅野美穂/西島秀俊
☆☆☆
ストーリーは、親の見栄などでエリートコースを選び、
恋人を捨て社長令嬢との結婚を選んだ松本。
結婚式当日、元の恋人が自殺未遂を犯した事を知り式をすっぽかして彼女の元へ飛び出す。
彼女は、ショックから物も言えず感情もコントロールできぬ人になっていた。
責任を感じた松本は、元の彼女とただ一緒に居たいと言うことだけで放浪の旅に出る。
旅の最中の、芸術的センスに満ち溢れた映像、画像。
日本の象徴を『文楽』や色鮮豊な四季に表現しているところは流石。
結末があまりにもかわいそう過ぎる。
重〜い、後味の悪い作品でした。


『至福のとき』中国 2002・11/6

巨匠 チャン・イーモウ監督 ドン・ジエ/チャオ・ユイ
☆☆☆☆☆
失業中のチャオは目の不自由な義娘ウー・インを
嘘をついた旅館で雇うよう見合い相手に要求される。
仕方なく偽りのマッサージ室を作りそこで働かすが・・・
チャオの優しさに感動!此れほどまでに人に優しく
思いやれるか自問自答させられた。
この手の作品だと、男の人に下心あって当然な気がするが、
中国映画らしい純真な作品に仕上がっている。
ラストシーン涙・涙・・・


『アイリス』英 2002・12/23

リチャード・エア監督 ジュディ・デンチ/ジム・ブロードベント
☆☆☆☆
長年連れ添った夫婦アイリスとジョン。
アルツハイマー症が判明し、失意のジョンは彼女に魅了された若き日を回想する。
近い将来、自分にも確実にやってくる老い。
自分の意思とは関係なくボケはやってくる。
老いて痴呆が進んでも最後の最後まで彼女のように愛される
そんな女性で居られたら・・・・
アイリスの若き時代の回想シーンには、
「タイタニック」に出演していたケイト・ウィンスレットが演じている。


『13階段』日本 2003・2/16


☆☆☆
酒場で言い掛かりをつけられ、事故で相手を殺してしまった三上純一。
3年の刑に服し仮釈放となった三上に、刑務主任 南郷が、
ある死刑囚の無罪を証明するための調査を依頼する。
真相を明らかにして行くうちに
『判決を言い渡された時、何故 笑った!!』が、
隠されていた謎のポイントになる。
反町 隆史の今までのキャラはまったく無く重いストーリーで、
山崎 努の渋みの有る演技と
宮迫 博之の迫真の演技が印象深い。


『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』米 2003・2/23
ピーター・ジャクソン監督 イライジャ・ウッド
☆☆

『裸足の1500マイル』オーストラリア 2003・3/5

フィリップ・ノイス監督 エヴァービリン・サンピ
☆☆☆☆
1931年オーストラリアでの実話。
オーストラリアの少数民族、アボリジニの子供達を親達から引き離し
白人社会に適応させようと収容所で教育する。
しかし、無理やり母親から引き裂かれた子は母親に会いたいと収容所を脱走し、
1500マイル(2400キロ)を、90日間掛かって自力で歩いた。
子供でも追っての魔を逃れるたの千恵には驚き。
親子愛の凄さ、ただ会いたいとの一心でオーストラリアを横断してしまうと言う
力強い生命力にも感動。


『WATARIDORI』仏 2003・4/23


ジャック・ペラン監督 
☆☆☆☆☆
世界中の渡り鳥を、カメラが鳥の目線で追った。
CGなど一切使用せず、時間と手間を掛けて出来上がったドキュメンタリー。
卵のうちから人の声や機材の音に慣らさせ、
鳥たちの自然な動きを撮った素晴らしい作品です。
世界の美しい建物や大自然をバックにバサバサと翼の音を耳にしながら
鳥たちと一緒に飛ぶ世界は感動そのもの。
餌を求め生きるために、途方も無い距離をひたすら飛ぶ。
そして、産まれ故郷を目指し必ず同じルートを辿って戻ってくる。
勿論、全ての鳥が無事戻れるというものでなく、
その辺の悲しい場面はさらりと触れるぐらいにしてあるのは、
渡り鳥を強調するもので、”鳥”ではないと理解できる。
今も、耳元でバサバサと鳥たちの翼の音が聞こえる。
バックに流れる音楽も、映像にマッチし素晴らしい。


『メイド・イン・マンハッタン』米 2003・5/11
ウェイン・ワン監督 ジェニファー・ロペス
☆☆☆☆
マンハッタンの高級ホテルでメイドとして働くマリサ。
ある日、イタズラにお客様の高価な衣装を着て遊ぶんでいる所、上院議員候補のクリスと出会う。
彼は、あまりにも美しい彼女をそこの部屋の人と思い込みランチに招待するが・・・
全てがバレて、メイドの仕事も解雇される。
しかし、彼女はそんな困難にもめげず希望をもって頑張りぬいた。
そして、現代版シンデレラストーリーとして結末を・・・・
又しても、子役の演技にまいってしまいました。
久しぶりにアットホーム的ないい感じの結末で、ホッとさせられましたわ。


『ホテル・ハイビスカス』 日本 2003・7/2

中江祐司監督 蔵下穂波/平良とみ
☆☆☆
沖縄の基地近くに、古ぼけたホテル「ハイビスカス」を営む
インターナショナルで元気のある一家。
お父さんの三味線、おばあちゃんの沖縄舞踊が心にしみる。
南国らしい沖縄の綺麗な海・空・太陽と陽気で大らかな家族が、元気をくれる。
その家族のお転婆な小学生、美恵子の精霊キムジナーを巡っての冒険が始まる。
沖縄の民謡や暮らし、子供達の元気な替え歌、懐かしい日本の風景を見た。
しかし、まだ戦争の傷跡は残っていると感じたシーンに美恵子のケンカがある。
何時も穏やかで優しいお父さんが、
石を投げてケンカした美恵子に一度だけ叱りつけたシーン。
『石を投げたり、棒でぶったり・・・それが戦争に繋がるんだ!』心が痛む。


『踊る大走査線 THE MOVIE2』 日本 2003・8/1
本広克行監督 織田裕二/柳葉敏郎/深津絵里
☆☆☆
前作同様、湾岸署 青島刑事の正義感溢れるパワフルな事件物。
自分が求めている大きな事件を探していた時、連続猟奇殺人事件が発生。
その指揮に警視庁の女性管理官が現れる。
折角女性が指揮官に選ばれ期待したのに、
前作と同様室井の指揮により事件が解決する。
レインボーブリッジ閉鎖と大掛かりなロケで
迫力といかりや長介などの味の生る演技には感動したが、
内容的には、前作とあまり変わらない。


『ハルク』 米 2003・8/4
アン・リー監督 エリック・バナ/ジェニファー・コネリー
☆☆
う・・・・・
あんまり面白くなかった。
作りもCGなど雑で内容も幼稚。
ハルクが超人ハルクに変身時、シャツやズボンは弾け飛んでしまうのに、
何故パンツだけは大きく伸びる??
しかも、元の身体に戻った時もパンツは一緒に戻っている。
さて、この素晴らしい伸縮自在のパンツのメーカーは?


『永遠のマリア・カラス』 伊、仏、英 2003・8/15
F・ゼフェレッリ監督 F・アルダン
☆☆☆☆☆
天才オペラ歌手マリア・カラスの生涯を描く。
年老いて美声を失い引退生活を送る彼女に、映画出演の話が飛び込む。
「カルメン」を全盛期の時の声を吹き替えて丁寧に作り上げた。
最初嫌がっていた彼女も、撮影をしていくうちに意欲的になり、
自分でも満足のいく出来に完成を喜んだ。
しかし、次の作品「椿姫」の依頼がきた時点で吹き替えなどせず、
自分の本当の声で映画を作りたいと要求。
折角仕上がった「カルメン」は結局お蔵入りとなる・・・・
マリア・カラス役のF・アルダンが素晴らしい演技で、オペラを魅了させてくれる。



『Hero』 中国 2003・8/21

チャン・イーモウ監督 ジェット・リー/トニー・レオン
☆☆☆☆
紀元前200年 秦王を狙う刺客3人を倒したという謎めいた男。
彼の真意を確かめるため、秦王は彼に経緯を問いただすが、
やがて彼のウソを見抜いてしまう。結末は・・・・
マトリックスのようなアクションシーンと中国の壮大な背景。
赤、青、緑、黄、白と原色に近いカラーに変わる回想シーンでの映像の素晴らしさ。
黄色い銀杏の葉の舞う中での決闘シーンでは、衣装が何とも優雅にしなやかに舞い、
何もかもが芸術的で高貴。うっとり見入ってしまう。
衣装担当は、巨匠 黒澤 明監督作品も手がけていたという日本人スタッフ"ワダ・エミ"。
やっぱり・・・と、納得してしまうのは何故か?
映像の素晴らしさは、北野監督の"Dolls"を、思い出す。


『名もなきアフリカの地で』 独 2003・9/4

カロリーヌ・リンク監督 ユリアーネ・ケーラー
☆☆☆☆
ユダヤ人の家族が第二次世界大戦中、ナチスの迫害を逃れるためドイツをはなれ、
未知の国、アフリカに渡る。
未知の国、アフリカの暮らしに馴染めない妻イエッテルは、
夫のヴァルターに不満を漏らし豊かな暮らしだった頃のドイツを思い出す。
しかし、ドイツに残った家族の消息が分らない厳しい現実を知ったイエッテルは、
次第にアフリカの暮らしに馴染み、現地民を手伝わせ、とうもろこし畑など精力的にこなしていく。
レギーナはいざこざのの耐えない両親を横目に、文化の違う国でも、難なく順応されていく。
1947年終戦。
ヴァルターのドイツでの仕事も見つかり、家族でドイツに帰ろうと言うが、
アフリカの生活に生きがいを見つけてしまった妻イエッテルと娘のレギーナ。
迷い続けた挙句、最後は、家族でドイツに帰ることに。
料理人のオウアのアフリカ人らしい純真さが、レギーナとのやり取りに上手く表現されている。
ドイツに帰る時、オウアとの別れが辛い。


『死ぬまでしたい10のこと』 スペイン 2003・10/29

イザベル・コヘット監督 サラー・ポリー/スコット・スピードマン/マーク・ラッフアロ
☆☆☆
失業中の夫と幼い娘と共にトレーラーハウスに住んでいる23歳のアン。
友達はダイエットに苦労している中、彼女は日に日に痩せていく。
身体の調子が悪くなり病院で診察を受けると、"ガン"と宣告され余命2ヶ月。
長く生きられないと知ったアンは、家族にも内緒で自分が家族にできる事、
そして、したいことの10個をリストアップし残された日々を懸命に生きる。
死を意識しての慎ましく温かく、そして強く生きる彼女の姿が丁寧に作り上げてある。


『マトリックスレボリューションズ』 米 2003・11/10

アンディー・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー監督 キアヌ・リーブス
☆☆☆
大河SF作品。
ザイオン軍と機械兵器との乱戦シーンで、ロボットに人間が入って玉を詰め込み
ガチャガチャと走って戦うシーンには笑っちゃう。

あの世界では、何も人間が遣らなくってもロボットだけで充分戦えるのでは?

『ティアーズ・オブ・ザ・サン』 米 2003・11/20
アントワン・フークア監督 ブルース・ウィリス/モニカ・ベルッチ/トム・スケリット
☆☆☆
ブルース・ウィリスはまり役の映画。
米国特殊部隊ウォーターズ大尉は、内戦の激化したナイジェリアからアメリカ国籍の女医リーナを
救出するよう命じられる。
ところが、リーナは難民と一緒でなければと脱出を拒否する。
ウォーターズ大尉は無理矢理リーナだけを救出するが、難民の惨劇を目にしたウォーターズは
命令を無視して引き返し難民も一緒に連れて行く。
今まで、忠実に軍務を全うしてきた男達も目の前で難民が無残に殺されていく窮地を目の当たりにし、
祖国や正義のためでなく、人間らしい感情を取り戻し難民を助け出す事が出来る。

壮絶な戦闘シーンやジャングルでの脱出シーンは、ハラハラドキドキ。
人間味溢れた感動作。

『ファインディング・ニモ』 米 2003・12/14
アンドリュー・スタントン監督 <声>アルバート・ブルックス/ジェフリー・ラッシュ
☆☆☆
とにかくビックリ、アニメがこんなに綺麗でリアルな映像で。
ストーリーはオーストラリアの深い深い海の中、
イソギンチャクの中で幸せに暮らしていたカクレクマノミの夫婦が、
ある日、バラクーダーに襲われ、マーリンだけが生き残る。
マーリンは、たった一つだけ残された卵をニモと名づけ、大事に育てた。
ニモは、心配性のマーリンの忠告をよそに、海上に浮かぶボートに近づき、
ダイバーによってさらわれてしまう。
臆病なマーリンは、かけがえのない息子を助けるために、
物忘れの激しい魚ドリーと、ニモを探しに大きな海へと旅立つ。

涙は出なかったが、親子愛や友情など、
忘れていたものを思い出させてくれる。
とにかく画像が綺麗で、深海の神秘さや魚達のキャラクターが可愛く上手く表現されている。
げらげら笑えるところもあり、家族向けの作品です。
流石ディズニーだね。

『ラスト・サムライ』 米 2003・12/23

エドワード・ズウィック監督 トム・クルーズ/ティモシー・スポール/渡辺謙/真田広之/小雪
☆☆☆☆
時代は、明治維新後の日本。
最後の"サムライ"の誇り高い精神に共感を得た南北戦争の英雄オールグレンは、
"サムライ"として、首領 勝元と村を守るため最後の大合戦に挑む。
今まで外国人が作る日本のイメージは、
なんかチグハグな可笑しなヤクザだったりと違和感があったが、
今回の渡辺謙が演じる"勝元"役のサムライや日本の女"たか"を演じる小雪など、
日本の時代劇そのもの。中村七之助の明治天皇もお見事。
ニュージランドでのロケため、背景が中国っぽい感じはしたが懐かしさがある。
それにしても、渡辺謙の流暢な英語と、
NHKの大河ドラマでも観ているかのような衣装と役者達の名演技には驚き感動する。




しねま
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