Poopoo のムササビ講座

1999.5.23

1.はじめに

S で duel しようと思って調べると,どのホームページでも必ず登場するのがムササビという技です.でも,原理だけ読んでちょっとやってみたぐらいじゃ修得できないので,ムササビを使いこなせるのはごくひとにぎりの人たちだけ.かく言う Poopoo もまだムササビの修業中ですが,2ヶ月ほど試行錯誤を重ねた結果,だいぶムササビを使いこなせるようになってきました.やはり1日でムササビをマスターするのは無理ですが,順を追って練習すれば誰でもムササビができるようになると感じています.この講座では,どういう手順で練習すればムササビができるようになるかを,Poopoo の経験をもとにまとめてみたいと思います.

もしあなたが「S で duel したいんだけど,うまくムササビができないからなぁ」とか「ムササビってかっこエー」とか思ってたら,この講座はあなたのためのものです.これを読んでさっそく始めてみましょう.

2.必要なハードウェア

4つの魔法(少なくとも2つ)の切り替えとマウスクリックが自在にできる必要があります.もしあなたが Macintosh で1ボタンマウスを使っているとすれば,S での duel は無理です.2ボタンマウス買いましょう.その際いろいろ設定ができる製品が便利です.形は2ボタンだが左右ともただのクリック,なんて粗悪品もあるから注意.ちなみに Poopoo は Kensington の Thinking Mouse という4ボタンマウスです.これはうまく設定すれば,ファンクションキーのないキーボードと組み合わせても魔法切り替えができるという便利な製品ですが,ちょっと値段が高いのと設定方法が複雑なのが難.(実は Poopoo が この4ボタンマウスの設定技術でdiablo の操作技術の埋め合わせをしているというのは秘密.)

3.ムササビの装備

一般的な S の duel 装備でかまいません.まあ
TC, Naj, AAW, OW, DW * 2
とか,盾を持つのであれば
TC, Naj, DF, garnet sh brill, DW * 3
とかでしょうか.DW は,drak/W とか drag/sorc とかでもOK.これらは brill の盾以外,どれも Hell に潜っているだけで自然に揃いますから,S duel を始めるのは比較的簡単です.

4.原理

やはりムササビの原理を理解しておいたほうが,当然修得が速いです.もうどこかで読んで知ってるかもしれませんが,念のために説明しておきます.

まず diablo のプログラムの仕様なのかバグなのか知りませんが,魔法キャンセルというものがあります.魔法1を唱えてから発動するまでの短い時間中に魔法2に切り替えて詠唱すると,魔法1の効果 は起きずに魔法2の効果が2回現れる,というものです.魔法1が発動するはずの時間にすでに魔法2に切り替わっていたら,代わりに魔法2の効果 が現れるわけです.ここでもし,魔法2の2回目の発動時間より前に魔法3に切り替えて詠唱したら,魔法2の2回目の代わりに魔法3が出ます.

ムササビというのは,Teleport と FB を,互いに一つ前のをキャンセルしながら交互に唱えることで実現する技です.Teleport を詠唱したらそれが発動する前に FB を詠唱し,キャンセルされて出た1回目の FB のすぐ後2回目の本来の FB が出てしまう前に Teleport を詠唱する.すると FB がキャンセルされて,代わりに Teleport が発動するといった具合です.

この説明をはじめて読んだら「そんな超ウルトラC,できるか」って思いますよね.でも大丈夫,順を追って練習すれば誰でも必ず出来るようになります.

5.タイミングの練習

さて,最初の練習です.Adria の前に行って,装備品以外のアイテムはすべて地面に置いて INV を空にします.そこに青ポーションをいっぱいになるまで買って下さい.そしたら今度はダンジョンの地下1階に行って広間を捜して下さい.モンスターは別 にいてもいいのですが,最初は気が散らないように CL で掃除しておくのがいいでしょう.さて,準備が整ったら広間の一方の壁の中央あたりに行ってください.広間中央に向かって自分の一つ隣ブロックにカーソルを合わせます.以後はカーソルは一切動かしません.これで準備完了.では Teleport と FB を交互に唱えてください.1秒間に Teleport と FB が1回ずつぐらいの速さで,等間隔に乱れなく詠唱します.すると,ちょうど
(1)Teleport する瞬間に FB を唱え,
(2)FB 撃つ瞬間に Teleport を詠唱する,
という感じになります.このタイミングがムササビの基本ですから,体で覚えるまでしっかりと練習してください.

まあ10分もやればとりあえずはできるようになりますよね.少し慣れてきたら,Potion 飲みながらでも乱れないようにとか,少しマウスを動かしてみても乱れないようにとか,自分でいろいろ試してみてください.せっかくタイミング覚えたと思っても,1日たったらまた少し練習しないと感覚が戻ってこないですね.それではダメです.これがいつでもすぐできなければムササビ使えません.潜りのついででいいから,毎日少しずつ練習して,タイミングが完全に身につくようにしてください.

最初は気にしなくていいですが,かなり慣れてきたら,魔法を唱えるタイミングをほんの少し早くしてみたり遅くしてみたりしてみてください.実は上の(1)のほうはタイミングがかなりシビアですが,(2)のほうは詠唱が少し遅れても大丈夫です.これは大事な点で,実践では(1)で次の Teleport 先をクリックし,(2)の時に相手を捕捉するのですが,相手の捕捉のほうは少しぐらい遅れ気味でも大丈夫ということになります.まあこのへんは,実践を積んで勘を養っていくしかないかも知れません.

6.FB の方向の練習

Teleport と FB が交互に乱れなく詠唱できるようになったら,今度は FB を任意の方向に撃つ練習です.やはりダンジョンの地下1階で広場を捜して CL でモンスターをかたずけてから始めるのがいいでしょう.

今度も Teleport と FB を交互に唱えるのですが,そのとき,(1)で自分をクリックし,(2)で FB を撃ちたい方向に3ブロック程度離れたところをクリックします.たとえば上に FB を撃ちたいとすると,マウスが画面の(1)中央と(2)上部を行き来することになります.これを繰り返していると,自分はほとんど移動せずに FB が(2)のマウスクリックの方向に出ますね.上下左右どの方向にも自在に FB が撃てるように練習してください.特に FB 撃つのが苦手な方向がある場合には,その方向の練習を重点的にするとよいでしょう.

まあこの練習では画面の変化が比較的少ないので,マスターするのは容易なはずです.

7.移動の練習

上の6の練習で(1)自分をクリック,していたところを常に自分の1ブロック左をクリックするようにしてみて下さい.すると Teleport と FB 繰り返しながら少しずつ左に移動していきますね.自分の右ブロックにすれば右に進みます.こちらも任意の方向に移動してゆけるように練習しましょう.

このとき,注意していると,FB が少しずれた方向に飛んでゆくのがわかります.実は FB は,(1)のクリックの位置から(2)のクリックの位置に向けて発射されるのですが,そのタイミングは半テンポ遅れで,(1)(2)と来て次の(1)の時に発射となります.だから,(2)は自分から見て FB を撃ちたい方向にクリックするのではなく,(1)のクリック地点から見て撃ちたい方向となるように先行入力するという感じです.

移動に少し慣れてきたら,常に広間の中央に向けて FB を撃ちながら,広間をぐるっと回ってみましょう.(1)は円軌道に沿って自分の現在地店より少し先を,(2)は広間の中央をクリックするようにしてください.画面 は左右に広く上下に狭くなっているので,斜めに移動する時にはその補正をしながらでないとうまく円の軌道を描くように移動できませんね.これも慣れるしかないですから,とにかく練習です.うまく円軌道で移動できるようになったら,逆回りも練習してください.移動の間隔を少し広げてみるとか,途中で反対方向に切り替えるとか,自分で考えていろいろやってみるといいですね.

8.捕捉の練習

移動に加えて捕捉ができるようになると,とりあえずムササビが完成です.

捕捉の練習には相手が必要なので,ちょっと工夫が必要です.少し慣れてきたら相手はモンスターでも練習ができるのですが,最初は止まっている相手がいいです.もしあなたがコンピュータ2台をケーブルで繋いで Diablo ができるという恵まれた環境ならば話は簡単です.もう一人のキャラクターを広間に連れてきて,中央に立たせ MS を張ります.普通はコンピュータは1台でしょうから,捕捉の練習の最初だけは友達に頼んで上と同じことをしてもらうことになります.二人でムササビの練習をするのならば,互いに役割を交換し合うといいですね.

この練習のときは,FB の代わりに Firebolt をファンクションキーにセットしておきます.もし立たせたキャラクターのレベルが低すぎて Firebolt でも強すぎならば,Holybolt にすればダメージなしですが,これでは当たったかどうかの判断がつかないので,できれば Firebolt がいいと思います.

さて,準備ができたら,移動の練習と同じ要領で広間の周りを移動しながら中央に向けて Firebolt を撃ちます.このときに,(2)で中央にいるキャラクターの上にカーソルを合わせてクリックするようにします.マウスを短時間に正確に画面 の中央に持ってこないといけないので難しいですね.でも,これができるようになればムササビです.しっかり練習してください.最初は10回に1回しか当たらないかも知れませんが,慣れるにしたがって命中率が上がってきます.

FB/Firebolt が実際に当たるタイミングは1ステップ遅れという感じですね.ここまで順番に練習してきたならすでに気がついているかも知れませんが,実はこの1ステップの間に相手が移動していても FB/Firebolt は移動後の相手に向けて飛んでゆくという性質があります.この性質のことを homing(自動追尾)と呼んでいます.しかも飛ぶ FB/Firebolt は,相手には見えません.何も攻撃されていないのに,突然ダメージだけが来るっていう感じになります.

止まっている相手の周りを移動しながら相手をちゃんと捕捉して FB が撃てるようになったら,今度は動いている相手に対して同じことをしてみてください.地下16階の BK 相手に Firebolt で練習すればいいでしょう.Phasing するモンスターで練習すれば,homing の感覚が養えます.ふだん一人で潜るときも,遊び気分でどんどんムササビしましょう.

9.実践

ここまでムササビができるようになってきたら,あとは実際の duel でムササビを使ってみましょう.

実はここからが一番むつかしいのかも知れません.というのは,普通duelist と呼ばれている人達はたいていめちゃくちゃ強くて,ムササビちょっと覚えたぐらいじゃ全然歯が立たなかったりします.ムササビ始めようとしたとたんに弓ではめられて Potion 飲む余裕もなく死んでしまうんでは楽しくないですよね.duel は自分と同じぐらいのレベルの友達とやるのが一番楽しいし,上達も速いです.まずは自分と同じ程度の強さで,楽しく duel ができる相手を見つけてください.あとは,いっぱい duel をすることです.ムササビでも他のどんな技でも,実践には練習だけでは修得できない要素がたくさんあります.それを身につけるには,duel の経験を積むしかありません.

ムササビ使って bow-R と duel していると,自然とそうなってくるんですが,相手が画面 の中に見えている時間はほんの一部で,ほとんどの時間は相手が画面の外にいて,こっちにいそうだと思われる方向に FB を撃っています.相手が画面に現われた一瞬に相手を捕捉し,次の瞬間には相手の画面 から外に出るように移動します.その位置から画面の外の見えない相手に対して FB が homing して飛んでいきます.相手のほうも,やはりこちらを捕捉して Phasing bow や Teleport bow で攻めてきますから,見えない相手から矢が飛んできます.ですから,チャンスを逃さずにいかに相手を正確に捕捉するか,FB を撃った時に相手との間に柱などの障害物がない場所にいかに正確に移動するか,が勝敗の分かれ目になってきます.捕捉と移動のためのマウスの動きはハンパじゃないです.カーソルが常に画面 の端から端へとせわしく動き回り,それにつれて画面がめまぐるしく変化します.このダイナミックさがムササビの醍醐味と言ってもいいでしょう.

10.おわりに

実践のところでも述べましたが,duel を楽しみながら上達するためには,やはり自分と同レベルの duel 友達とやるのが一番です.Poopoo の場合は,2ヶ月ほど前 duel を始めたばかりのころに -SAE- という R 使いのヘボ duelist と出会ったのが非常に幸運でした.最初は一緒に潜ったりしてたのが,「duel もするよ」ということなのでやってみたら,勝率五割ぐらい.ヘタはヘタなりに楽しいんですね.でも duel するからには技とか使えるほうが面白いわけで,それでムササビの研究を始めたわけです.その後 -SAE- とは何度となく duel をして,互いにずいぶん上達しました.今では Poopoo のムササビも,一般的な bow-R の duelist に対してそれなりに通用する程度になってきましたが,-SAE- の対 S の腕前のほうも相当なもんです.で,いまだに勝率五割ぐらいなんですね.

ムササビについては,ここで述べたこと以外にも対抗技やバリエーション等いろいろ解説すべき事柄があるのでしょうが,Poopoo はまだまだ修行が足りず,これ以上の解説をする力量はありません.それらについては他所に譲ることにします.他のムササビ使いの人達は,ここで述べたものとは違った方法でムササビを身につけたかも知れません.きっと何かの思い違いもあったりすると思います.でも,「この講座がきっかけで S で duel 始めてみたら,Diablo がますます面白くなった」なんて言う diabler が出てくるようなら,経験不足を承知の上でこのムササビ講座を執筆した Poopoo としては本望です.