ライブカメラ交換 編


11月某日

 8月から運用しているライブカメラも、秋の日差しとともにマックのホームポジションに移動することに。

 しかし、「この先冬を迎えて四季折々カメラのアングルを追うのも知恵がないな」と思い始めたのが運の尽き。
 カメラの入れ替え妄想がよぎり始める。

 毎回こうなると困ったもので、町を歩けば交差点の交通監視カメラが気になり、客先のロビーでは監視カメラのレンズがオートアイリスかが気になり、立ち読みはその手の記事ばかり。

 ついに「ボーナスで遠隔制御カメラを付けよう」となってしまう。


11月19日

 日本橋をくまなく歩くが、なかなか外部コントロール可能カメラを扱っているところが見つからない。

 雲台は何軒か手応えありなのだがこれがメチャ高い。(コントローラ込みで8〜9万)

 この時点で今年の冬はカメラコントロールのみに決定。

 これより雑誌の通販ページ読解にかかる。


11月27日

 名古屋のアプロという防犯機材取扱店のカタログ上に「RS-232Cコントロール可」というカメラを見つける。
 日立のDSPカメラも魅力だが外部コントロールは不可のようでこちらの方が魅力的に思える。ただし、通販なので取り寄せてみないと分からない点が若干不安。
 電話を入れてみると三菱のCCD-300Uというメーカ製とのこと。先方はしきりに「大丈夫??」と心配していただいたが、コントロール用のWindowsツールもあるらしいので「何とかなるだろう」と冒険に。

 後日、日本橋のスーパービデオでオートフォーカスが利かない不良品を見つける。
 でも、実機を見ることができ大きさばっちり、画質まあまあなので通販発注することに決定。
 (この不良品はひっとするとフォーカスロックの状態のようにも思えます??)


12月13日

 CCD-300Uは防水どころか防滴もされていないので、ケースを物色する。
 しかし、日本橋ではどこも似たようなもので、「エッこんなケースが」というものに1.5万〜2.5万の値付けがされている状況。ましてや、屋外なのでヒータとプロア付きなどと言うと「取り寄せになります。値引き!なんですかそれ」という状態。
 店頭で聞いた話では監視カメラの代わりにハウジングケースを購入、設置する人が多いようで、言い値のようでした。特に某社の水中めがねデザインのものはその手の業界の方には見た目がいかついので好評とのこと。(なんだかな〜〜〜)

 ジャンクも何軒かあたったのですが、「某博覧会の出物」というケースはスチールのしっかりしたものでしたがプロワーは外され温度コントローラは基盤だけチョン切られ、ヒータ付きのレンズガラスだけが「良いハウジングケースだったんだろうな」という面影を残していました。

 結局、ケースも通販で購入することに。ついでに取り付け金具としめて5.9万の買い物と相成りました。


12月15日

 カメラ周辺機材が到着する。
 手にしてみると思ったより小さい。それに比べてハウジングケースの大きいこと。
 しかし、この思いこみが後々とんでもないことに。

 添付品も結構なもので、本体、コントロールソフト(オリジナルCD)、シリアルケーブル(リバース)、Dsub9ピンのメス−メス変換コネクタ、BNC-ピンの変換コネクタ、電源アダプタというもの。一通りどんな構成でもOKという感じです。
 カメラはもともと輸出用と思われマニュアルは英文でした。もっともアプロオリジナルのコントロールソフトと簡易マニュアルがついているので、通常PCからダイレクトに扱う分には十分なものでした。

 まずはCCD-300Uを裸にして(分解じゃないよ)シリアルケーブルを接続、コントロールソフトをPCにインストールしてみる。

 PowerONをするとSETUPという表示をモニターに出しつつモータドライブが静かに唸るところはなかなかのもの。つづいてコントロールソフトでズームをしてみる。RS-232C(9600bps)でのコマンド制御ということで若干のタイムラグは感じるもののたいがいのコントロールが可能でした。

 特徴的なことと言えば10件分のプリセットが可能なので昼間しかも晴天時、雲天時、朝夕時、夜間などおもしろい使い方ができそうです。

 また、コントロールコマンドは更に細かくオリジナルコントロールができます。

  ここまで高機能なら遠隔制御しない手はないし、先行き雲台のコントロールも試してみたいので、秋月通商のPICNICをついでに発注する。組み立ての不安がよぎり完成品購入へ。

 PICNICはRS-232Cポートとアナログ入力4ch、デジタル入出力各4chをそなえEthernet10BASE-TでTCP/IPでコントロールできるリモートI/Oボードです。
 また、オマケの温度計もついているのでケース内の状態も把握できるのでもってこいのキットです。


12月20日

 PICNICが到着する。

 秋月の商品はたいがいそうだが「内容が判っていなければ買うな」という梱包とマニュアル(メモ?)が結構な梱包材でくるまれて到着した。

 もちろんケースはなく裸のボードが一枚だけ。もっとも「キット」なので完成品購入がアブノーマルなのでしょう。

 製作元のトライステートがHPを用意しているのでこちらから、テスト用のプログラム、RS232Cコントロール用のプログラムをダウンロード。

 とりあえず単体のテスト良好。

 しかし、カメラを接続してのテストが旨くいかない。この時点では、まさか年越しとは夢にも思いませんでした。


12月29日

 大阪で接続動作しないまま帰省することに。スポーツバック一杯にカメラ、ハウジングケース、アングル、PICNIC、ノートPCがお土産。

 しかし、232Cの接続不能状態は変わらず
  1.カメラ〜PC   付属リバースケーブルでOK
  2.PC〜PICNIC  TCP/IP経由232C戻りストレートケーブルでOK
  3.PICNIC〜カメラ ストレートケーブルNG(当然リバースケーブルNG)
 という状況。

 232Cテストで確認するが「動かなければおかしい」状態。当然ケーブルのピン同士もテスターで確認。


1月2日

 ついに動かないまま年越しに。
 部屋の中はケーブルがのたうち回る状態。家族からは「何しに帰ってきたの!」と怒号の飛び交う中、再度一から考え直す。

 1.PICNICは232Cにはいている模様。
 2.カメラは正常に受け取っている模様。

ひっとしたら。との思いで232Cのサーキットシュミレータを取り出してカメラ側のER信号をDRとCSに返してみる。

すると、なんとなんとコマンドが通ってしまったではないですか。

 つまり、CCD-300Uは完璧にRS-232Cのハンドシェイクをしているようで、ER、DRがこないと受信動作に入らないようです。この点はマニュアルにも記載がないので判りませんでした。
 PCと接続している際にはきっちり利用信号がチャネルオープンとともにでているのですが、PICNICの場合フリーのユーザプログラムなのでここまではコントロールしていないようです。(ソースを読めばいいのでしょうがあいにく判りません)

 ということで、オリジナルのストレートケーブル製作することで一件落着。


1月4日

 一晩中テストしてみるが問題ないようなので、PICNICをタカチのケースに入れハウジングをセットすることに。

 が、ここで大問題発生。

 カメラをセットするとPICNICが収まらないことが判る。RS-232CコネクタやBNCピン変換コネクタ、はたまたプロアの厚みを考えていませんでした。

 結局、PICNICと各電源アダプタは外出しにすることに。
 小屋の軒だから良かったものの、天雨をしのげなければトホホの状態になるところでした。
 (くれぐれも外形寸ではなく内径寸しかも補機類を考慮してサイズは決めて下さい)

 ようやく運用にこぎ着けた次第です。


1月6日

 本日時点ではListcamは従来のまま、カメラのGAINを+10の状態で運用しています。

 前のカメラが27万画素、今回が38万画素なので本来は画質向上といいたいのですが、Win2000の問題からなのか320×240から解像度が上がらないので画質的にはあまり替わりませんでした。

ただし、モニターで見ていると明るくなって鮮明になっているので映像ソースとしてはそこそこのようです。

 しかし、画角が狭くなった分回転台の必要性を感じています。

 この辺りはPICNICのデジタルポートを使った雲台制御をやってみたいと思います。